g-lad xx

NEWS

フィリピン最高裁が同性カップルに財産の共有を認め、国会にも取組みを要求

2026年02月11日

 BBCなどによると、フィリピン最高裁が2月5日、同性カップルに財産の共有を認める画期的な判決を下しました。それだけでなく、政府や国会に対し、同性カップルの権利に関する政治的・道徳的な“疑問”の解消に取り組むことを要求しました。


 フィリピン最高裁は家族法の規定を初めて適用し、両者がそれを取得するのに貢献したと証明されれば同性カップルも共同所有者として認められると述べました。
 この裁判は、2005年から共に暮らし、翌年には家を購入した女性カップルが、2007年に別れ、家を売ることを決めたものの、のちに一方が売ることを拒んだため、もう一方の女性が財産分与を裁判所に申し立てたことから始まります。地裁はこの訴えを却下し、高裁に持ち込まれ、そして2月5日、最高裁は地裁の判決を覆しました。 
 家は書類上、片方の名義になっていました。結婚していない、血縁関係もない二人が家を取得するにはそうするしかなかったのです。
 家族法は結婚を男女の絆だと定義していますが、最高裁は「共に住んでいるものの法的に結婚できない人々の財産関係」を規定する148条について、性別に基づく差別をするものではなく「どんなかたちの同居であっても適用される」と述べました。148条は同性カップルにも適用される、「さもなければ我々は、特定の正当な、親密なパートナーシップを法的に不可視化することになってしまう」と、マーヴィック・レオネン判事は述べました。
 判決への補足としてエイミー・ラザロ・ジャビエル判事は、148条は異性カップルに限定されてはならないと述べました。「同性カップルと対等であるはずの異性カップルにだけ、この現代社会に、まばゆいけれども不当な扱いの違いや、優勢な価値が与えられている」と彼女は指摘しました。
 
 また、今回の最高裁の裁定では、政府と国会に対して同性カップルのニーズに取り組むことも要求しています。
「同性カップルの権利に関するイシューを取り巻く政治的、道徳的、文化的なクエスチョンについて、特に国会はその解消に向けて動かなくてはいけない」

 
 
 保守的なカトリック主要国であるフィリピンでは、長い間LGBTQは法の外に置かれてきました。フィリピンはバチカン市国を除けば世界で唯一、離婚を認めない国であり、LGBTQのカップルの法的な保護も置き去りにされていたのです。
 マニラでは1994年(東京に2ヶ月先がけて)東アジアで初めてのプライドパレードが開催され、以降、毎年のように開催され続け、現在では東アジア最大級の規模になっています。GALLUP社の調査では、自国が同性愛者にとって住みやすいと回答した人の割合は、アジアでダントツの1位です。
 しかし、政治状況はとても厳しく、2000年に初めて起草されたLGBT差別禁止法案は、繰り返し国会に提出されてきたにもかかわらず、成立を見ていません。2010年には「Ang Ladlad(カミングアウト)」というLGBTの政党が結成されたものの不道徳だとして選管が選挙への出馬を認めず、最高裁まで争ったという出来事もありました。2017年、2019年には国会に同性パートナーシップ法案が提出されています(採択されませんでした)
 長年のLGBTQコミュニティの運動や、政治への働きかけがようやく実を結び、今回の最高裁の画期的な判決につながったと言えるでしょう。拍手!
 



参考記事:
Philippine top court says same-sex couples can co-own property(BBC)
https://www.bbc.com/news/articles/c70nwz7z7r1o

Supreme Court urges Congress to act on same-sex couples’ rights(philstar)
https://www.philstar.com/headlines/2026/02/10/2507076/supreme-court-urges-congress-act-same-sex-couples-rights

Supreme Court recognizes co-ownership of property in same-sex relationships(ABS-CBN)
https://www.abs-cbn.com/news/nation/2026/2/10/supreme-court-recognizes-co-ownership-of-property-in-same-sex-relationships-113

INDEX

SCHEDULE