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【婚姻平等訴訟】東京二次訴訟控訴審で原告の方が「住民票続柄を同居人→縁故者→妻(未届)と変えてきたが法的保障はないまま」「一日も早く配偶者に」と訴えました

2025年01月28日

 「結婚の自由をすべての人に」東京二次訴訟控訴審の意見陳述が28日、東京高裁で行なわれ、原告のお二人が、これまでに住民票の表記を同居人→縁故者→妻(未届)と変えてきたとし、「異性の夫婦なら婚姻届を出すだけなのに、壁が立ちはだかっている」「一日も早く配偶者に変更できるようになってほしい」と訴えました。

 今回意見陳述したのは、世田谷区で同居する鳩貝啓美さんと河智志乃さん。世田谷区で同居を始めた2018年は、住民票上は別々の世帯にしていたものの、2019年に台風災害を目の当たりにしたことで、少しでも家族として扱われる安心を得ようと、2021年に世帯合併して河智さんを「世帯主」とし、鳩貝さんの続柄を「同居人」と変更しました。その後も「少しでも実態に合わせたい」との思いで、2022年に「縁故者」に変えました。さらに世田谷区が昨年11月、男女の事実婚と同じ「妻(未届)」「夫(未届)」との表記を認めたため、鳩貝さんは表記を「妻(未届)」に変えました。そのように少しでも家族・配偶者としての実態に近い表記に変える努力をしてきたものの、法的保障がないことに変わりはなく、税制優遇や扶養控除、相続、遺族年金などの制度も利用できないままです。鳩貝さんは法廷で「異性の夫婦であれば婚姻届を出すだけで済むことに、お金や時間、心のエネルギーをたくさん注ぎ込んでも、異性の夫婦と全く同じ状態にならないことに虚しさを感じます」「法律が変わり、一日も早く『配偶者』に変更できる日を望んでいます」と訴えました。
 河智さんは、2021年にがんと診断された際、鳩貝さんが病院の説明などから除外されるのではないかと不安だったといいます。「病気への不安は誰もが一緒ですが、同性カップルは安心して医療にかかれません。大切な伴侶が、治療方針の説明や決断の場から排除され、病室に入ることすら許されない、そんな恐ろしい目に遭うかも知れないのです」「病気になった時にはそばにいて、動けなくなったら扶養家族として養い、先立った時には相続で守る、そんな当たり前のことが同性どうしでは叶わないのです」
 河智さんはまた、「政府は『訴訟の動向を注視する』と繰り返しています。だからこそ司法がはっきり判決を下し、一刻も早い法整備を促してほしいです」と訴えました。 
 鳩貝さんも審理後、取材に対し、「首相は結局『注視』するというコメントにとどまり、国が私たちが求めている婚姻平等を実現しようとする動きは全く見えません。司法には国を動かすだけの違憲判断をしてほしい」と語っています。


 意見陳述後の報告会では、原告の方のコメントのほか、弁護団の方の解説、今後の予定などが語られています。ぜひYouTubeでご覧ください。次の期日は5月20日で、これが結審となるかどうかはまだわからないそうです。


 
参考記事:
同居人→縁故者→妻(未届)…振り回される同性カップル「1日も早く『配偶者』に変更できる日を」訴訟で主張(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/382352
同居人⇒縁故者⇒妻(未届)に変えても守られない関係、動かない国。同性カップルが司法に違憲判断求める(結婚の平等裁判)(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_67985ab1e4b0dd1913e45bf7

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