g-lad xx

NEWS

ビル・コンドン監督の『蜘蛛女のキス』がサンダンスでワールドプレミア上映され、観客のスタンディングオベーションを受けました

2025年01月28日

 サンダンス映画祭でビル・コンドン監督の新作ミュージカル映画『蜘蛛女のキス』が世界初演され、観客はスタンディングオベーションで絶賛しました。監督は上映前の挨拶でトランプ大統領の“性別は男性と女性の2つだけ”とする反トランスジェンダー宣言に触れ、映画のテーマである「違いを埋める試み」の重要性を強調しました。

 『蜘蛛女のキス』といえば、マヌエル・プイグの原作を1985年に映画化し、主人公モリーナを演じたウィリアム・ハートがオスカーに輝き、ゲイコミュニティの間でも心の名作として愛されてきた作品ですが、その後、ブロードウェイでミュージカル化され、1993年にはトニー賞も受賞しました。このミュージカル版を、『ゴッド・アンド・モンスター』『ドリームガールズ』『美女と野獣』(2017)の監督で『シカゴ』『グレイテスト・ショーマン』の脚本も手がけているオープンリー・ゲイのビル・コンドンが監督し、ミュージカル映画としてリメイクされたものです。名優ディエゴ・ルナ(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』など)が政治犯ヴァレンティノを、トナティウという俳優が監獄でヴァレンティノと同室になるゲイのモリーナを、そして劇中で流れる映画「蜘蛛女」のオーロラの役をジェニファー・ロペスが演じています。
 
 1月26日、サンダンス映画祭でワールドプレミア上映され、エンドロールが流れると、主演(劇中で流れる映画の「蜘蛛女」の役)のジェニファー・ロペスは感極まって涙を流し、観客から2度のスタンディングオベーションを受けました。映画内での演技は高い評価を得て、この作品での演技はJLoの何十年にも及ぶキャリアの中でも最高の役柄の一つだという評価も出たそうです。JLoはクモの巣模様のドレスで登場し、会場を沸かせました。
 ビル・コンドン監督は上映前の挨拶で、トランプ新大統領の“性別は男性と女性の2つだけ”とする反トランスジェンダー宣言に触れ、映画のテーマである「違いを埋める試み」の重要性を強調しました。
 上映後の質疑応答では、ロペスが幼少期からのミュージカルへの思いを語り、トナティウは自身のクィアなラテン系としての経験と役柄への共感を述べました。コンドン監督は、人々が互いを個人として見ることの大切さを訴えました。
 『蜘蛛女のキス』は政治的に緊迫した時期に公開されることになりましたが、愛と理解を通じて分断を乗り越えるメッセージを発信しています。
 
 名作の予感しかない映画です。日本で観られるようになるのはまだまだ先のことでしょうが…早く観たいですね。
 

参考記事:
ジェニファー・ロペス、サンダンス・プレミアの『蜘蛛女のキス』で号泣(The Hollywood Reporter Japan)
https://hollywoodreporter.jp/fest/90138/
圧巻の美…ジェニファー・ロペス、透けてる蜘蛛の巣ドレスで魅了(シネマトゥデイ)
https://www.cinematoday.jp/news/N0147133

INDEX

SCHEDULE