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【追悼】同性婚実現に尽力した偉大なアライ、ロブ・ライナー

2025年12月15日

 映画監督/俳優/プロデューサーのロブ・ライナーが妻のミシェル・シンガーとともにロサンゼルスの自宅で死亡しているのが発見されたというニュースが世界に衝撃を与えています。親族が「深い悲しみとともに、ロブ・ライナーとミシェルが悲劇的に亡くなったことをお伝えします。突然の喪失に私たちの胸は張り裂けており、この信じがたい困難な時間には、そっとしておいていただけますようお願い申し上げます」との声明を発表しました。一部のメディアは、夫妻が刃物で刺された状態で見つかり、32歳の息子が事件に関わった疑いで事情を聴かれているとも伝えています。
 オバマ元米大統領が「私とミシェルは、ロブ・ライナーと彼の愛すべき妻が悲劇的に亡くなったことに心を痛めています。彼らが擁護した価値と、それに触発された無数の人々により、彼らは記憶され続けることでしょう。彼らを愛したすべての人々に、心からの哀悼を捧げます」とコメントしたのをはじめ、多くの映画人やセレブが続々と追悼コメントを発しているところです。
 
 
 ロブ・ライナーが米国のLGBTQコミュニティにとってどんな人だったかをお伝えし、追悼とさせていただきます。

 アメリカのTV番組で初めてゲイのキャラクターが登場したのは1971年放送の「All in the Family」というシットコムでした。このドラマは、黒人やゲイに対してあからさまな侮蔑語を放ち、若者をこき下ろしたりするアーチーに対し、その娘のグロリアと夫のマイケルというヒッピー世代でリベラルな二人が言い返したり諌めたりすることで、アーチーのような旧世代の典型的な差別オヤジを笑い物にするというものだったのですが、そのマイケルを演じ、若者世代の代弁者となっていたのがロブ・ライナーでした。第4話ではアーチーが昔いっしょにアメフトをやっていた仲間たちが家にやって来るのですが、アーチーがゲイを侮辱するFワードを連発するのに辟易したスティーブ(アメフトのエリート選手でアーチーが崇拝していた人)が、自分自身がゲイであるとカムアウトする場面が描かれたのでした(詳細はこちら
 1974年に「All in the Family」でエミー賞助演男優賞を受賞したロブ・ライナーですが、その後、80年代に映画監督としてもデビューを果たし、1986年に『スタンド・バイ・ミー』を、1989年に『恋人たちの予感』を大ヒットさせました。『最高の人生の見つけ方』シリーズなどもそうですが、アメリカ人の心に残るようなハートフルな作品を多数、世に送り出した方です。
 
 そんなロブ・ライナーは2009年、カリフォルニア州で同性婚を禁止しようと住民投票にかけられ、僅差で成立してしまった提案8号が違憲だと訴える(それがやがてアメリカ全土での婚姻平等にもつながる)裁判を支援する「American Foundation for Equal Rights」の共同設立者となり、LGBTQの権利擁護のために尽力しました。
 そうした功績を讃えられ、2011年、GLSEN(LGBTQの包摂を促進する米国の教育団体)の「Lifetime Achievement Award」を受賞しています(詳細はこちら

 2016年、ノースカロライナ州の悪名高いアンチLGBTQ法に知事が署名した際は、この法が撤廃されるまでノースカロライナで映画を撮らないと宣言しました。「この憎悪に満ちた法が撤廃され、ノースカロライナのLGBTQが平等に尊厳を持って扱われるまで、この週で映画を撮ることはないだろう。映画産業の同僚たちにもそうするように言うつもりだ」(詳細はこちら
 また、同年、ジョージアの反同性愛法に反対するキャンペーンにリー・ダニエルズらと共に参加しています(詳細はこちら
 LGBTQコミュニティを支援する強力なアライとして、ABC制作のLGBTQ権利擁護運動のドキュメンタリー「When We Rise」にも登場しました。
 

 ヒューマンで熱い心を持った、偉大なアライだったロブ・ライナー。まさかこのような悲劇的な死を迎えるとは…信じられません。心より哀悼の意を表します。

 
 
参考記事:
ロブ・ライナーさん親族が声明を発表「悲劇的に亡くなったことをお伝えします」(テレ朝NEWS)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_geinou/articles/900180010.html
イライジャ・ウッド、ショーン・レノンら《追悼・ロブ・ライナーさん》(テレ朝NEWS)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_geinou/articles/900180011.html

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