REVIEW
歌川たいじ『僕は猫好きじゃない』
歌川たいじさんの待望の新刊『僕は猫好きじゃない』が届けられました。「猫が好きじゃない」と宣言する歌川さんが、さまざまな葛藤を経て猫を飼うことに…そこで見えてきたものとは…? 凡百の猫本とは一線を画す、深い感銘を得られる一冊になっています。

歌川さんの待望の新作最新作が届きました。表紙はかわいい子猫の写真(ツレちゃん撮影)。なのですが、冒頭で歌川さんは「猫が好きじゃない」と宣言し、猫愛にあふれる読者の期待を小気味よく裏切ってくれます。凡百の猫本とは一線を画す本になっているのです。
では、どんな内容なのでしょうか?
歌川さんはキレイ好きということもあり、家の中が毛だらけになったり、所構わず「うんちょす」をしたりする猫は我慢ならなかった、絶対に飼いたくはありませんでした。ところが、大の猫好きであるうツレちゃんと「飼わない」「飼いたい」とバチバチ攻防を繰り広げ、また、師匠から「猫を飼ってみるといいよ。猫以外のことが見えてくるから」と言われたりして、結局おうちに茶助ちゃんというかわいいニャンコを迎え入れることになるのです。その過程に、いろんなことが描かれています。猫というのはただの猫じゃない(「家族」のような)存在だということ。猫と人との関係は、家族となんら変わることのない、「絆」とか「愛」と呼ぶほかないものであるということ。人間どうしではなしえなかったことを、猫がいとも簡単に実現してしまったりすること。などなど…
これまで、ゲイのこと(パートナーのこと、友人たちのこと、ゲイコミュニティのことなど)や母親のことを描き、常人にはマネできないくらいのパワーと行動力で苦難を乗り越えてきて、読む者を勇気づけてきた歌川さん。
この最新作「僕は猫好きじゃない」でも、ツレちゃんと築くほのぼのした家庭に加わる新しい「家族」との関係の中にやはりゲイのパートナーシップが描かれていますし、同時に、これまでの作品と同様、人と人(あるいは猫)とのかかわりを通じて、何か大切なことに気づかされ、人として成長したりするのです。
たぶんゲイの世界では、犬や猫が大好きな方、実際に飼っている方も少なくないと思います。
飼い猫を亡くしたゲイの方が泣き叫ぶシーンには、猫好きな方は激しく共感することでしょう。ツレちゃんも、あの悪友・キミツくんも、本当に深い悲しみを表現しています。
気まぐれで、所構わず「うんちょす」して、夜もうるさくて、本当に手間がかかるけど、だからこそ面倒見なきゃと思わせる、愛らしくてかけがえのない、夫夫の絆を強めてくれる(かすがいのような)存在…それはまるで「子ども」のようです。
ゲイカップルが犬を飼ったり猫を飼ったりするのは、世界的に定番だったりしますが(たぶん普遍的なありようなのでしょう)、子どもができないからこそ、というところもあるのでは?と思います。
ほのぼのさせられつつ、それだけじゃないものがある、深い感銘を得られ、癒されもする、そんな一冊になっています。歌川さんにしか描けないような、傑作猫漫画になっています。ぜひ、読んでみてください。
『僕は猫好きじゃない』PV
では、どんな内容なのでしょうか?
