REVIEW
歌川さんの単行本第2弾『ツレちゃんに逢いたい』
超人気漫画blog「♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です」の歌川たいじさん(うたぐわさん)が、『じりラブ』に続き、単行本第2弾を発売しました。今回はblogには描かれていない、まさかのシリアスなお話…思わず涙すること必至の大傑作です。

ほのぼのハッピーでラブラブな(でも、おかんと子どもみたいだったりもする)うたちゃんとツレちゃんのカップル、キャラの立ったうたちゃんの同僚や家族、ゲイ友などとのドタバタを毎日漫画でアップし、1日10万ヒットを記録している超人気blog「♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です」。今年初めにはこのblogを単行本化した『じりラブ』が集英社から発売されました。
そして今回、単行本第2弾となる『ツレちゃんに逢いたい』がチャリティ企画として発売されました。
毎日楽しく暮らしているように見えるうたちゃんとツレちゃんに、予想だにしていなかった危機が到来します。ダンスが好きで、まるで子ども(妖精)のように気ままに振る舞うツレちゃんに忍び寄る影…「ふたり」で生きることの意味を改めて問い直すような、大きな問題にぶち当たり、うたちゃんは「お互いを思い合うだけではゲイカップルは続けていけないのか」と苦悩します。
blogでは描かれなかったまさかのシリアスな展開に、いつもの読者は驚愕させられます。
この本のPV(一流の映像編集。スゴいです)をぜひ観ていただきたいと思います。
歌川さん自身のナレーションで「長続きするカップルは本当にちょっと。滝を登る鯉が次々に落ちていって、滝を登りきった鯉だけが、龍になる。そのくらい、珍しいんです」と語られていて、印象的です。
作家・中村うさぎ先生はこんな素敵なコメントを寄せてくださっています。
「一緒に生きて行こうね、という約束が、こんなに重いとは思わなかった。こんなに勇気が必要で、こんなに面倒臭いとも知らなかった。そして同時に、こんなに尊い約束だって事にも気づいてなかったよ」
「ありがとう。私もいつか、龍になりたい。滝の上にかかる虹を越えて、どこまでも昇って行きたいよ。そこにはきっと、ひとりでは辿り着けない場所があるんだね」
ゲイが「ふたり」で生きていくとはどういうことなのかを描いたという意味では、大塚隆史さんの『二人で生きる技術─幸せになるためのパートナーシップ』にも通じるものがありますし、他人事とは思えない、誰にでも訪れえる、そしてゲイにとってとりわけ深刻な問題をリアルに描いたという意味では、NHKの『ハートをつなごう』のような意味もあります。
そして、これが単にカップルの間の「大変だった話」として描かれるのではなく、ゲイの歴史…かつて「ふたり」で暮らすこともできない時代もあったこと、殴られ、虐げられもしてきたこと…に重ね合わせて描かれたことで、より大きな感動を喚び起こされました。歌川さんのゲイ作家としての魂を感じました。本当に素晴らしい、大傑作だと思います。
年内にご購入申し込みをされた方には、お好きなキャラクターの手書きシートもプレゼントされるそうです。ぜひ、こちらからご注文ください。
(後藤純一)

