g-lad xx

NEWS

マドンナがドラァグ禁止法が成立したテネシー州でLGBTQをセレブレイトするチャリティ公演を行なうことを発表、ボブ・ザ・ドラァグクイーンも出演

2023年03月29日

 マドンナが今年開催する「セレブレイション」ワールド・ツアーにテネシー州ナッシュヴィルでの公演を追加し、トランスジェンダーやドラァグクイーンを規制する州法に抗議するとともにLGBTQを祝福(セレブレイション)するチャリティ公演とすることを発表しました。


 こちらの記事でもお伝えしたように、今月初め、テネシー州のビル・リー知事(共和党)は全米で初めて、公の場でドラァグ・ショーをすることを禁じる州法案にサインしました。公共施設や「成人でない人が見る」可能性のある会場でのドラァグ・ショーを禁止しており、公共の場でドラァグ・パフォーマンスを行なった者は軽犯罪、繰り返し行なった場合は重罪となります。違反すると1回目には最高で11か月29日(つまりほぼ1年)の禁固刑と2,500ドル(約32万円)の罰金、2回目以降には1年から6年の禁固刑と3,000ドル(約39万円)の罰金が課される可能性があります。7月1日に施行されます。
 テネシー州ではまた、未成年のトランスジェンダーへの性別適合治療を禁止する州法も成立してしまいました。
 
 昨年はフロリダ州で「ゲイと言ってはいけない法」が問題視されましたが、米国の保守的な州では、このようにアンチLGBTQの州法が次々に可決されつつあります。こうしたバックラッシュの動きに言及しながら、マドンナはこう語りました。
「LGBTQ+への抑圧は容認できないだけでなく、非人道的です。安全ではない環境を生み出してしまいます。これにより最も傷つきやすい市民、特に有色人種のトランス女性にとってアメリカは危険な場所になってしまうでしょう」
「加えて、これらの法律の“子どもを守る”という名目は根拠がなく、哀れです。それなりに常識のある人であればドラァグクイーンを怒らせてはいけないことを知っています。クィアコミュニティの美しさを祝福するためにナッシュヴィルのステージからみなさんにお会いできればと思います」

 マドンナは今回のツアーの全公演でボブ・ザ・ドラァグクイーンをゲストに迎えることにしています。ボブは「ル・ポールのドラァグ・レース」シーズン8で優勝し、ステージやテレビで活躍するスターで、LGBTQだけでなく黒人への差別に抗議する楽曲やショーなども発表しています(こちらの動画をぜひご覧ください)
 12月22日のナッシュビル公演にもボブ・ザ・ドラァグクイーンが出演するそうですが、上記の通り、テネシーでボブがドラァグパフォーマンスを行なった場合、逮捕される可能性が…それを覚悟のうえで出演を決めた勇気とPRIDEに敬意を表します。
 ナッシュビル公演のチケットの収益はトランスジェンダーの権利向上に取り組む組織に寄付されるそうです。
 
 


参考記事:
マドンナ、ツアーの追加公演を発表 性的少数者「祝福」の舞台に(CNN)
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35201884.html
マドンナ、テネシー州のドラァグショー規制法を批判「根拠がなく哀れ」(ELLE)
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a43444650/madonna-slaps-tennessee-drag-law-tour-230329/
マドンナ、反LGBTQの法案が通ったテネシー州でチャリティ公演を行うことを発表(NME)
https://nme-jp.com/news/127491/
マドンナが性的マイノリティ支援コンサート開催へ テネシー州の反LGBTQ+法案に抗議(よろず〜)
https://yorozoonews.jp/article/14872605

INDEX

SCHEDULE