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本日、日本と台湾のゲイカップルが婚姻届を提出し、結婚が正式に認められました

2022年09月16日

 今年7月21日、台北高等行政法院が日本と台湾のゲイカップルの婚姻を認める判決を出しました。台湾に移り住んだ有吉英三郎さんは、盧盈任さんと出会い、パートナーとなりました。お二人は同性婚法の施行を見越して2019年の5月に結婚式を開く予定を立て、高雄の会場を予約して日本の家族・友人ら約200人を招いていましたが、同性婚法が成立する数日前、外国人との同性婚が認められるのはパートナーの出身国・地域が同性婚を承認している場合に限られる(日本人である有吉さんは台湾でも婚姻届は受理されない)ということがわかり…しかし、結婚式は予定通り行ない、とても幸せな式になりました。有吉さんは「私が日本人だから、パートナーに婚姻関係を結ぶという安心を与えてあげられないことが悲しく、悔しい」と感じたそうです。有吉さんと盧さんは、同性婚が認められていない日本の法律を台湾に適用するべきでないなどとして、婚姻届不受理の処分を取り消し、自治体に婚姻届を受理するよう求める訴えを昨年12月23日、台湾の裁判所に起こしました。そして台北高裁は、不受理は違法であるとの判決を下し、有吉英三郎さんと盧盈任さんの婚姻が正式に認められることになったのです。

 そして今日、9月16日、有吉英三郎さんと盧盈任さんは台北市大安区戸政事務所に婚姻届を提出し、正式に結婚が認められました。
 現在台湾に在住しているLIGHTHOUSE LtdのHajime Yamanakaさんが、この場に付き添い、「歴史的瞬間!日本人が世界で初めて同性婚したアジアの国は台湾になりました!有吉さん盧さんおめでとうございます!!!」とのコメントとともに、お二人の写真をFacebookに投稿していました。
 『台湾同性婚法の誕生: アジアLGBTQ+燈台への歴程』の著者・鈴木賢明治大教授(中国法)もこの場に付き添っていらっしゃいました。
 
 鈴木賢教授は時事通信への寄稿「台湾で日本人も同性婚可能に 日本の司法が突き付けられたもの【時事時評】」のなかで、台湾の国内法(渉外民事法律適用法)をひもときながら、なぜ同性婚法で台湾人と外国人(同性婚を認めていない国)との同性婚ができなくなったのかを法的に解説しつつ、今回のお二人の訴えに関する台北高裁判決が「本件で日本法を適用して同性間の婚姻登録要件を満たさないとすることは、台湾の現行法律秩序に抵触する。それゆえ渉外民事法律適用法8条を適用して、原告の本国法である日本法の適用を排除し、不平等な扱いを解消すべきである。結果として、原告両名が求める同性婚姻関係は台湾の法律にもとづいて成立することを認めるべきである」との趣旨であったと説明しています。
「つまり本件では同性間に婚姻を成立させない日本法を台湾の公序に反するとして、その適用を排除したのである」
 そして鈴木氏は「現在、先進国を中心に世界では31ヵ国で同性婚が承認され、それが時代の潮流になっている。この事実を改めて台湾の裁判所が日本に突き付けたのである。現在、各地の裁判所に起こされている婚姻の平等を求める訴訟(いわゆる同性婚訴訟)において裁判所は、この現実を重く受け止めるべきであろう」と述べています。
「このまま公序違反の法を維持することが、果たして日本の国際的な地位に相応しいものであるかどうか。台北高等行政法院判決に込められたメッセージを、日本の裁判所は重く受け止めるべきである。どうか日本を民主主義世界の孤児にしないでもらいたい」

 「結婚の自由をすべての人に」東京第1次訴訟は、11月30日に判決が言い渡されることになっています。
 裁判所の方も、日本人も台湾では同性結婚できるようになったという事実、台湾からの日本へのメッセージを受け止めて、判決文を書いていただきたいと願うものです。

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