ツレちゃんに逢いたい
歌川たいじ/A5版 120ページ(オールカラー)/1200円
そして今回、単行本第2弾となる『ツレちゃんに逢いたい』がチャリティ企画として発売されました。
毎日楽しく暮らしているように見えるうたちゃんとツレちゃんに、予想だにしていなかった危機が到来します。ダンスが好きで、まるで子ども(妖精)のように気ままに振る舞うツレちゃんに忍び寄る影…「ふたり」で生きることの意味を改めて問い直すような、大きな問題にぶち当たり、うたちゃんは「お互いを思い合うだけではゲイカップルは続けていけないのか」と苦悩します。
blogでは描かれなかったまさかのシリアスな展開に、いつもの読者は驚愕させられます。
この本のPV(一流の映像編集。スゴいです)をぜひ観ていただきたいと思います。
歌川さん自身のナレーションで「長続きするカップルは本当にちょっと。滝を登る鯉が次々に落ちていって、滝を登りきった鯉だけが、龍になる。そのくらい、珍しいんです」と語られていて、印象的です。
作家・中村うさぎ先生はこんな素敵なコメントを寄せてくださっています。
「一緒に生きて行こうね、という約束が、こんなに重いとは思わなかった。こんなに勇気が必要で、こんなに面倒臭いとも知らなかった。そして同時に、こんなに尊い約束だって事にも気づいてなかったよ」
「ありがとう。私もいつか、龍になりたい。滝の上にかかる虹を越えて、どこまでも昇って行きたいよ。そこにはきっと、ひとりでは辿り着けない場所があるんだね」
ゲイが「ふたり」で生きていくとはどういうことなのかを描いたという意味では、大塚隆史さんの『二人で生きる技術─幸せになるためのパートナーシップ』にも通じるものがありますし、他人事とは思えない、誰にでも訪れえる、そしてゲイにとってとりわけ深刻な問題をリアルに描いたという意味では、NHKの『ハートをつなごう』のような意味もあります。
そして、これが単にカップルの間の「大変だった話」として描かれるのではなく、ゲイの歴史…かつて「ふたり」で暮らすこともできない時代もあったこと、殴られ、虐げられもしてきたこと…に重ね合わせて描かれたことで、より大きな感動を喚び起こされました。歌川さんのゲイ作家としての魂を感じました。本当に素晴らしい、大傑作だと思います。
年内にご購入申し込みをされた方には、お好きなキャラクターの手書きシートもプレゼントされるそうです。ぜひ、こちらからご注文ください。
(後藤純一)

ツレちゃんに逢いたい
歌川たいじ/A5版 120ページ(オールカラー)/1200円
INDEX
- すべての裸は素晴らしい――ブロードウェイミュージカル『フルモンティ』
- セクシーさもありつつ胸が締め付けられるような映画『君の見る世界をなぞる』
- マーティン・シャーマンが『BENT』より前に書いたラブリーなゲイカップルの演劇作品『パッシング・バイ』
- 性的指向とは何か?という根源的な問いに迫る目からウロコな本:『パンセクシュアル宣言』
- CBC「ハートフルワールド」第22話「東京・新宿二丁目編」がなかなかよかったです
- アート展レポート:西村宏堂展「Cells - 細胞 -」
- かつてこんなにゲイゲイしいバレエがあったでしょうか…ベルリン国立バレエ『ヌレエフ』レビュー
- メキシコから届いたハッピーでキラキラなトランス・ドキュメンタリー映画『きっと青春大革命!カルラ8年の記録』
- 涙、涙の真実の物語:映画『シークレット・オブ・ミー』(レインボー・リール東京)
- バンパイアというマイノリティの悲哀と愛をクィアになぞらえて描いた異色作:映画『シレンシオ』(レインボー・リール東京)
- 奇想天外にしてノンジャンルな、まったく新しいクィア(ゲイ)映画『ユースフル・ゴースト』
- マレーシアで奮闘する人たちの姿を追った感動のドキュメンタリー映画『クィア・アズ・パンク』(レインボー・リール東京)
- 最高にパンクでエロティックなBruce LaBruce版『テオレマ』:映画『来訪者』(レインボー・リール東京)
- 恋する男子たちの姿に胸キュン…心に残る名作映画『せき止められた水』(レインボー・リール東京)
- ゲイの警官が主人公のセクシーなクライム・ラブストーリー『ボディ・ブロー』(レインボー・リール東京2026)
- 当事者でなければ作り得ない、トランスジェンダーのリアルに迫った傑作短編映画『トランジット・デイズ』
- アート展レポート:2人展 男たちの昼と夜
- 最高に素敵な国⺠的ドラァグクイーン“パンティ”の生き様を描いたドキュメンタリー映画『クイーン・オブ・アイルランド』
- アート展レポート:Queer Art Exhibition
- 日本のLGBTQの運動史が初めて一冊の本になりました:『LGBTヒストリーブック日本編 平等を求めて声をあげた人々の闘い』









