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パリ・ファッションウィークに参加したウィリー・チャバリアがバッディ主教のスピーチをフィーチャーし、世界中で増加する反LGBTQ法案への抵抗への連帯を表明しました

2025年02月01日

 パリ・ファッションウィークに参加したWILLY CHAVARRIAが聖公会のアメリカン・カテドラルでショーを行ないましたが、そのフィナーレでデザイナーのウィリー・チャバリアが「How We Love Is Who We Are」と書かれたシャツを着て登場し、先日のバッディ主教のスピーチをサンプリングした音楽とともにランウェイを歩き、オーディエンスを感動させました。

 ウィリー・チャバリアはカリフォルニアのチカーノ(メキシコ系アメリカ人)コミュニティで育ったオープンリー・ゲイのデザイナーで、カルバン・クラインのデザイン担当シニア・バイス・プレジデントを務めているほか、ニューヨークを拠点に展開するメンズアパレルブランド「WILLY CHAVARRIA」も手がけています。WILLY CHAVARRIAは1月21日〜26日に開催されたパリ・ファッションウィークに初めて参加しました。
 WILLY CHAVARRIAがパリ・ファッションウィークという世界の檜舞台に進出を果たし、トミー・ヒルフィガーやラルフ・ローレンのように米国発のグローバルなメンズブランドになりうることを証明したショーは、同時に、世界中で増加する反LGBTQ法案に立ち向かう姿勢への連帯を示すものでした。
 聖公会のアメリカン・カテドラルを舞台に、多くのクィアのアーティストやモデルが参加したショーのフィナーレで、ウィリー・チャバリアは「How We Love Is Who We Are」と書かれたスウェットシャツを着て登場し、聖公会のバッディ主教がトランプ大統領に向かって「have mercy upon the people in our country who are scared now.There are gay, lesbian, and transgender children in Democratic, Republican, and Independent families, some who fear for their lives」と語りかけて絶賛されたスピーチをサンプリングしたラウドミュージックに乗ってモデルやアーティストとともにゆっくりと、PRIDEを胸にランウェイを歩きました。オーディエンスのなかには立ち上がって拍手を送る人たちもいました。(そのショーの映像はこちら
 
 この「How We Love Is Who We Are(どう愛するかは私たち自身)」と(教会を思わせる)古い字体で書かれたスウェットシャツは、2024年に世界中で導入された570超にも上る反LGBTQ法案に対する抵抗の象徴としてデザインされたもので、米国最大のLGBTQ支援団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」とTinderとのコラボによって実現したものです。「愛する自由、平等、すべての人の基本的権利という共通のコミットメントに基づいた本パートナーシップでは、限定のファッションコラボレーションと社会的影響力のある寄付を通じて、包括性を称賛するとともに反LGBTQ+法案に反対する姿勢を示します」(プレスリリースより)
 ウィリー・チャバリアは「ファッションは常に文化的・政治的な動向を反映しています。さらに、ファッションは既成概念を打ち破り、新たな議論を生み出し、また変革をもたらす力も持っています。この度、TinderそしてHRCと協力してパリ・ファッションウィークという世界規模の舞台で、自身のアイデンティティを肯定するという力強いメッセージを発信し、行動を呼びかけています。この取り組みは、自分らしさを受け入れ、あらゆる形の愛を祝福するものです」と語っています。
 HRCのケリー・ロビンソン代表は「ファッションとクィアカルチャーは常に深い関わりを持ってきました。本パートナーシップは、重要な時期である今、私たちの力を結集するものです。LGBTQコミュニティを盛りあげ、支えるためにパートナーとなったウィリー・チャバリア氏とTinderに感謝しています。LGBTQコミュニティは強く、たくましく、そして美しい存在です。私たちは今後も平等と解放のために、LGBTQコミュニティ、そしてアライと共に闘い続けます」と語っています。
 
 ウィリー・チャバリアとTinderはまた、「How We Love Is Who We Are」というメッセージをさらに広げるため、著名なアーティストであるグスタボ・ガルシア=ビジャともコラボし、人間どうしのつながりに触発された印象的なビジュアルを制作し、パリ市内で展示したそうです。


【追記】2025.2.1
 パリ・ファッションウィークの締めくくりとして毎年恒例の「ディナー・ドゥ・ラ・モード」が開催され、多くのセレブが集まりました。このディナーイベントは、「Sidaction」(イヴ・サンローランのパートナー、ピエール・ベルジェが90年代に設立したHIV団体。Sidaはフランス語でAIDSの意味)がHIVとの闘いを継続し、内外でのエイズリサーチに資金を提供し、検査を奨励し続け、HIV感染者に対する差別と闘うために必要な資金を集める趣旨のチャリティイベントで、今回は1989年にエイズで亡くなった写真家ロバート・メイプルソープに敬意を表するというテーマで、パティ・スミスの「ビコーズ・ザ・ナイト」のアカペラカバーなどのパフォーマンスが行なわれたそうです。ディナーは「ラ・ターブル・デュ・カステレ」のシェフ、ファビアン・フェレがデザインしました。ジャン=ポール・ゴルチエ、ハンター・シェーファー、ジム・ジャームッシュ、エディ・デ・プレット、カメリア・ジョーダナ、ベンジャミン・ラヴェルヌ、ナディア・テレスキエヴィッチ、アリオチャ・シュナイダー、ケリー・ラザフォード、ローラ・スメット、アマンダ・リアなど錚々たるセレブが来場し、705万ユーロもの寄付が集まったそうです。


参考記事:
Tinderとウィリーチャバリア、ヒューマン・ライツ・キャンペーンがLGBTQ+の権利を支援するためにパリ・ファッションウィークで連携(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000081848.html
Willy Chavarria's Paris Fashion Week Debut Made LGBTQ+ Rights Front and Center(Teen Vogue)
https://www.teenvogue.com/story/willy-chavarria-paris-fashion-week-2025

シダクション2025ファッションディナー:エイズ撲滅のために705.000万XNUMXユーロを調達(Entrevue)
https://entrevue.fr/ja/diner-de-la-mode-sidaction-2025-705-000e-collectes-en-faveur-de-la-lutte-contre-le-sida/



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