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米国でLGBTQと自認する人の割合が7.1%で10年前の2倍に、Z世代では21%に上りました

2022年02月18日

 米世論調査会社ギャラップ社による最新の調査で、LGBTQ(性的マイノリティ)であると自認するアメリカ人成人の割合が10年前の3.5%から7.1%になり、倍増していることが明らかになりました。Z世代では21%に上っているそうです。

 LGBTQ(性的マイノリティ)であるとのアイデンティティを持つアメリカ人成人の割合は、2012年に3.5%だったのが、2021年には7.1%となりました(2020年のギャラップ社による電話調査では5.6%でしたので、1年で1.5ポイントも上昇しています)
 1997年〜2003年に誕生したZ世代では21%、1981年~1996年生まれのミレニアル世代では10.5%、それより前の世代では割合が徐々に少なくなっているそうです。
 LGBTQのアメリカ人成人のうち、半数を超える57%近くがバイセクシュアルであると回答しており、これはアメリカ人成人全体の約4%に当たります。ゲイ(男性同性愛者)は20.7%、レズビアン(女性同性愛者)は13.9%、トランスジェンダーは10%だったそうです。
 
 専門家は、この結果についてLGBTQの権利や表現の向上を指し示すものだと説明しています。
 シンクタンク「アメリカ進歩センター」のシャリタ・グルバーグ氏は、先行世代に比べてZ世代でLGBTQを自認する人の割合が高いことはうなずけると語ります。この世代が暮らしている世界は、同性婚が全米で合法であり、異性愛・シスジェンダー以外の性的指向や性自認について認知が広がり続けた場所だからです。「Z世代が成長したのは、LGBTQの自認に対するレッテル貼りが減り、権利が拡大した時期だった。性的指向および性自認の多様性について認知が高まることで、より多くの人々がLGBTQを自認する状況となる可能性が高い」
 
 
 アルフレッド・キンゼイ博士が1948年に発表した性行動調査「キンゼイ・レポート」では、20歳〜35歳の白人男性の11.6%がバイセクシュアルであったこと、男性の10%が16歳〜55歳の間の少なくとも3年間は同性愛者であったことなどが書かれており(この数字が『世界がもし100人の村だったら』の「100人のうち11人が同性愛者です」につながっていると思われます)、アメリカ社会にセンセーションを巻き起こしました。

 2015年に統計情報サイトYouGovが調査したところによると、アメリカ人全体の78%が完全な異性愛者と回答(しかし、このグループのうちの12.0%が同性との性交渉の経験があると認めています)。また全体の4%が同性愛者、16%がバイセクシュアルであると回答しています。年齢を30歳未満に区切ると、29.0%が同性愛者またはバイセクシュアルだと回答しました。同様に英国で調査したところ、同性愛者またはバイセクシュアルだと回答した方が23%(18〜24歳だと実に49%)に上っています(詳細はこちら

 調査方法によっても異なってくるのでしょうが(ギャラップは電話調査、YouGovはインターネット調査)、LGBTQの権利回復が進み、世間の偏見や差別(フォビア)が少なくなり、カミングアウトしやすい状況になればなるほど、自分自身が性的マイノリティ(クィア)であると申告できる方が増えていき、その割合は2割強(若い世代なら3割〜5割近く)になっていくと言えそうです。

 なお、日本では、2019年のLGBT総合研究所によるインターネット調査(スクリーニング調査)で全体の10%、電通の「LGBTQ+調査2020」(こちらもインターネット調査)では8.9%という調査結果が出ています。この数字も将来、LGBTQ差別解消法が制定され、同性婚が実現し、社会の受容度が高まれば、もっと上がっていくことでしょう。
 
 
参考記事:
LGBTQ自認の米国人成年、過去10年で7.1%に倍増 Z世代は21%(CNN)
https://www.cnn.co.jp/usa/35183744.html

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