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『ハートネットTV』でろう者のLGBTQがフィーチャーされました

2023年01月18日

 これまでもLGBTQについて(『ハートをつなごう』の時代も含めると)15年以上にわたって特集したり、さまざまな番組を届けてくれた『ハートネットTV』。ろう・難聴者をフィーチャーしたシリーズ「#ろうなん」の一環として1月17日、ろう・難聴者のLGBTQをフィーチャーした番組「ハートネットTV #ろうなん 1月号 知ってほしい!LGBTQのこと」が放送されました。
 

 冒頭、昨年11月のトランスマーチに参加した「Deaf Trans HOME」というトランスジェンダーろう者のグループの姿が映し出され、ジーンときました。
 
 番組では、ゲイ手話講師のかえでさんがスタジオに登場したほか、映画監督の今井ミカさん(ノンバイナリーの方)など4人のろう・難聴者のLGBTQの方たちによるトークが展開され、「存在に気づいてもらえない」「ろう者の中にLGBTQはいないと思われている」といったリアルな声が届けられました。
 
 LGBTQ手話講座というコーナーもあり、かつて“レズ”、“ホモ”という差別的な手話が使われていたけど、今は「LGBTQ」「レズビアン」「ゲイ」という手話がちゃんとあると、そしてゲイを意味する手話(親指を立てて胸に当てる)は、ろうゲイ当事者のグループが考えたものだと知って、目からウロコであると同時に、とても感動しました。(かえでさんはTwitterで、「「ゲイ」という手話は1990年代にろうゲイ当事者グループが話し合いして決めた手話です。先人の人たちの思いやゲイとしての誇り、守られてきたものがあります。だからこそ、PRIDEを持って存在していることの意義を私たちが引継ぎ、発信しています」とコメントしています)
 
 最後にモンキー高野さん(冒頭の「Deaf Trans HOME」にも参加していて、世田谷区パートナーシップ宣誓制度の第1号利用者であり、パートナーのらーちゃんさんも「Living Togetherのど自慢」やたくさんのLGBTQイベントで手話通訳者として活躍してきました)をフィーチャーした映像が流れました。自身がトランス男性であることを周囲に言えず、苦しんでいたモンキー高野さんは、同じろう学校のれんさんというトランス女性に出会ったことで励まされ、自分らしく生きる勇気が出たそう(いい話…胸アツでした)。そして、埼玉のろう学校に出張してLGBTQについての講義を行ない、生徒のみなさんもすごく自然に受け止めていて、なかにはスカートが嫌だという女子生徒や、スカートを履いてみたいという男子学生もいたりして、そんなやりとりの様子も素敵でした。
 
 スタジオにはドラァグクイーンのベビーヴァギーさんも登場し、華を添えながら楽しく盛り上げています。
 本当にいい番組でしたので、再放送(があるのかどうかまだわかりませんが、やってほしいですね)や、見逃し配信で、ぜひご覧ください。
 
 また、これを機に、ろう・難聴のLGBTQというダブルマイノリティの方たちのことに関心を持っていただいたり、手話を勉強してみようと思ったりしていただけたら幸いです。
 

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