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シンガー・ソングライターのマレン・モリスがカミングアウト

2024年06月12日

 カントリーとポップのジャンルを横断する音楽性で知られ、2016年の「My Church」の大ヒットでグラミー賞で最優秀新人賞を含む4部門にノミネートされたシンガーソングライターのマレン・モリスが、バイセクシュアルでることをカムアウトしました。

 Billboard JAPANによると、プライド月間真っ只中の6月9日(現地時間)、マレンはインスタグラムに前日の8日にフェニックスで行なったライブの画像を投稿し、「LGBTQ+のBであることに幸せを感じています。ハッピー・プライド」とコメントし、バイセクシュアルであることをカムアウトしました。。投稿された画像のうちの2枚には、マレンがプライドフラッグを振っている様子も写っていました。
 投稿へのコメントとして、多くのアーティストがカミングアウトを祝福しています。オルタナティブ・インディーズ・アーティストのヘザー・メイは「泣いてる! 嬉しいです! ハッピー・プライド、ベイビー」と、シンガー・ソングライターのアリソン・ポンティエは「ハッピー・プライド!!!!! インスピレーションでいてくれてありがとう。今回のプライド(月間)はさらに特別ですね」とコメントしました。

 マレンはこれまで、カントリー・スターのジェイソン・アルディーンの妻であるブリタニーがトランスフォビックな発言をしたことを批判したり、カントリー・ミュージック界でのドラァグクイーン・コミュニティの扱いについて謝罪したり、長年LGBTQ+を支援するアライとして声をあげ、毅然とLGBTQコミュニティを擁護してきました。2023年に『ビルボード』誌のプライド特集号の表紙を飾った際、彼女は4人のドラァグ・スターと対談し、LGBTQ+の権利を制限する法案提出が相次いでいることについて語りました。
 彼女はさらに、音楽業界、特にカントリー界における包括性(インクルーシビティ)の重要性についてエッセイも執筆していていて、「カントリー・ミュージック業界におけるLGBTQへの扱いはひどいもので、(業界においてLGBTQを)代表する存在はほとんどいません」「実質、業界を去るまでカミングアウトすることができなかったタイ・ハーンドンのような人々もいます。進歩はしています。 私の最も親しい友人の一人であるT.J.オズボーンは、数年前にカミングアウトしましたが、『そう、(LGBTQで)いいんだ』という感じですし、彼のことを大勢の人々がサポートしました」と綴っていました。

 2019年にカントリーとヒップホップを融合した「Old Town Road」を大ヒットさせたリル・ナズ・Xがゲイであることをカムアウトし、その後、オーヴィル・ペックのようなアーティストも活躍するようになり、現在ではカントリー界でLGBTQがカムアウトできない、やっていけないということはないと思いますが、そこに至るまでには、カナダの御大k.d.ラングをはじめ多大な勇気をもってカミングアウトした方や、マレン・モリスのような方たちの活動があります。
 


参考記事:
マレン・モリス、バイセクシュアルであることをカミングアウト(Billboard JAPAN)
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/138544

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