g-lad xx

NEWS

美輪様「人が人を愛したことの何が悪いのか」、亮平様「ずっとこうやって演じて生きていかなきゃいけないのか」

2023年02月17日

 美輪明宏さんが『女性自身』に登場し、岸田首相や彼の前秘書官の発言についてコメントしました。
「岸田首相や彼の前秘書官が同性婚導入について発言した問題は、日本の新聞やテレビのほか、外国のメディアにも大きく取り上げられました。私はこの発言を聞いたとき、怒りというよりあきれました。率直に申し上げて、歴史のお勉強が足りない人たちなのだと」
「同性婚、性的少数カップルが嫌だという偏見は、その人自身が過去の軍国主義の悪い部分だけに振り回されていて、本当の歴史を学んでいないためです。そのような人たちが、日本の政治を動かしているということにあきれてしまったのです。地球上には、古くから同性愛というものがあることをご存じないのですから」と言って、美輪様は公家や貴族、武士たちの間で男色が当たり前に行なわれていたことを説明したあと、「終戦後も、同性愛に対する偏見やネガティブな価値観は、引きずられた状態のままです。だから令和の時代となった今でも、歴史を学ぼうとしない日本の政治家が、あのような発言を繰り返すのです」と語りました。
「男が男を、女が女を愛し合っても、人間同士が愛し合うことに変わりはない。同性愛者だからといって人が人を愛したことの何が悪いのか。何ひとつ盗んだわけでもなく、殺したわけでもない。私が公言することによって、わずかでもプライドを持って生きられる人も出てくるのではないか、そう思っていたのです。当時は、同性愛者というだけで身内からも非難され、会社にバレたらクビになるような時代。思い悩んで自殺する同性愛者もいました。私は、そういう間違った世の中を変えたかったのです」
 美輪様は「人が人を愛することは悪ではない罪ではない」「男と女が 女と女が 男と男が」「どんな力も奪えるものか この権利を守りぬくのだ やっと手にした愛の権利を あなたを愛する権利を」という『愛する権利』という歌を歌っています(その歌詞が昨年、TRPに合わせて渋谷PARCOの1Fの外壁にART WALLとして展示されました
「岸田首相は、同性婚は“社会が変わってしまう”とおっしゃいました。その程度の見識しかない人が日本の政治家です。だから日本は、いつになっても世界から“政治は三流国”だと言われるのです。“隣に住んでいるのも嫌だ”という発言にしても、あなたの隣にいる人だって、じつはあなたのことを嫌だと思っているかもしれません。“時代遅れで、知識のない人間”と。自分だけが正しいと思い込んでいるので、周りが全然見えていない。つまり、そういう人間は、人に指をさすのではなく、その指を自分にさして物を言うべきなのです」
「これまでの歴史、そして世界がどういう価値観でLGBTについて向き合っているか。今回の問題で、日本の政治家がいかに時代遅れで無知であるということが露呈されました。いま問われていることは、正しい見識を持つことなのです」
 戦後、1950年代に同性愛者として堂々とカムアウトし、世間の侮蔑や差別をものともせず、映画や舞台で活躍し、道を切り開いてきたレジェンドである(最近は「もののけ姫」のモロの声を演じた”ドラァグクイーン”として海外でも有名になった)美輪様のお言葉には、特別な重みと真実味があります。本当に素晴らしいです。
(なお、18日2時現在、「美輪明宏さん」がTwitterのトレンド入りしています。4500件超ツイートされています)



 鈴木亮平さんが「news zero」に出演し、映画『エゴイスト』について語ったインタビューも話題になりました。
 鈴木亮平さんが並並ならぬ熱意を持ってゲイの編集者の役を演じ、ドリアンさんはじめゲイの方たちと接したりヒアリングしたり、LGBTQ+インクルーシブディレクターのミヤタ廉さんがきめ細かく演技指導していたことは、レビューでお伝えした通りですが、「news zero」の岩本アナウンサーの「この役について知っていくなかで考え方や見えるものに変化はありましたか?」との質問に、鈴木さんは「それは非常に大きかったです。自分は偏見がない人間だと思っていたし、差別というものからはすごく遠い人間だと自分では思っていたんですよ」「無意識の偏見だったりとか、知らないってことがいかに人を傷つけていたかもしれない。演じると余計に初めてその人の立場に立ってみて気づくことがあるといいますか」と語りはじめました。映画で、浩輔(鈴木亮平さん)が龍太(宮沢氷魚さん)の家を訪ね、お母さんには友人であるということにしていたので、お母さんに「結婚は?」などと聞かれる場面が映し出されました。そして鈴木さんは「ずっとこうやって演じて生きていかなきゃいけないのかっていうことを初めて体感した時に、話しで聞いていたより遥かにつらいな、これは、と思ったんですよ。愛する人のお母さんなので、とても大切に思う存在の方に、常に嘘をつかなければいけないというっていう、この社会の状態っていうのは、自分が思っていたより未熟なんじゃないかなと率直に感じました」と語りました。「自分が反省することが多かったです。自分がいるエンターテインメント業界、テレビとか描き方というのも、流石にもうそろそろ変わらなきゃいけないんじゃないかなというのは、痛烈に自分なり感じたことでして」「ゲイの方だけではなく、性的少数者に対して笑ってもいい存在なんだっていう表現とか、いま思い起こしてみると子どもの頃からあふれていて、それを差別と捉えることもなく、でも笑っちゃってたよねっていうところとか…。僕たちの描き方が、業界の描き方がそこに関わっていた部分というのは非常に大きいんじゃないかな」
 本当に真摯にこの作品に向き合い、映画だけでなく、こうして、いま前秘書官の差別発言に打ちのめされ、傷ついている方たちの心に寄り添うような言葉をたくさん届けてくれている鈴木亮平さん。本当に素晴らしいです。



 もうひとかた、Twitterで素晴らしいコメントが上がっていたのでご紹介します。
 当事者のギャル、あいたむさんのコメントです。
 ぜひ読んでみてください。



参考記事:
美輪明宏さん語る同性婚問題「岸田首相の無知にあきれ…人が人を愛したことの何が悪いのか」(女性自身)
https://jisin.jp/domestic/2179360/

INDEX

SCHEDULE