PEOPLE
畠山健介さんへのインタビュー
2019年3月1日(金)、二丁目の「Annex」で行われたイベントにプロラグビープレイヤーの畠山健介さんが出演されました。お忙しいなか、少しだけお話をお伺いすることができましたので、ご紹介いたします。
今年はラグビーのワールドカップが日本で開催される!ということで、巷では盛り上がりを見せていると思いますが、そんななか、3月1日(金)、二丁目のAnnexで開催されるイベント「THE HAPPY HOUSE WEEKEND -DJ DAI BIRTHDAY BUSH-」にプロラグビープレイヤーの畠山健介さんがご来場されます!とアナウンスされ、話題となりました。
2015年のラグビーワールドカップで一躍有名になった畠山健介さんは、ガチムチ系好きなゲイの間で絶大な人気を誇っています。
そんな畠山さんは今回、サントリーが主催する二丁目のお店のみなさんに向けたセミナーに出席するためにAnnexを訪れる予定となっていましたが、セミナー終了後も少し会場に残ってファンのみなさんと交流してくださるということで、イベント出演者としてアナウンスされたのでした。
そして迎えた当日、会場には20時のイベント開始と同時にたくさんのファンの方が詰めかけました。一緒に写真を撮らせてください、とか、サインをください、などのお願いにも畠山さんは快く応じてくださり、最後にご挨拶もして、21時頃にお帰りになりました。
バタバタでお忙しいなか、少しだけお話をお伺いすることができましたので、ご紹介いたします。
(聞き手:後藤純一)
畠山健介選手プロフィール
宮城県気仙沼市出身、仙台育英高から早大、サントリーと進み、2011年ワールドカップ(W杯)ニュージーランド大会、2015年イングランド大会に出場。運動量や技術の高さ、圧倒的なコミュニケーション能力で日本代表を支え、2015年大会では史上初の3勝に貢献。2017年5月1日に日本ラグビーフットボール選手会の代表理事に就任し、選手と社会の接点を増やす活動にも尽力。2月22日、サントリーからの退団が発表された。
−−今年はラグビーのワールドカップが開催されますが、私が見聞きしている範囲では、二丁目での盛り上がりはいまひとつかもしれません…あまり関心のない方に向けて、メッセージをお願いできればと思います。
ワールドカップは、僕らからしたら夢のような大会です。おっしゃる通り、ラグビーにそこまで関心がないという方もいらっしゃると思いますが、僕はそういう方にこそ、試合会場に来てほしいと思います。好きな方だけじゃない、知らない方、興味がないという方にこそ、届けたい。まだやることがあると思っています。
−−畠山さんが今日ここに来られて、こうしてお話されていることも、二丁目とラグビーを結びつける接点、これからワールドカップが盛り上がっていくためのきっかけになると思います。
僕は女性が好きで、みなさんは男性が好き、それだけのこと。僕自身は偏見もありませんし、ゲイの方が登場する映画なども観てきて、LGBTの社会的地位向上の意義なども理解しているつもりです。スポーツは文化の違いや国境を飛び越えると言われますが、性別やセクシュアリティの違いを飛び越える力もあるはずです。ラグビーが真っ先にそこを飛び越えていけたら、それは価値あることだと思います。
−−素敵です。ぜひ飛び越えていってほしいと思います。ちなみに畠山さんは、二丁目は初めてですか?
何回か来たことがあります。誰かが「行こうよ」と言ったら、一緒に来る感じで。
−−二丁目の人たちと接してみて、どうですか?
正直、女性にちやほやされたことがあまりないのですが、二丁目では男性の方たちにちやほやされて(笑)。ありがたいです。僕をきっかけにしてラグビーの認知度がUPするのであれば、とてもうれしいです。
−−すでにおモテになるということは認識されてたんですね。
今日も本当にたくさんの男性に来ていただいて。みなさんが、写真撮りましょうか?とか、ペン使います?みたいなことを自然にやっている姿を見て、素晴らしいなと思いました。
−−ゲイのみなさんは、この街では楽しそうに飲んだり騒いだりしていますが、一方で世の中では、偏見の目で見られたり、親にもカミングアウトできないとか、結婚が認められないなどの差別もあります。そういうゲイの人たちに向けて、何かメッセージをいただければ。
個人的には偏見をもってはいませんが、残念ながら少なからず社会的に厳しい目があることも理解しています。LGBTのみなさんがそれを変えていこうとしたとき、きっと、一人ではなく、みんなのうねりが、行政や法律をかえるきっかけになるんじゃないでしょうか。
−−「ONE FOR ALL、ALL FOR ONE」の精神で。
ラグビーに結びつけていただいて、ありがとうございます(笑)。誰しも真剣に悩んでることって他人には言いづらいし、足がすくむ気持ちもわかる。カミングアウトして変えていくのは、とても勇気が要ることですよね。さっき、「2015年のワールドカップを見て勇気をもらった」と言っていただいて本当にうれしかったのですが、そういう意味では、みなさんもきっと、世の中の人たちに勇気を与えることができると思うんです。
−−本当にそうですね。
個人的には応援してます。ラガーマンは仲間を蔑むようなことはしません。ラグビーの試合を見ていただきながら、そこから勇気をもらって、活動につなげてくれたら、こんなにうれしいことはありません。
−−最後に、何かひとこと、お願いします。
9月からワールドカップが始まり、多くの外国人が来られると思います。その中にはLGBTの方もいるはずで、きっと二丁目にも来られると思います。ぜひ、みなさんのおもてなし精神で、交流の機会も育んでもらえたら、素晴らしいと思います。
−−承知しました。今日は本当にありがとうございました!
INDEX
- 来年ワシントンDCで開催されるワールドプライドについて、Destination DCのエリオット・L・ファーガソンCEOにインタビュー
- 『超多様性トークショー!なれそめ』に出演した西村宏堂さん&フアンさんへのインタビュー
- 多摩地域検査・相談室の方にお話を聞きました
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- HIV、梅毒、コロナ、サル痘…いま、僕らが検査を受けるべき理由:東京都新宿東口検査・相談室城所室長へのインタビュー
- NYでモデルとして活躍する柳喬之さんへのインタビュー
- 虹色のトラックに込めたゲイとしての思い――世界的な書道家、Maaya Wakasugiさんへのインタビュー
- ぷれいす東京・生島さんへのインタビュー:「COVID-19サバイバーズ・グループ東京」について
- 二丁目で香港ワッフルのお店を営むJeffさんへのインタビュー
- 東京都新宿東口検査・相談室の城所室長へのインタビュー
- 俳優の水越友紀さんへのインタビュー
- 数々のLGBTイベントに出演し、賞賛を集めてきた島谷ひとみさんが今、ゲイの皆さんに贈る愛のメッセージ
- 今こそ私たちの歴史を記録・保存する時−−「LGBTQコミュニティ・アーカイブ」プロジェクト
- LGBT高齢者が共同生活できるシニアハウスの設置を目指す久保わたるさん
- 岩崎宏美さん出演のクラブパーティを開催するkeiZiroさんへのインタビュー
- 英国の「飛び込み王子」トム・デイリーについて、裏磐梯のゲストハウスのオーナー・GENTAさんにお話をお聞きしました
- ニューヨーク在住のフォトグラファー、KAZ SENJUさん
- ジョニー・ウィアーが来日!(映画『氷上の王、ジョン・カリー』公開記念トークイベント)
- 畠山健介さんへのインタビュー
- トークセッション「ダイアモンドは永遠に――日本におけるドラァグクイーン・パーティーの起源」
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