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仙台の同性カップルが市への「婚姻届」受理命令を求めて家事審判に申立てを行なうことが明らかになりました

2024年02月02日

 同性結婚を認めないのは憲法が保障する婚姻の自由を侵害しているとして、仙台市の同性カップルが今月、市に婚姻届の受理命令を出すよう仙台家裁に家事審判を申し立てる方針を決めたことが明らかになりました。
 弁護団によると、同性婚の合憲性を問う司法手続きは東北では初めてです(「結婚の自由をすべての人に」訴訟は全国5ヵ所で行われていますが、東北ではありませんでした)
 
 
 申立人は仙台市の市民団体「にじいろCANVAS」共同代表の小浜耕治さん(61歳)とパートナーの男性(79歳)。お二人は1995年から同居を続けています。仙台市太白区役所に2月上旬、婚姻届を提出した上で、市が決定するとみられる不受理を受けて同月中に家事審判を申し立てることにしています。
 小浜さんたちは、婚姻の自由が個人の尊厳と幸福追求にとって必要不可欠だとして「婚姻の自由への制約は原則として許されず、同性同士にも等しく及ぶべきだ」としています。申立てでは、現行の民法や戸籍法に異性婚しか認めないという規定の明示はなく「同性婚を拒否する行政の解釈が違憲」とされています。司法判断の確定期間の短さを重視し、訴訟でなく家事審判を選んだそうです。同性婚の家事審判は争う相手方がいないため、認める審判が出た時点で確定します。
 弁護団は「二人は年を重ね、この先の時間が限られている状況を考慮して家事審判を選んだ。他の人と同じように結婚したいという思いをかなえたい」としています。
 お二人は93年に仙台のバーで知り合い、間もなくおつきあいが始まり、95年から一緒に暮らしています。小浜さんは、同居生活が25年以上となり、還暦を迎えた時、パートナーの老いが目に見えて明らかになり、結婚を意識し始めたといいます。コロナ禍で「もし旦那が入院したら、通常の夫婦でさえなかなか会えないのに、自分は最期の時も会えないかも」と怖くなったそうです。
 結婚が認められず、医療行為への同意権や法定相続権がないなか、旦那が入院した際、その姉に手術の同意を頼んだり、父親にカムアウトするも「結婚はどうするんだ」と返され、何も言えなくなったこともあるそうです。
 小浜さんは「誰かを悲しませ、諦めさせる社会を変えたい」と語っています。

 
 青森市で宇佐美翔子さんと岡田実穂さんが婚姻届を提出したのは2014年のことでした。そこから10年が経ち、全国で8割の自治体が同性カップルも婚姻相当だと承認するようになり、「結婚の自由をすべての人に」訴訟で画期的な判決も出るようになり、社会は大きく変わりました。今回のお二人の家事審判も、そうした歴史の流れの上にありますし、東北の地でこのような動きがあったことにも感慨を禁じえません。


出典:
【独自】仙台の同性カップルが家事審判申し立てへ 市への「婚姻届」受理命令を求める 「結婚したい思いをかなえたい」(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20240201khn000037.html

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