REVIEW
映画『イート・ウィズ・ミー』(TILGFF2015)

第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で観た作品のレビューをお届けします。4本目はオープニング作品だった『イート・ウィズ・ミー』です。例年、オープニングを飾るのは、コメディタッチのゲイ映画になっています。今回の『イート・ウィズ・ミー』も、ゲラゲラ笑えるハッピーな作品でした。ちなみにアトランタLGBT映画祭のベストコメディ&最優秀女優賞受賞作品です。




エリオットはハンサムな好青年(イケる人絶対多いと思いました)なのですが、お店もうまくいってないし、彼氏がいるわけでもなく、どこか自暴自棄というか、やさぐれた感があります。しかし、母親が家に来たあと、イアンという素敵な青年(眉毛が極太でややむっちりした体型なので、GMPD好きな方にウケそう)と出会い、初めはつきあいに対して臆病になっていたのでなかなか彼の気持ちを受け入れられないのですが、イアンの誠実さにほだされ、だんだん「幸せになってもいいのかな」というふうに心境が変化していきます。
一方、エマは、息子がゲイであることを知って苦悩するのですが、隣りの部屋に住むダンス・インストラクターのモーリーンと仲良くなり、彼女に相談するようになります。また、エリオットとイアンがベッドで寝ている現場を見てショックを受け、部屋を飛び出して公園でポツンと座っているときに、ジョージ・タケイ(本人)に出会い、ゲイでもいいじゃないかと思えるようになるのです。
そして、エリオットは、母・エマの秘伝のレシピのおかげでお店の危機を回避することができたのでした。大事な家族の絆は変わることなく、しかし、それぞれが心の旅を経て、最終的にちょっとずつハッピーになれるという、素敵なお話でした。
この作品を観た方が口を揃えて言うのは「モーリーン最高!」ということです。
モーリーンはサバサバしてて、いろいろ突飛な行動をしたり、アバウトだったり、本当に面白いキャラクター。いちばん笑ったのはこんなシーンでした。
エマ「(バッグからコンドームを取り出しながら)息子のベッドルームからこんなものが出てきて…心配なのよ」
モーリーン「楽しんでるかどうか?」
エマ「そうじゃなくて」
モーリーン「少なくともセーフではやってたわよね。あなたがコンドームを盗むまでは」
それから、モーリーンの部屋を訪ねたエマが、間違ってエクスタシーを飲んでハイになってしまうシーンも爆笑モノでした(マネしちゃダメ、絶対)
アメリカ映画ではあるのですが(アメリカ大使館が後援についていました)、エマも夫(日系の方でした)もエリオットも中華料理屋の店員さんたちもジョージ・タケイもアジア系なので、まるでアジア映画(香港あたりの)を観ているような感じがしました。美味しい餃子が食べたくなる映画でした(実際、食べました 笑)
オープニングにふさわしい、とても楽しくてハッピーな映画でした!
INDEX
- 恋愛・セックス・結婚についての先入観を取り払い、同性どうしの結婚を祝福するオンライン演劇「スーパーフラットライフ」
- 『ゴッズ・オウン・カントリー』の監督が手がけた女性どうしの愛の物語:映画『アンモナイトの目覚め』
- 笑いと感動と夢と魔法が詰まった奇跡のような本当の話『ホモ漫画家、ストリッパーになる』
- ラグビーの名門校でホモフォビアに立ち向かうゲイの姿を描いた感動作:映画『ぼくたちのチーム』
- 笑いあり涙ありのドラァグクイーン映画の名作が誕生! その名は『ステージ・マザー』
- 好きな人に好きって伝えてもいいんだ、この街で生きていってもいいんだ、と思える勇気をくれる珠玉の名作:野原くろ『キミのセナカ』
- 同性婚実現への思いをイタリアらしいラブコメにした映画『天空の結婚式』
- 女性にトランスした父親と息子の涙と歌:映画『ソレ・ミオ ~ 私の太陽』(マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル)
- 女性差別と果敢に闘ったおばあちゃんと、ホモフォビアと闘ったゲイの僕との交流の記録:映画『マダム』(マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル)
- 小さな村のドラァグクイーンvsノンケのラッパー:映画『ビューティー・ボーイズ』(マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル)
- 世界エイズデーシアター『Rights,Light ライツライト』
- 『逃げ恥』新春SPが素晴らしかった!
- 決して同性愛が許されなかった時代に、激しくひたむきに愛し合った高校生たちの愛しくも切ない恋−−台湾が世界に放つゲイ映画『君の心に刻んだ名前』
- 束の間結ばれ、燃え上がる女性たちの真実の恋を描ききった、美しくも切ないレズビアン映画の傑作『燃ゆる女の肖像』
- 東京レインボープライドの杉山文野さんが苦労だらけの半生を語りつくした本『元女子高生、パパになる』
- ハリウッド・セレブたちがすべてのLGBTQに贈るラブレター 映画『ザ・プロム』
- ゲイが堂々と生きていくことが困難だった時代に天才作家として社交界を席巻した「恐るべき子ども」の素顔…映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』
- ハッピーな気持ちになれるBLドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(チェリまほ)
- 僕らは詩人に恋をする−−繊細で不器用なおっさんが男の子に恋してしまう、切ない純愛映画『詩人の恋』
- 台湾で婚姻平権を求めた3組の同性カップルの姿を映し出した感動のドキュメンタリー『愛で家族に〜同性婚への道のり』
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