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いろんなゲイの方がメディアでフィーチャーされています

2025年02月12日

 めっきりLGBTQ関連のいいニュースが減っているような気がする(米国の厳しい状況のことが目立つ)今日この頃ですが、今月に入ってから何本か、ゲイの方をフィーチャーした素敵なニュースが届いています。まとめてご紹介します。


 伊勢新聞に取り上げられたのは、三重県津市に200円スーパー「Ⅱ(津ぅ)マート」をオープンした花井幸介さん。200円という手頃な価格で生鮮食品などが購入できる格安スーパーを営むだけでなく、さまざまな悩みや困難を抱えた人々の「居場所」も提供しています。
 もともと花井さんは「ハワイアンカフェ&ダイニング」を経営しながら、フードロス削減事業や子ども食堂、障がい者支援、LGBTQ支援などに取り組むNPO法人HOMEを運営してきました。子ども食堂は「高齢者や障害者をケアする施設はあるが、悩める子どもたちの居場所はあまりない」という思いから始めたんだそうです。そしてこのたび、自営の焼肉店をスーパーに衣替えし、物価高などでモノの値段が高騰するなか、200円という金額にこだわり、仕入れ先と交渉したり、米なら200円分を小分けで販売するなどして200円スーパー「Ⅱ(津ぅ)マート」を実現しました。周辺に住む高齢者らの「手頃な値段で買い物する場所が少ない」との声も後押しになったそうです。
 それだけでなく、さまざまな悩みや困難を抱えた人々のが気軽に交流できたり、相談に乗ったり、市社会福祉協議会などと連携して福祉窓口につなげる役割も果たすコミュニティセンターというか「駆け込み寺」のような居場所も兼ねています。ゲイであるがゆえに子ども時代にいじめられ、悩みを抱えていても誰にも相談できる場所がなかったという自身の体験が活動の原点になっているそうです。市社会福祉協議会の関係者は「全世代に向けた相談事業や居場所づくりを行う取組みとしては、市内でも唯一だ」としているそうです。花井さんは「会話する中で打ち解け、悩みが打ち明けられる、あったかい空間をつくりたい」と語っています。
 そらにじひめじなどにも通じるものがある、実に素晴らしい活動です。頭の下がる思いです。
 三重レインボープライドなどで津市に行かれる方は、「Ⅱ(津ぅ)マート」(津市丸内21−32)に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
 

 文春オンラインには、二丁目にいる子の居場所を作りたいという思いから、LGBTQにまつわる日常や考え方についてSNSで発信しているインフルエンサーのたたさんへのロングインタビューが掲載されています。
 たたさんは小学校のときは強豪チームの4番バッターだったのに、中学に進学すると丸坊主を強制されるのが嫌で野球をやめてしまい、同時にゲイであることを自覚し、高校時代は異性や恋人の話ができず、同級生と疎遠になったといいます。大学に進学し、大手企業に内定が決まったものの、「ゲイなので、結婚もできないし、子どももできない。世間一般の幸せな将来像が描けなかった」ため、好きな髪型やファッションで生きることを大切にしてきたのに、会社に入ったら好きな髪型も好きなメイクもできない…と悩み、内定を辞退し、カムアウトしたお母さんと一緒にコンビニのオーナーになりました。2020年頃に「ミスター・ゲイ・ジャパン」に応募し、ファイナリストに選ばれ、運営の方から「あなたはおもしろいからプロデュースしたい」と言ってもらえて、そこからインフルエンサーの道へ。ダイエットのことを中心にTikTokなどで人気に火がつきましたが、“嫌われてる”と思って近づかなくなった二丁目にひさしぶりに行ったところ、友人に応援してもらえて、一緒に何かやろうということになり、LGBTQのインタビュー動画を撮ることにしたんだそう。「二丁目に行ってみたら、自分と同じ悩みを抱えている子たちをいっぱい見かけて。みんな二丁目にいる間は、めちゃくちゃハッピーなんですよ。でも、そこから出ると、マイノリティである自分を偽る日常に戻らないといけないから、最後は切なさしか残らない。それって寂しいじゃないですか。僕や二丁目で働く子たちが抱える苦しみをなんとかしたい、そんな思いからSNSで発信を続けています」「ゲイたちは異常なもの…まだまだ世の中はそんな認識じゃないですか。僕の発信を通じて、「もしかしたらうちの会社にもLGBTQの人がいるかも」「それが当たり前の世の中なのかも」って思ってもらうことが近道かなと」
 時にはSNSで批判もされてきたというたたさんですが、寄せられるたくさんの応援コメントを糧に、まだまだ発信を続けていくそうです。


