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【同性パートナーシップ証明制度】旭川市、山形県、淡路市で初のパートナーシップ宣誓

2024年01月17日

 北海道上川地方の旭川市と鷹栖、東神楽、当麻、比布、愛別、東川、美瑛の7町が16日、「パートナーシップ宣誓制度」を一斉にスタートしました。道によると、複数の自治体が連携して同制度を導入するのは道内初です(全国的にもこれだけの自治体がまとまって導入するのは初めてだと思われます)。4月には上川町も加わる予定です。
 宣誓したカップルは、旭川市の場合、市営住宅への入居申込みなどができるようになります。
 導入にあたり、全自治体が力を入れているのがカップルのプライバシー保護で、個室で手続きできるほか、連携している自治体内であれば、住んでいない市町でも手続きできます。 
 16日は早速、旭川市の飲食店従業員の柴田翔太さんが男性パートナーと市役所を訪れ、宣誓を行ないました。柴田さんは「同性カップルは簡単に周囲が認めてくれる関係ではありません。その関係が(行政上の)書類として形に残ったことはすごくうれしいし、これからも宣誓するカップルが増えたらいいなと考え、制度開始初日に手続きをしました」「札幌は2017年に制度が開始されましたが、旭川は道内第2の都市としては少し遅い。それでも制度があるだけで住みやすくなります。周辺自治体と一緒に始めたのも地域全体で応援するという気概を感じました」「友人との会話の中でも、周りにとっては異性愛者であることが当たり前なんです。多様性が言われますが、まだ世間に認められているとは言いにくい。でも、宣誓制度が始まり、ここから何かが変わると期待しています。そして宣誓制度が各都道府県にまで広がり、国の法律で結婚できるようにつながること。それが希望であり、自分たちが一番望んでいる答えです」と語りました。
 制度導入に携わった市女性活躍推進課の松山由夏課長は「当事者の気持ちに寄り添い、利用しやすい制度を運用していきたい」と語りました。

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 山形県は今月4日から「パートナーシップ宣誓制度」を導入しましたが、この制度を活用して12日、初めてカップルが宣誓しました。
 第1号となったのは、河北町に住む30代の女性カップルです。お二人は8年前に交際を始め、一緒に暮らしてきました。お二人のうち秋田県出身の方は「子どもの頃に親へ自分の内面の悩みを打ち明けたら『一時の気の迷いで時がたてば直る』と言われ、ショックを受けた」そうです。交際を始めてからも「家族を含め周囲の理解を得るのに時間がかかった」といい、通院先の病院で診察室に付き添いで入室したところ「家族ではないから」と断られたこともあるそうです。「最近は『二人は今どきの間柄なんだね』と周囲が認めてくれることも増えたけど、二人の関係を素直に話していいのか、今でも悩むことが多い」
 そんなお二人は「他県や酒田市で制度が始まったと聞き、山形県の導入を待ち望んでいた」といい、県庁を訪れ、宣誓書受領証を受け取ったときは「本当に、待ちに待った宣誓です。うれしいです。よい時ばかりではないと思いますが、これからも今までと変わらず、つらい時も二人で乗り越えて歩んでいきたいし、男女の夫婦と変わらない幸せな家族になりたいです」と笑顔で語りました。「二人とも山形での生活が気に入っているから、そこで宣誓制度が始まって安心しました。これを機に、世間体を気にせず生活できる場所が広がってほしいです」
 県によると近日中にもう1組が宣誓する予定です。県は各市町村に柔軟な対応を呼びかけており、山形市や鶴岡市では市営住宅入居や市立病院での家族としての対応をはじめ各種行政手続きで県の宣誓受領証を証明書として利用できるようになっています。
 
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 兵庫県淡路市も今月から「パートナーシップ宣誓制度」を導入しました。9日、第1号となるカップルが市役所を訪れ、宣誓を行ない、宣誓受領証(パートナーシップ証明書)を受け取りました。
 淡路市内で自営業を営む佐藤優樹さんと、飲食店店長の小林健太さんのお二人です。佐藤さんは宮城県石巻市、小林さんは茨城県石岡市出身で、7年前にマッチングアプリで知り合ってつきあい始め、2021年に淡路市へ移住してきました。昨年9月に家を建て、周囲にも二人の関係をオープンにしてきたそうです。昨年12月、淡路市が同制度を導入することを知り、「せっかくなら関係性を目に見える形で示したい」と思い、宣誓を決めたといいます。
 9日に淡路市役所で宣誓の手続きを行ない、受領証と受領証カードを受け取った小林さんは「何かが変わるわけではないけど、受領証をもらってパートナーだという実感が湧いた」と感慨深げに話しました。
 友人たちの間でも自治体の制度導入を望む声は多いといい、「つきあう期間が長くなり、将来を想像すると、考えるようになる」「制度を導入するデメリットはないはず。わざわざやらない理由はないのではないか」と語りました。

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 なお、「Marriage For All Japan」X公式アカウントによると、今月末までに制度導入自治体は少なくとも386に上り、導入自治体の人口の合計は一億人を超えるそうです。人口カバー率8割超えも目前です。
 


参考記事:
旭川市1市と周辺7町でパートナーシップ宣誓制度の運用始まる(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240118/7000064052.html
上川地方でLGBTQ対象のパートナーシップ制度始まる 旭川など1市7町で連携(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/hokkaido/news/20240116-OYTNT50274/
パートナー宣誓「ここから何かが変わる」 男性カップル 思いは 法律婚が一番の希望(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/964382/

山形県 パートナーシップ宣誓制度導入して初のカップル宣誓(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20240112/6020019503.html
世間体気にせず「今どきの間柄」に 山形・女性ペアに宣誓書第1号(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240112/k00/00m/040/295000c
県パートナーシップ制、第1号カップルが宣誓 待望「関係認められた」(山形新聞)
https://www.yamagata-np.jp/news/202401/13/kj_2024011300336.php

男性カップル、淡路市で初公認 3年前に移住「導入するデメリットないはず」(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/awaji/202401/0017221951.shtml

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