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今年オスカーに輝いた唯一のクィア映画が5月1日から上映

2026年04月08日

 3月16日に開催された第98回アカデミー賞授賞式で、同点による2作品同時受賞という(2012年の第84回アカデミー賞以来、実に14年ぶりの)とても珍しい出来事がありました。短編映画賞でプレゼンターを務めた俳優・コメディアンのクマイル・ナンジアニが封筒を開封すると、動揺した表情で「同点です。冗談じゃありません。皆さん落ち着いてください」と告げ、会場にどよめきが広がるなか、ナンジアニは「まず1作目を発表し、受賞者がステージに上がった後、2作目を発表する」という段取りを説明し、「皮肉なことに、短編映画賞の発表が2倍の時間を要することになってしまいました」と言って会場の笑いを誘いました。
 その同時受賞した2作品のうちの1作品である『Two People Exchanging Saliva(原題)』が、今年LGBTQ関連作品(クィア映画)の受賞がほとんどないcishet(シスジェンダー・ヘテロセクシュアル)なオスカーとなったなかでの唯一のクィア作品でした。
 
 VOGUE JAPANによると、受賞スピーチで、ナタリー・ムステアタ監督は「奇妙でクィアな作品を支持してくれてありがとうございます」と述べましたが、唾を交換する2人の人という意味の『Two People Exchanging Saliva』は、平手打ちが通貨となり、キスを交わすことで死刑となる奇妙な世界における女性どうしの恋を描いた作品です。
『燃ゆる女の肖像』でソフィを演じたルアナ・バイラミと、『聖地には蜘蛛が巣を張る』でカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞したザーラ・アミール・エブラヒミが主演しています。高級デパートで販売員として働き始めたばかりの24歳の女性と、そのデパートの有力顧客のひとりである裕福な実業家の妻との間に恋が芽生えるという、まるで『キャロル』のような設定ですが、ホモフォビアがテーマというよりも、そもそもキスしたら死刑という、親密さが排除されたディストピア社会を舞台に「愛のチャンスのために人がどんな行動をするのか」という普遍的なメッセージを描いているところが異なります。

 海外の短編映画はなかなか日本での上映の機会はありませんが、今回、日本発のショート映画専門配信サービス「SAMANSA(サマンサ)」が、アカデミー賞の短編映画部門で脚光を浴びた受賞作・ノミネート作を一挙公開する特別上映企画「SAMANSA presents 世界が認めた栄冠のショート傑作選~2026年度アカデミー賞®受賞・ノミネート作品を一挙公開~」を開催し、5月1日よりヒューマントラストシネマ有楽町、5月15日よりキネカ大森で順次公開されることになりました。『Two People Exchanging Saliva』は『唾液を交わす二人』との邦題で上映されます。もし興味がある方はご覧ください。

SAMANSA presents 世界が認めた栄冠のショート傑作選
・ヒューマントラストシネマ有楽町 5月1日(金)より4週間連続上映
・キネカ大森 5月15日(金)より2週間連続上映
鑑賞料金:各劇場通常料金

 


参考記事:
【第98回アカデミー賞(2026)】オスカーで珍事!短編映画賞で2作が同時受賞――同点受賞は14年ぶり(The Hollywood Reporter Japan)
https://hollywoodreporter.jp/awards/academy-awards/184025/

奇妙なディストピア社会における女性同士の恋愛。アカデミー賞短編映画賞を受賞した『Two People Exchanging Saliva(原題)』の魅力に迫る(VOGUE JAPAN)
https://www.vogue.co.jp/article/two-people-exchanging-saliva-oscar-short-film

第98回アカデミー賞を沸かせた短編映画が日本上陸!配信サービス「SAMANSA」厳選の9作品が5月劇場公開(映画.com)
https://eiga.com/news/20260408/7/

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