 
 フィガロジャポンでは、今月来日したことも話題になったOpenAIのサム・アルトマンの同性パートナーシップについての記事が掲載されています。
 約1年前にOpenAIのサム・アルトマンCEOが同性婚というニュースでお伝えしていたように、サム・アルトマンはハワイのビーチでオリバー・マルヘリンと結婚式を挙げ(その写真をインスタグラムに投稿したところ、「AIで生成したウエディングフォトなのでは?」などと言われたそうです)、永遠の愛を誓いました。
 この結婚式について『フィガロジャポン』編集部がChatGPTに投げかけてみたところ「論争から離れたこのハワイのビーチでのプライベートな結婚式は、サム・アルトマンという人物のより個人的な一面を浮かび上がらせました。テクノロジー業界の上層部において、プライベートライフはしばしばカンファレンスや資金調達の裏に隠れがちですが、この出来事は人工知能の背後にいる人物をより人間らしく見せるものとなりました」との答えがあったそうです。
 二人がいつ出会ったのか、つきあい始めてからどのくらい経つのか、といった詳細は明らかにされていないものの、二人はサンフランシスコに住んでいて、週末になるとカリフォルニアワインの産地と知られるナパ・バレーに移動し、牧草地で牛を育てているんだそう。二人は近いうちに子どもを持ちたいとも考えているようです。
 平穏な、幸せな家庭を築きたいという二人の願いが叶うといいですね。とても素敵な記事でした。
 

【追記】2025.2.15
 日テレ『news zero』で2月14日(愛の日)、3年前に交通事故で大けがを負って重態となったタカシさんと、その介護をしてきたマサノリさんのお二人のパートナーシップをフィーチャーした番組が放送されました(お二人が登場するのは2回目です)
 法的な家族ではないことが様々な困難をもたらし、お二人は本来望む形ではないものの、養子縁組をしました。「気持ちが家族でも、法的な家族になれない人がまだ多くいるのかなと思うと、家族ってなんなのかなって」と語るマサノリさん。
 タカシさんは昨年12月にようやく退院できたそうです(よかった。おめでとうございます)。マサノリさんは自ら資格を取得して介護にあたっていますが、ヘルパーの助けも借りながら生活しています。常に出入りするヘルパーが果たして二人の関係を理解してくれるのか不安だったそうですが、「普通の家族として扱ってくれる人ばかりだったので、安心して過ごせています」とのこと。大変なことも多いけれど、タカシさんと二人で過ごす時間が幸せだと、マサノリさんは語りました。




参考記事:
200円スーパー「Ⅱ(津ぅ)マート」開店 津・丸之内に、悩める人の「居場所」も提供 三重(伊勢新聞)
https://nordot.app/1262212382434952084?c=39546741839462401

体重120→57キロに激やせ、30代で超人気インフルエンサーに…バイト先のギャルに「キモい」と言われたゲイ男性(35歳)がバズるほど「美しくなれた理由」(文春オンライン)
https://bunshun.jp/articles/-/76393
体重120→57キロに大変身、人気インフルエンサーになったゲイ男性(35歳)が「キモいと言ってきたギャル」と仲直りできた理由「人生に意味のないことはない」(文春オンライン)
https://bunshun.jp/articles/-/76394
「結婚も、子供を作る未来もありえない」将来への不安から120キロまで激太りしたことも…35歳の当事者が語る“ゲイゆえの生きづらさ”(文春オンライン)
https://bunshun.jp/articles/-/76708
「強豪チームの4番バッター」だった少年はなぜ野球をやめたのか…? 35歳・ゲイのインフルエンサーが見た“日本の不寛容”「いまだに女性の服が着たいと勘違いされる」(文春オンライン)
https://bunshun.jp/articles/photo/76709

ChatGPTの創業者サム・アルトマンと、彼を支える同性婚パートナーの素顔とは?(フィガロジャポン)
https://madamefigaro.jp/culture/celebrity/250207-sam-altman-of-chatgpt.html

【カラフルDAYS】同性カップル パートナーが事故で大けが…困難に直面した2人 退院後の新しい生活は?(日本テレビ)
https://news.ntv.co.jp/category/society/2991592d1c5a45eca0e6baebfb8f68ef

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