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【同性パートナーシップ証明制度】鳥取県境港市が山陰地方で初導入へ、その他、高知県土佐清水市、北海道北見市などの情報をお伝えします

 鳥取県境港市が「パートナーシップ宣誓制度」を7月から導入することになりました。山陰地方で初めてです。
 境港市の伊達市長は、5月30日の定例会見で「パートナーシップ宣誓制度」の導入を7月から予定していると述べました。「共生社会づくりを目指して取り組んでますけれど、当然LGBTの方も市内におられる可能性があるわけで、あらゆる境遇の人たちを含めて、お互いが尊重して支え合える社会にしたい」と語りました。

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 高知県土佐清水市は6月1日、同性カップルやその子どもを家族として公に認める「パートナーシップ・ファミリーシップ登録制度」を導入しました。高知県での制度導入は高知市に次ぐ2例目で、ファミリーシップ制度は初です。土佐清水市は「性の在り方は個性。誰もが自分らしく安心して暮らせるまちを目指す」としています。
 市は申請に基づいて登録証を交付し、交付を受けたカップルは救急搬送や被災、罹災などの証明書の発行、市営住宅への入居申込みといった行政サービスを受けられるようになります。
 土佐清水市は2020年12月に検討部会を設置し、導入自治体への視察や支援団体の意見などを踏まえ、今年3月に導入を決定しました。
 今月28日には市内で講演会が開かれ、香川県三豊市の田中昭全さん&川田有希さんカップルが登壇し、「思春期の当事者にとっては、自分の住む自治体に制度があることが自己肯定感につながる」「制度の存在自体が救いであり希望。作って終わりではなく、その後の啓発や制度の更新を続けてほしい」と語りました。

 
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 北海道北見市は6月1日、「パートナーシップ宣誓制度」の受付を開始しました。北見市役所の窓口には性的マイノリティへの支援を示すレインボーフラッグが掲げられました。北見市市民生活課男女共同参画係の三輪英里子係長は「性的マイノリティの方が互いを人生のパートナーとして生きていくことを市として応援するために始めましたので、申請を考える方は気軽に市役所に相談してください」と話しました。
 北海道新聞によると、市在住のゲイカップル、森谷毅さんと斉藤春生さんが3日に申請する予定です。森谷さんは北見市、斉藤さんは札幌市出身で、15年ほど前に札幌のバーで出会い、遠距離恋愛の後、7年前から北見で一緒に暮らしています。現在は同じ市内の放課後等デイサービスに勤務し、職場や友人、家族にもカップルであることを伝えているそうです。「当事者は身近にいて、普通の生活を送っていることを広く知ってほしい」との思いから、市役所2階の多目的スペースに知人らを招き、立ち会ってもらうそうです。お二人は「現時点では宣誓の利点は少ない」ものの、それでも申し込むのは、「当事者について理解が深まってほしい」という思いからだと語りました。一軒家に犬とともに暮らし、料理、洗濯などの家事も二人で分担しています。森谷さんは「特殊な存在と見られがちだが、出会いも今の生活も、普通のカップルと何ら違わない」と語ります。森谷さんは保険金の受取人に斉藤さんを指定できなかったため、長年入っていた医療や生命保険を解約せざるをえなかったといい、制度導入を機に、法的な夫婦と同様の権利やサービスが受けられるよう、社会の認知が進むことにも期待しています。斉藤さんは「LGBTQを『陰』でなく『陽』と捉える人が増え、悩みを抱える当事者の背中を押したい」と語りました。

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 同じ北海道の帯広市では、「市パートナーシップ制度」の原案をまとめ、5月26日の市議会厚生委員会で示し、行政サービスの見直しとして、同性らのカップルを配偶者と同様に扱い、市営住宅への入居を可能とすることを説明しました。また、二人が契約を結んだと行政が確認し証明する「証明制度」と二人の関係性を行政に登録する「登録制度」から選択できるという、全国的に見ても珍しい制度にするそうです。
 制度導入後、市は同性カップルなどを配偶者と同等に扱うよう手続きを進めます。具体的には、現在、親族のほか事実婚や婚約の異性カップルに限られている市営住宅の同居者に、パートナーシップ登録をしたカップルも加えます。二人が住民票上同一世帯の場合、税証明の申請のための委任状は不要とし、手続きの負担が軽減されます。
 個々の事情に合わせ、当事者二人が公正証書などで結んだ契約を市が確認する証明制度と、契約書が必要ない登録制度から選択できるようにします。すでに制度を導入している札幌市や函館市などと協定を結び、転出入の際の行政手続きの軽減を図ることも検討しているそうです。
 同性パートナーを持つ市職員については、手当を配偶者と同等に支給し、結婚や介護などに伴う休暇も取得できるようにします。
 帯広市は今年3月に同制度の素案をまとめており、今後、6月27日までパブリックコメントを受け付けて、成案とした後、秋からの運用開始を目指します。

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 それから、東京都は、11月1日導入予定の「パートナーシップ宣誓制度」についてのパブリックコメントで要望が多かった、転入前の届け出を認めるそうです。都内で住まいを探す際に証明書を活用できるよう、双方またはいずれかが都内に引っ越す場合、3ヵ月前から届け出を受け付けられるようにしました。
 積極的な情報公開を求める声もあり、個人情報を除いたかたちで制度の利用者数などを集計し、都の公式サイトで定期的に公表する方向で調整しているそうです。
 都は6月議会に条例改正案を出す予定で、可決されれば10月中旬にも受付がスタートするそうです。



参考記事:
山陰初導入へ「パートナーシップ宣誓制度」 鳥取県境港市(日本海テレビ)
https://www.nkt-tv.co.jp/pc-news/news107j74bbl27hhg5u09w.html

同性カップル、子も「家族」 土佐清水市が県内初のファミリー制導入へ(高知新聞)
https://www.kochinews.co.jp/article/detail/567981

北見市 「パートナーシップ宣誓制度」受け付け始まる(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220601/7000047096.html
当事者2人宣誓へ 性的少数者を認定 北見市の「パートナーシップ制度」(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/687805/

パートナー制度、帯広市が原案 同性らのカップルも市営住宅に入居可能(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/685919/

都のパートナー制度、転入前から届け出可能に 11月導入を予定(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASQ5Y73TMQ5LUTIL01R.html

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