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『バズ・ライトイヤー』で同性カップルのキスシーン、ディズニー/ピクサー長編アニメとして初

2022年03月19日

 今夏公開の映画『バズ・ライトイヤー』で、制作の過程でカットされていた同性キャラクターどうしのキスシーンが本編に収められる(復活する)ことがわかりました。先日の「ゲイと言ってはいけない」法案をめぐるディズニーのチャペックCEOの対応への一連の批判のなかで、ピクサーの従業員がディズニーによる同性愛要素の検閲を告発したことが影響しているそうです。

 
 映画『バズ・ライトイヤー』は、大ヒットしたディズニー&ピクサー映画『トイ・ストーリー』シリーズに登場する人気キャラクター、バズ・ライトイヤーの誕生秘話を描くスピンオフ作品で、本国では今年6月に、日本では7月1日に公開されます。この作品で、ディズニー/ピクサーの長編アニメーション映画としては初となる同性キャラクターどうしのキスシーンが盛り込まれることが明らかになりました。女性キャラクターのホーソーンと、そのパートナーの女性によるキスシーンです。
 このレズビアンカップルのラブシーンは、制作過程において一度カットされたものの、公開まで4ヵ月を切ったつい先日、本編に収録されるることが決定しました。その背景には、「ゲイと言ってはいけない」法案に対するディズニーのチャペックCEOの対応に社内外から反発の声が高まり、ピクサーの元社員が「長年にわたって、クリエイターたちがLGBTQ+を作品に織り込もうと努力してきたが、その度に阻止されてきた」と告発したこと、法案可決後、ピクサーの従業員たちが連名で「ピクサーのクリエイティブチームやエグゼクティブたちがどんなに反対しようとも、同性キャラクターどうしが必要以上に親密そうにする描写は、これまでいつもディズニーの要請によりカットされてきました」と告発する声明を発表したことがあります。
 こうした批判の声を受けて、チャペックCEOは、正式に法案への反対を表明し、LGBTQ団体への寄付を行なうことも約束しました。今回の、『バズ・ライトイヤー』でレズビアンカップルのキスシーンを復活させた件も、社内外の声に応え、今後の社のあり方を見直すというディズニーの意思表示のひとつだと捉えられています。
 

 1995年以来、ずっと『トイ・ストーリー』シリーズに慣れ親しんできた(『トイ・ストーリー4』で泣いたりした)方も少なくないと思いますが、ついに『トイ・ストーリー』シリーズにも同性愛シーンが登場するのか…との感慨を抱く方もきっといらっしゃることでしょう。
 先日のディズニーのゴタゴタはがっかり案件でしたが、雨降って地固まる(雨降って虹が出る?)で、今後、ディズニー/ピクサー作品にバンバンLGBTQが登場するようになることが期待されます。


【追記】
 今月配信がスタートし、大絶賛されているピクサー作品『私ときどきレッサーパンダ』にも、もともと同性愛描写があったのに、ディズニーがカットを命じ、幻となってしまったんだそう。本当に残念です…。


参考記事:
『バズ・ライトイヤー』、お蔵入りした「同性キスシーン」が大人の事情でカムバック
https://front-row.jp/_ct/17526888

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