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米LGBTQクルーズ船がメキシコ湾で難民を救出

2025年02月28日

 LGBTQの旅行会社「VACAYA」がLGBTQクルーズでチャーターしていたロイヤル・カリビアンの豪華客船「ブリリアンス・オブ・ザ・シーズ」が26日、メキシコ湾でボートに乗った11人の難民を救出しました。

 
 VACAYA社がチャーターした「ブリリアンス・オブ・ザ・シーズ」は22日にニューオーリンズから7泊8日のLGBTQクルーズに出発しました。VACAYA社のランドル・ローパーCEOが語ったところによると、26日、船長が遠方に遭難中とみられるボートを発見、「船長はすぐさま船のチャーター主である私に電話してきて、引き返して調べる考えを告げました。そして、ブリリアンス・オブ・ザ・シーズの乗員を乗せた小型船を立ち往生しているボートの元に派遣した」そうです。
 「彼らは遠くから、ボートに10人以上が乗っていることを突き止めた。明らかに遭難していることも見て取れた」「船に乗っていた難民たちは文字通り、船から水をくみ出していた。ボートは明らかに深刻な状態にあった。難民らは海に漂っているだけの状態で、船は浸水していた」
 ボートに乗っていた11人は小型船を発見すると「遭難を示す白旗を振り始めた」といい、クルーズ船の乗客も甲板に出て救助の様子を見守っていました。

 のちに、難民を乗せたボートが1~2日前からこの場所にいたことがわかったそうです。
「周囲に他の船がいない状態でメキシコ湾を漂っていた彼らが感じたであろう恐怖は、想像にかたくない」

 ローパー氏は救出された人々の船上での状態について、「ひどい栄養失調で疲れ切っていた。ただ、我々は彼らを無事に船に乗せることができた。今は食事を与えられ、水分補給のため水をたくさん飲んでいる。とても元気な様子だ」と語りました。
 11人は27日、メキシコで下船したそうです(その後のことはわからないのですが、新たな地で元気にやっていけるといいですね)

 
 このニュースを聞いて(23日に放送された)『FLEE フリー』を思い出した方もいらっしゃることでしょう。アミンらを乗せたボートに裕福そうな白人が乗った豪華客船が近づいてきて、これで助かると思われたものの(乗客は明らかに難民だと認識していたにもかかわらず)、船の白人たちは冷たい目でアミンたちを一瞥し、豪華客船は無慈悲にもその場を立ち去ったのです…。
 それに比べると、「ブリリアンス・オブ・ザ・シーズ」の船長やVACAYAのローパー氏が難民を見捨てず、救出したことは(当然かもしれませんが)賞賛に値します。
 ちなみにロイヤル・カリビアンは何十年にもわたってAtlantis社などのゲイクルーズに船を提供してきたLGBTQフレンドリーな船会社です(2017年にはレインボーフェスタ!にも協賛しています)。そのことと、難民を見捨てずに救出したこととは決して無関係ではないでしょう。
 
 
 なお、今回のVACAYA社の「NEW ORLEANS ROUND TRIP」は2月22日から3月1日までの7泊8日のLGBTQクルーズで、ニューオーリンズを出発し、ユカタン半島沖に浮かぶコスメル島、グランドケイマン、そしてユカタンに寄港してニューオーリンズに帰ってくる(ニューオーリンズではその週に有名なマルディグラのカーニバルが見れる)というコースで、何人ものドラァグクイーンやシャイアン・ジャクソンがステージを盛り上げたそうです。

  

参考記事:
米クルーズ船、漂流中の難民11人を引き返して救出 メキシコ湾(CNN)
https://www.cnn.co.jp/usa/35229930.html

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