REVIEW
田亀源五郎『田舎医者/ポチ』
ゲイコミックの巨匠・田亀源五郎さんの新刊単行本『田舎医者/ポチ』が発売されました。『バディ』誌に発表された作品、お蔵出しの旧作、描き下ろしの作品も入って、バラエティに富んだ田亀ワールドを堪能できる一冊です。

田亀源五郎さんの新刊単行本『田舎医者/ポチ』のレビューをお届けします。(後藤純一)
田亀源五郎さんはゲイ雑誌『バディ』や『G-men』に『銀の華』『PRIDE』などの傑作ゲイコミックを発表してきた(『G-men』では表紙絵も手がけていました)、海外での評価も非常に高いゲイコミックの巨匠です。『日本のゲイ・エロティック・アート』の編者でもあり、一作家にとどまらない活躍を見せています。
新刊の『田舎医者/ポチ』は、『禁断』『童地獄・父子地獄』に続く、ポット出版からの単行本です。前二作と同様、函入り仕様なのですが、今回は表紙に粋な——夏の恋を想像させるちょっとロマンチックな——男絵(トップ画像参照)も描かれ、ずっと手元に置いて大事にしたくなるような一冊です。
肝心の作品はというと、『バディ』誌に発表された作品、お蔵出しの旧作、描き下ろしの作品など、バラエティに富んだラインナップ。
個人的には、表題作の『田舎医者』がとてもよかったです。田亀先生もあとがきで「お気に入り」とおっしゃってますが、従来の作品とはひと味違った、カラリと明るいエロ礼賛な、ある種ユートピア的な世界です(おばあちゃんがヤッてるところを見て「まぁたおつとめ、ご苦労なこって」とあっけらかんと言ったりします)。案外、昔の(江戸時代までの)日本ってこんな感じだったんじゃないかなあ…と想像するのですが、いかがでしょうか? SMモノが苦手な方でも、どなたでも楽しめる作品だと思います。
もちろん、SMやハードテイストが好きな方にも楽しんでいただけるような作品も、収録されています。
他にも、ちょっと内田春菊さんの『南くんの恋人』を思わせるような作品や、近未来SFチックな仕掛けが用意されている作品、また、(田亀作品のトレードマークとも言うべき)ヒゲ野郎とは違うさわやかリーマン系、若いスジ筋系なキャラクターも描かれていて、これまでにないバラエティ感を感じさせます。
たぶん、これまでの田亀作品のイメージ(ヒゲ野郎のハードなSMモノ)がちょっと苦手…という方も、田亀ファンの方も、両方楽しめるような一冊になっていますので、格好の入門書にもなっていると思います。
収録作品
◎田舎医者
◎スタンディング・オベーション
◎傀儡廻(くぐつまわし)
◎ポチ
◎ジゴロ
◎Lover Boy
◎見知らぬ土地で奴隷にされて…
◎43階の情事

