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【追悼】LGBTQフレンドリーでもあった坂本龍一さん

2023年04月03日

 3月28日に坂本龍一さん(享年71歳)が逝去していたことがわかり、世界中のたくさんの方がその死を悼んでいます。
 3日、カンテレの新報道番組「newsランナー」に出演したはるな愛さんが、坂本龍一さんとの交流の思い出を語り、そのなかで「もっとLGBTQの人たちの活躍の場が増えればいいねえ」とおっしゃってくださっていたことがわかりました。

 はるな愛さんは2017年、歌とダンスのレッスンのためにNYに通っていたそうなのですが、「現地で出会った友達に『友達夫婦とご飯を食べよう』と誘ってもらい、和食屋さんで紹介していただいたのが坂本龍一さんだったんです」と明かしました。
 2009年に「ミス・インターナショナル・クイーン」で優勝したはるな愛さんは、「翌2010年に、ミス・ジャパンでオープニングを飾る時に、タイの方が『戦場のメリークリスマス』を選曲して『これで登場してください』と。それぐらい日本を代表する世界的な楽曲なんだなあと感じたという思い出をご本人に伝えた」ところ、「すごい喜んでくれて。『もっとLGBTQの人たちの活躍の場が増えればいいねえ』と言ってくださった」んだそうです(素敵なエピソード。うれしいですね)

 

 坂本龍一さんは1982年に忌野清志郎さんと共作した「い・け・な・いルージュマジック」のPVのラストシーンで、清志郎さんとキスしてみせています。全体的にパンク感やおふざけ感がある(二人の棺桶がお花じゃなく1万円札で埋められていたり)演出でしたが、キスのシーンは自然に(嫌がる様子なく)美しく撮られていた印象で、ゲイに対するリスペクトが感じられましたし、この映像がいい意味で世間に与えたインパクトもあったはずです(ちなみに1983年の映画『戦場のメリークリスマス』でもデヴィッド・ボウイが坂本龍一さんの頬にキスをしています。どちらも、“男どうしのキスはキモい”という世間のホモフォビアを払拭するような美しさがありました。当時としては本当に、ものすごいインパクトがありました)
 アーティストの同性どうしのキスといえば、2003年のMTVビデオ・ミュージック・アワードにおけるマドンナとブリトニーのキスが何と言っても有名で、伝説になっていますが、その20年も前に、「世界のサカモト」が男どうしのキスを躊躇なく披露してみせたのは今考えるとスゴいことで、しかもバラエティ番組のような嘲笑のネタではなく、同性愛者に対するエール(または異性愛規範へのプロテスト)として行なったパフォーマンスであることが窺えます。感謝です。
 
 本当にいろんな意味で素晴らしい方でした。あらためて、心からご冥福をお祈りします。
 
 

参考記事:
はるな愛、米NYで親交深めた坂本龍一さんへの最後のLINEは「既読」つかず LGBTQへの理解に感謝(スポニチアネックス)
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/04/03/kiji/20230403s00041000435000c.html

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