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米国で日本人と同性婚した米国人男性に「特定活動」の在留資格が初めて認められました

2023年03月16日

 米国で日本人パートナー・康平さんと結婚し、日本に来て暮らしていたものの、定住者や外国人どうしの同性婚の配偶者に認められる「特定活動」の在留資格が認められなかったため、国に在留資格の許可と賠償を求める訴えを起こしていたアンドリュー・ハイさん。昨年9月の一審・東京地裁判決では、外国人どうしの同性婚では長期の在留資格が認められるのにパートナーが日本人である場合は認めないという国の運用について「法の下の平等を定めた憲法の趣旨に反する」との判断を示す画期的な判決が出ましたが、「定住者」の資格まで認めるものではなく、あくまでも「定住者」の資格を求めるハイさんは控訴していました。
 その控訴審の第1回口頭弁論が3月15日、東京高裁(森英明裁判長)で開かれましたが、これに先立つ10日、東京出入国在留管理局は「特定活動」(1年)の在留資格を許可しました。代理人弁護士によると、一方が日本人の同性カップルで、パートナー関係を理由に在留を認めた事例は初めてです。
 
 ハイさんは15日、東京都内で記者会見し「ほんの少しだけど安心した基盤ができた。最初の大きなステップだ」「将来、日本政府が政策として、私たちと同じような立場の人に在留資格を出す第一歩になってほしい」と語りました。

 支援者らによって傍聴席がほぼいっぱいの状態になった15日の控訴審第1回口頭弁論で、ハイさんは「差別を正当化する理由はどこにあるのか。みんなが平等に扱われる『当たり前』が全ての日本人に保障される日が来ることを願う」と意見陳述しました。康平さんも「愛する家族と一緒に暮らしたいだけ」「訴訟が社会を前進する後押しになれば」と述べました。
 代理人の鈴木雅子弁護士も「性的指向を理由に、日本国籍者が、その外国籍パートナーと家族として日本で居住することが認められないのは、明確な憲法違反、国際人権法違反であり、差別であることは明らか」と指摘し、「日本国籍者と外国籍者のカップルが、同性か異性かにかかわらず、等しく家族として日本で暮らすという当たり前のことが認められるよう求めます」と述べました。

 「特定活動」は就労が制限されたり、強制的に国外退去されたりしやすいそうですが、とりあえずは在留が認められてよかったですね。
 いつか「定住者」資格が認められ、お二人が安心して末永く日本で幸せに暮らせるようになることをお祈りします。
(というか、早く日本で同性婚が認められるようになるといいですね)

 次回の口頭弁論は5月31日午後3時に予定されています。
 もしお二人を応援したいという方は、傍聴に行かれてはいかがでしょうか。
 
 

参考記事:
アメリカで日本人と同性婚の米国籍男性に日本での長期在留資格「安心した」(テレ朝)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000291616.html
日本人と同性婚した米国人に在留資格を認める 同性パートナー関係を理由に認めたのは「初めて」(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/238266
日米同性カップルの在留資格めぐる訴訟、控訴審始まる。「愛する家族と一緒に暮らしたいだけ」原告のパートナーが主張【東京高裁】(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_64115ddfe4b0cfde25c1edb8

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