歌川さんはキレイ好きということもあり、家の中が毛だらけになったり、所構わず「うんちょす」をしたりする猫は我慢ならなかった、絶対に飼いたくはありませんでした。ところが、大の猫好きであるうツレちゃんと「飼わない」「飼いたい」とバチバチ攻防を繰り広げ、また、師匠から「猫を飼ってみるといいよ。猫以外のことが見えてくるから」と言われたりして、結局おうちに茶助ちゃんというかわいいニャンコを迎え入れることになるのです。その過程に、いろんなことが描かれています。猫というのはただの猫じゃない(「家族」のような)存在だということ。猫と人との関係は、家族となんら変わることのない、「絆」とか「愛」と呼ぶほかないものであるということ。人間どうしではなしえなかったことを、猫がいとも簡単に実現してしまったりすること。などなど…
これまで、ゲイのこと(パートナーのこと、友人たちのこと、ゲイコミュニティのことなど)や母親のことを描き、常人にはマネできないくらいのパワーと行動力で苦難を乗り越えてきて、読む者を勇気づけてきた歌川さん。
この最新作「僕は猫好きじゃない」でも、ツレちゃんと築くほのぼのした家庭に加わる新しい「家族」との関係の中にやはりゲイのパートナーシップが描かれていますし、同時に、これまでの作品と同様、人と人(あるいは猫)とのかかわりを通じて、何か大切なことに気づかされ、人として成長したりするのです。
たぶんゲイの世界では、犬や猫が大好きな方、実際に飼っている方も少なくないと思います。
飼い猫を亡くしたゲイの方が泣き叫ぶシーンには、猫好きな方は激しく共感することでしょう。ツレちゃんも、あの悪友・キミツくんも、本当に深い悲しみを表現しています。
気まぐれで、所構わず「うんちょす」して、夜もうるさくて、本当に手間がかかるけど、だからこそ面倒見なきゃと思わせる、愛らしくてかけがえのない、夫夫の絆を強めてくれる(かすがいのような)存在…それはまるで「子ども」のようです。
ゲイカップルが犬を飼ったり猫を飼ったりするのは、世界的に定番だったりしますが(たぶん普遍的なありようなのでしょう)、子どもができないからこそ、というところもあるのでは?と思います。
ほのぼのさせられつつ、それだけじゃないものがある、深い感銘を得られ、癒されもする、そんな一冊になっています。歌川さんにしか描けないような、傑作猫漫画になっています。ぜひ、読んでみてください。
『僕は猫好きじゃない』PV
INDEX
- トランスジェンダーの歴史とその語られ方について再考を迫るドキュメンタリー映画『アグネスを語ること』(レインボー・リール東京2022)
- 「第三の性」「文化の盗用」そして…1秒たりとも目が離せない映画『フィンランディア』(レインボー・リール東京2022)
- バンドやってる男子高校生たちの胸キュン青春ドラマ『サブライム 初恋の歌』(レインボー・リール東京2022)
- 雄大な自然を背景に、世界と人間、生と死を繊細に描いた『遠地』(レインボー・リール東京2022)
- 父娘の葛藤を描きながらも後味さわやかな、美しくもドラマチックなロードムービー『海に向かうローラ』
- 「絶対に同性愛者と言われへん」時代を孤独に生きてきた大阪・西成の長谷さんの人生を追った感動のドキュメンタリー「93歳のゲイ~厳しい時代を生き抜いて~」
- アジア系ゲイが主役の素晴らしくゲイテイストなラブコメ映画『ファイアー・アイランド』
- ミュージシャンとしてもゲイとしても偉大だったジョージ・マイケルが生前最後に手がけたドキュメンタリー映画『ジョージ・マイケル:フリーダム <アンカット完全版>』
- プライド月間にふさわしい名作! 笑いあり感動ありのドラァグクイーン演劇『リプシンカ』
- ゲイクラブのシーンでまさかの号泣…ゲイのアフガニスタン難民を描いた映画『FLEE フリー』
- 男二人のロマンス“未満”を美味しく描いた田亀さんの読切グルメ漫画『魚と水』
- LGBTQの高校生のリアリティや喜びを描いた記念碑的な名作ドラマ『HEARTSTOPPER ハートストッパー』
- LGBTQユースの実体験をもとに野原くろさんが描き下した胸キュン青春漫画とリアルなエッセイ『トビタテ!LGBTQ+ 6人のハイスクール・ストーリー』
- 台湾での同性婚実現への道のりを詳細に総覧し、日本でも必ず実現できるはずと確信させてくれる唯一無二の名著『台湾同性婚法の誕生: アジアLGBTQ+燈台への歴程』
- 地下鉄で捨てられていた赤ちゃんを見つけ、家族として迎え入れることを決意したゲイカップルの実話を描いた絵本『ぼくらのサブウェイベイビー』
- 永易さんがLGBTQの様々なトピックを網羅的に綴った事典的な本『「LGBT」ヒストリー そうだったのか、現代日本の性的マイノリティー』
- Netflixで今月いっぱい観ることができる貴重なインドのゲイ映画:週末の数日間を描いたロマンチックな恋愛映画『ラ(ブ)』
- トランスジェンダーのリアルを描いた舞台『イッショウガイ』の記録映像が期間限定公開
- 宮沢賢治の保阪嘉内への思いをテーマにしたパフォーマンス公演「OM-2×柴田恵美×bug-depayse『椅子に座る』-Mの心象スケッチ-」
- 絶望の淵に立たされた同性愛者たちを何とか救おうと奮闘する支援者たちの姿に胸が熱くなる映画『チェチェンへようこそ ―ゲイの粛清―』







