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ディズニー後継者がカミングアウト、「ゲイと言ってはいけない」法案を批判

2022年04月12日

 ウォルト・ディズニー・カンパニーの創設者一族であるディズニー家の一人であるチャーリー・コラ・ディズニーがトランスジェンダーであることをカムアウトし、フロリダ州の「ゲイと言ってはいけない」法案に一石を投じました。
 

 米『Los Angeles Times』紙の4月10日付の記事によると、ウォルト・ディズニー・カンパニーの創設者一族であるディズニー家は今月、LGBTQ団体「Human Rights Campaign(HRC)」に最大50万ドルの寄付を発表しました(先月、ディズニー社のチャペックCEOが寄付を表明した際は、ディズニー社が「ゲイと言ってはいけない」法案に対して意味のある行動を取るまでは寄付金を受け取らないと表明していましたが、その後、同社が法案への反対を表明し、チャペックCEOが対応が遅れたことに対して謝罪するなど、変化が見られたため、受け取ることにしたのだと思われます)が、そのなかで、ディズニー家の一人であるチャーリーがトランスジェンダーであることをカムアウトし、「ゲイと言ってはいけない」法案に「心を痛めている」と記されていました。
 高校で生物学や環境科学について教える教師として働くチャーリーは、弟のウォルトと並び、ウォルト・ディズニー・カンパニーを共同創設したロイ・O・ディズニーのひ孫にあたる人物です。チャーリーはプライベートでは約4年前にカミングアウトしていましたが、ジェンダーアイデンティティを公にするのは今回が初めてだそうです。同紙では、自身の経験に重ね、法案を強く批判していました。
「私にはゲイのロールモデルはほとんどいませんでした。トランスジェンダーやノンバイナリーなんて一人もいませんでした。私は自分みたいな人を誰も見つけることができなくて、自分自身に何か問題があるのではないかと感じていました。そんな状況にあるのに、そこにさらにこのような法律を押しつけるなんて。彼らは学校で自分たちのコミュニティや歴史について学ぶことも、スポーツをすることも※、使いたいトイレを使うこともできないのでしょうか?」

※アメリカの保守的な州では、トランス女子が女子チームのスポーツに参加することを禁ずる法案が次々と可決されています

 ブッシュ大統領の時代、副大統領であったディック・チェイニーの娘、メアリー・チェイニーがレズビアンであることをカムアウトし、父は「(同性愛の問題は)共和党の問題ではない」「全てのアメリカのゲイとレズビアンは平等である」と発言するまでになりましたし、ブッシュ大統領の娘であるバーバラ・ブッシュも同性婚を支持するようになったという話があります。
 ディズニーの後継者の一人であるチャーリーのカミングアウトも、きっと多くの人たちに影響を与え、LGBTQへの態度を変えていくことにつながるのではないでしょうか。胸を打たれた方、勇気をもらった当事者の方も多かったことでしょう。素晴らしいニュースでした。
  


 ウォルト・ディズニー・カンパニーといえば、もう一つ、マーベル・スタジオのプロデューサーで取締役副社長、映画制作のトップでもあるヴィクトリア・アロンソ氏がディズニー社のチャペックCEOと話し合い、社を挙げて「ゲイと言ってはいけない」法案に立ち向かうよう呼びかけたとのニュースもありました。
 同性パートナーと結婚しているヴィクトリア・アロンソ氏は、こう語りました。
「もしあなたがLGBTQIAコミュニティのメンバーで、ウォルト・ディズニー・カンパニーで働いているなら、この2、3週間は悲しい出来事だったでしょう。先日行なった座談会で私はチャペック氏に勇気を出すことを求めました。周りを見渡して、私たちが売っているものが家族のためのエンターテインメントなら、家族を選ばないでくださいとお願いしました。家族とは、この部屋全体のことです。家族とは、テキサスの家族、アリゾナの家族、フロリダの家族、そして私の家族のことです」
「ここでチャペック氏にもう一度お尋ねします。どうか尊重してください。私たちがファミリーフレンドリーだというのなら、このような時代遅れの法律に反対する立場をとってください。私たちを容認すると言うのはやめてください。誰も私を容認していません。あなたはフロリダの暑さも、アリゾナやフロリダの湿度も、アリゾナやテキサスの乾燥も容認しています。2歳児のかんしゃくも容認しています。でも、あなたは私たちを容認していません。私たちには、生きる権利、愛する権利、持つ権利があります。なにより私たちはオリジン・ストーリーに値します」
「皆さんも黙っているのはやめましょう。沈黙は死です。沈黙は毒です。もしあなたが立ち上がらなければ、もしあなたが戦わなければ、もしあなたがお金を出さなければ、もしあなたが投票しなければ、私たちにできることはパーティをしてゲイでいることだけです。戦ってください! 私はマーベル・スタジオにいる限り、私たち全員の代表として戦っていくつもりです」
 

 
 
参考記事:
ディズニー後継者がトランスジェンダーだと公表、「ゲイと言ってはいけない」法案を批判(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17532833

マーベルのプロデューサー、ディズニーに「反LGBT法」に“立ち向かうよう”呼びかける(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17531485

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