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超党派LGBT議連、政府が策定する基本計画や指針に当事者の声を反映させたいとの考えで一致

2023年07月26日

 LGBT理解増進法の施行を受け、超党派のLGBT議員連盟が会合を開きました。基本計画やガイドラインの策定など政府の取組みについてヒアリングを行なうとともに、当事者や支援団体の声を聞いて、政府がこれからつくる基本計画やガイドラインに反映させたいとの考えで一致しました。

 
 議連の岩屋毅会長(自民)は同法成立について「やっと性的マイノリティの問題に向き合う本邦初の基本法が成立した。われわれの責務は、この最初の一歩をさらに進めることだ」と述べましたが、議連が2021年にまとめた原案から後退したとの指摘を受け、「会長としての私の力不足だ。心からおわびを申し上げたい」と陳謝しました。
 LGBT理解増進法では、政府が性の多様性に対する国民の理解を深めるための基本計画やガイドラインを策定することが定められていますが、出席者から今後のスケジュールや進捗状況について質問が出ると、担当者は「具体的に示せる段階ではない」と回答しました。
 また、経産省トランス女性職員の訴えを認めた最高裁判決についても議論となり、「公共施設におけるトイレの使用について、ガイドラインに盛り込むべき」などの意見が出たそうです。

 昨夜の集会でも語られていましたが、田村智子参院議員(共産)は、今回の法案は、当事者の方たちとも協議しながら2021年にまとめた法案が、あのような経過を辿って全く違うものになった、参院の審議ではヘイトスピーチさえあった、議連にとっても禍根を残した、何の説明もなく粛々と政府にヒアリングを行うのはおかしいと述べ、必ず説明の場を持つよう求めました。そのうえで、成立した法をマイナスにしないことが議連の役割だと、当事者の側に立った支援を行なうために結束しなければならないと訴えました。また、LGBT理解増進法成立について、内閣府が各自治体に対して行なった通知では、性自認という言葉が消えているが、性自認という言葉をなくすのか、などと問いただし、内閣府から「これまでの取組みを変えるものではない」との回答を引き出しました。

 また、岩屋会長も、政府が反対派から過度な影響を受ける事態を懸念し、基本計画などの策定に当たっては「(法の)本来の趣旨、目的と異なっていると思った時はしっかり指摘していきたい」と強調しました。

 議連は今後、基本計画の策定に向けて当事者らからヒアリングし、政府に提言する考えで一致しました。
 
 

 LGBT理解増進法成立後も、世の中がLGBTQへの理解を深めましょうと優しくなったかというと、全然そんなことはなく、ネット上のトランスヘイトが全く減っておらず、(トランスジェンダーと明確にカミングアウトしたわけではないものの、TRPでトランスジェンダーフラッグを振り、女性的なスタイルで出演していた)ryuchellさんが自死を選ぶほど追い詰められてしまう、孤絶し、外出も恐れてしまう当事者がたくさんいる…そんな状況に対して、やはり差別禁止法が必要なじゃないかと声を上げる集会が昨夜、開かれました。
 議連のみなさんはもちろん、国会議員のみなさんは、本当に、当事者の置かれた状況を知り、その声に耳を傾け、政策に活かしていただきたいです。



参考記事:
超党派LGBT議連 政府の取り組み状況をヒアリング(テレ朝)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000308871.html
公共トイレ「利用議論を」 LGBT超党派議連が総会(共同通信)
https://mainichi.jp/articles/20230726/ddm/005/010/132000c
基本計画、当事者意見踏まえ策定 超党派LGBT議連が総会(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023072501018
LGBT議連、会長がおわび 原案より後退、指摘に(テレ朝)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15699804.html
LGBTQ法の本格運用へ、推進派と慎重派の神経戦が激化 最高裁判決後も女性用トイレの考えで溝(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/265401
<視点>LGBT理解増進法は「失言と外圧」の産物なのか 人権軽視から脱却が必要 社会部・奥野斐(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/265339

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