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【甲府アウティング市議】市議会政倫審が全員一致で政治倫理基準に抵触すると判断しました

2025年10月12日

 今年6月、芥川賞作家の李琴峰さんがアウティングを受けたとして甲府市の村松裕美市議を提訴した問題について、甲府市議会の政治倫理審査会は村松市議の行動が市議会の政治倫理基準に抵触するとの認識で一致しました。

 
 提訴のことをきっかけに甲府市議会は政治倫理審査会(以下、政倫審)を設置し、村松市議の行為などを審議しています。
 9月12日の政倫審では村松市議本人による弁明が予定されていましたが、審査会の対応が不公平だとして急きょ欠席しました。政倫審の委員からは「村松議員は欠席で自ら弁明の機会を放棄した」という意見が相次ぎました。政倫審は次回の10月までに村松市議から弁明の申し出があった場合は取扱いを協議することにしていました。

 村松市議からは結局、弁明の申し出はなかったようで、10月10日、3回目となる政倫審が開かれ、村松市議の行為について各委員が発言し、「人権侵害で、議員の適格性に欠ける」「市議会の品位と名誉を損なう行為だ」といった意見が相次ぎ、欠席した2人の委員を除く全員が、村松市議の行為は「情報発信は公人としての自覚と責任を持って行うこと」「議員の品位と名誉を損なう一切の行為をしないこと」などを定めた市議会の政治倫理規定に違反するとの認識で一致しました。
 また、村松市議は政倫審に「弁明書」を提出していましたが、審査会は「弁明書の内容は訴訟に影響しないことを求めるもので性別を暴露した背景などがわからない」などとして弁明書を採用しないと結論づけました。
 次回の政倫審で、委員の意見を集約し、議長に報告したいとしています。市の議会局によると、違反を認定した場合は、議員辞職や誓約書の提出を求めるといった意見を添えて報告することになるそうです。

 
 議員という公職にある人物が、一人の人間の人生を取り返しがつかないほど大きく変えてしまう(自死に追い込むことにもつながる)アウティングという暴露行為を故意に行なったのは本当に悪質な問題で、決して許されることではありません。甲府市議会の政倫審が今回、政治倫理基準に抵触すると全員一致で判断したのも尤もで、理にかなったことと言えます。引き続き、政倫審や裁判の行方を見守っていきましょう。
 
  

 
参考記事:
渦中の甲府市議が“ボイコット” 性別暴露問題の政治倫理審査会 弁明予定も急きょ欠席 山梨・甲府市(山梨放送)
https://news.ntv.co.jp/category/society/ysa217c2ceadda4e8082ea2efbdfcb8334
芥川賞作家のトランスジェンダー暴露問題 村松裕美議員は政治倫理審査会を欠席 SNSで理由を説明(テレビ山梨)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2167855

「性別を暴露した背景などがわからない」市議の弁明書を不採用 芥川賞作家のトランスジェンダー暴露問題で政倫審 甲府市(テレビ山梨)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/uty/2223004
“性別”暴露問題の政倫審 甲府市議は政治倫理基準に抵触との認識で一致 次回に結論へ(山梨放送)
https://news.ntv.co.jp/category/society/ys8403be024f9244baa74d133830e2023f
芥川賞作家への「暴露」、政倫審で批判相次ぐ 甲府市議のSNS投稿(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASTBB42SVTBBUZOB006M.html

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