作品のプレビューが楽しめる予告編サイトもあります!
田亀源五郎さんはゲイ雑誌『バディ』や『G-men』に『銀の華』『PRIDE』などの傑作ゲイコミックを発表してきた(『G-men』では表紙絵も手がけていました)、海外での評価も非常に高いゲイコミックの巨匠です。『日本のゲイ・エロティック・アート』の編者でもあり、一作家にとどまらない活躍を見せています。
新刊の『田舎医者/ポチ』は、『禁断』『童地獄・父子地獄』に続く、ポット出版からの単行本です。前二作と同様、函入り仕様なのですが、今回は表紙に粋な——夏の恋を想像させるちょっとロマンチックな——男絵(トップ画像参照)も描かれ、ずっと手元に置いて大事にしたくなるような一冊です。
肝心の作品はというと、『バディ』誌に発表された作品、お蔵出しの旧作、描き下ろしの作品など、バラエティに富んだラインナップ。
個人的には、表題作の『田舎医者』がとてもよかったです。田亀先生もあとがきで「お気に入り」とおっしゃってますが、従来の作品とはひと味違った、カラリと明るいエロ礼賛な、ある種ユートピア的な世界です(おばあちゃんがヤッてるところを見て「まぁたおつとめ、ご苦労なこって」とあっけらかんと言ったりします)。案外、昔の(江戸時代までの)日本ってこんな感じだったんじゃないかなあ…と想像するのですが、いかがでしょうか? SMモノが苦手な方でも、どなたでも楽しめる作品だと思います。
もちろん、SMやハードテイストが好きな方にも楽しんでいただけるような作品も、収録されています。
他にも、ちょっと内田春菊さんの『南くんの恋人』を思わせるような作品や、近未来SFチックな仕掛けが用意されている作品、また、(田亀作品のトレードマークとも言うべき)ヒゲ野郎とは違うさわやかリーマン系、若いスジ筋系なキャラクターも描かれていて、これまでにないバラエティ感を感じさせます。
たぶん、これまでの田亀作品のイメージ(ヒゲ野郎のハードなSMモノ)がちょっと苦手…という方も、田亀ファンの方も、両方楽しめるような一冊になっていますので、格好の入門書にもなっていると思います。
収録作品
◎田舎医者
◎スタンディング・オベーション
◎傀儡廻(くぐつまわし)
◎ポチ
◎ジゴロ
◎Lover Boy
◎見知らぬ土地で奴隷にされて…
◎43階の情事

作品のプレビューが楽しめる予告編サイトもあります!
INDEX
- すべての裸は素晴らしい――ブロードウェイミュージカル『フルモンティ』
- セクシーさもありつつ胸が締め付けられるような映画『君の見る世界をなぞる』
- マーティン・シャーマンが『BENT』より前に書いたラブリーなゲイカップルの演劇作品『パッシング・バイ』
- 性的指向とは何か?という根源的な問いに迫る目からウロコな本:『パンセクシュアル宣言』
- CBC「ハートフルワールド」第22話「東京・新宿二丁目編」がなかなかよかったです
- アート展レポート:西村宏堂展「Cells - 細胞 -」
- かつてこんなにゲイゲイしいバレエがあったでしょうか…ベルリン国立バレエ『ヌレエフ』レビュー
- メキシコから届いたハッピーでキラキラなトランス・ドキュメンタリー映画『きっと青春大革命!カルラ8年の記録』
- 涙、涙の真実の物語:映画『シークレット・オブ・ミー』(レインボー・リール東京)
- バンパイアというマイノリティの悲哀と愛をクィアになぞらえて描いた異色作:映画『シレンシオ』(レインボー・リール東京)
- 奇想天外にしてノンジャンルな、まったく新しいクィア(ゲイ)映画『ユースフル・ゴースト』
- マレーシアで奮闘する人たちの姿を追った感動のドキュメンタリー映画『クィア・アズ・パンク』(レインボー・リール東京)
- 最高にパンクでエロティックなBruce LaBruce版『テオレマ』:映画『来訪者』(レインボー・リール東京)
- 恋する男子たちの姿に胸キュン…心に残る名作映画『せき止められた水』(レインボー・リール東京)
- ゲイの警官が主人公のセクシーなクライム・ラブストーリー『ボディ・ブロー』(レインボー・リール東京2026)
- 当事者でなければ作り得ない、トランスジェンダーのリアルに迫った傑作短編映画『トランジット・デイズ』
- アート展レポート:2人展 男たちの昼と夜
- 最高に素敵な国⺠的ドラァグクイーン“パンティ”の生き様を描いたドキュメンタリー映画『クイーン・オブ・アイルランド』
- アート展レポート:Queer Art Exhibition
- 日本のLGBTQの運動史が初めて一冊の本になりました:『LGBTヒストリーブック日本編 平等を求めて声をあげた人々の闘い』







