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IGLTA総会の開催に合わせ、10/23〜10/27は大阪の街がレインボーに!

10月23日〜26日に大阪でIGLTA総会が開催されるのに合わせ、レインボーフェスタ!や「OPULENCE」などの大イベントも開催され、大阪の街のあちこちにレインボーフラッグが掲げられ、スペシャルなレインボーウィークエンドになりそうです

IGLTA総会の開催に合わせ、10/23〜10/27は大阪の街がレインボーに!

(2021年に大阪観光局が展開した「OPEN ARMS PROJECT」のイメージビジュアルより)



 昨年3月に「IGLTA世界総会2024が大阪で開催決定、アジア初の快挙」とのニュースをお伝えしていましたが、いよいよこの秋、10月23日〜26日にスイスホテル南海大阪でIGLTA総会が開催されます。ここでは、そもそもIGLTA総会とはどういうものなのか、会員以外の方が参加できるイベントがあるのか、この時期に大阪の街がどのように変わるのか、といったことをご紹介いたします。10月26日・27日のレインボーフェスタ!や27日の「OPULENCE」なども含め、歴史的な大阪のレインボーウィークエンドを楽しみましょう!


10/26〜10/27は大阪へ!

 レインボーイベント特集でもお伝えしていたように、今年のレインボーフェスタ!@扇町公園は、下記にお伝えするIGLTA総会の日程に合わせ、10月26日(土)・27日(日)の開催となります。この時期、海外から500名超の方たちが来阪することを受けて、イベント広場の真ん中に、LGBTQツーリズム関連のブースがいくつも軒を連ねるパビリオンができるほか、パレードのイエローフロート(2つ分)がIGLTA総会参加者のみなさんが歩くものになったり、今年のレインボーフェスタ!は今までになく国際色豊かな趣になりそうです。こちらのニュースでもお伝えしたように、愛内里菜さん、はるな愛さん、花*花、オバチャーン、和-IZUMI-(橘いずみ)さん、大西ユカリさん、ラグビーのレッドハリケーンズ大阪のみなさんなども出演する豪華なイベントともなり、今年しか味わえない特別な体験ができそうです。

レインボーフェスタ!
日時:10月26日(土)11:00-17:30、27日(日)10:00-16:30
会場:扇町公園




 26日(土)の夜には堂山の「EXPLOSION」で、「EXPLOSION Happy & Crazy Halloween Party 2024(仮)」が開催されますし、23日頃から総会参加者のみなさんが堂山のゲイバーなどに繰り出すと思われますので(たぶん「EAGLE OSAKA」にもたくさん行かれるんじゃないでしょうか)、この週末は堂山がずいぶん国際色豊かな雰囲気になることでしょう。

 また、27日(日)の夜には、『ル・ポールのドラァグ・レース』シーズン16で台湾人として初めて優勝し、5月に台湾総統府に招かれて蔡英文総統の前でパフォーマンスを行なったニンフィア・ウインドが出演する「OPULENCE」vol.5がZepp Nambaで開催されます。こちらもIGLTA総会参加者のみなさんがたくさん参加すると思われます。

「OPULENCE」vol.5
出演:Jaida Essence Hall、Nymphia Wind、Precious Paula Nicole、Tokyo & Osaka Drag Stars and more…
日時:10月27日(日)19:00-(開場18:00-)
会場:Zepp Namba
チケットのプレセールはこちら


 また、総会の開催を記念して、関西国際空港や南海電鉄、高島屋、なんばの商店街が10月中、レインボーカラーに彩られるそうです。海外では当たり前のことですが、日本ではプライドの時期でもなかなか空港や鉄道会社が動いてくれることはなかったため、スゴいことだと思います。ぜひ、大阪の街が虹色に輝くレインボーウィークエンドを体験してください。 


 
IGLTA総会とは

 IGLTA(国際LGBTQ+旅行協会)は、LGBTQツーリズムの普及を目指して1983年に米国で創設された旅行業団体です。世界80ヵ国にわたって2400を超える旅行会社やホテル、航空会社などが加盟しています。

 IGLTAは毎年、年次総会を開催していて、全世界から会員である旅行会社やホテル、航空会社、国や都市の観光局の方など、LGBTQツーリズム関連の方々が数千人規模で集まり、昼間はIGLTAの活動報告や最新のLGBTQツーリズムに関する調査・研究の発表、各種セミナーや分科会、LGBTQツーリズム関連のブースが並ぶ展示会や商談会、ネットワーキング・ランチなどが開催され、夜にはレセプションパーティやチャリティパーティなども開催されます(ドラァグクイーンが登場したりします)
 このIGLTA年次総会のホストシティは、米国の都市と米国以外の国の都市が交互に選ばれることになっていて、これまでは専ら欧米や豪州の都市で開催されてきました(来年は米パームスプリングス、再来年はスペインのセビリアです)。が、今回、大阪観光局が招致に成功し、初めてアジアで開催されることになったのです。

 大阪観光局は2018年から、OUT JAPAN(株式会社アウト・ジャパン)の協力のもと、海外のLGBTQに向けた特設サイトを設けたり、2021年2月には日本初のLGBTQツーリズムをテーマとしたカンファレンス「LGBTQ Tourism Conference in Osaka」を開催し、同年6月には日本の観光局・DMOとして初めてプライド月間を祝うキャンペーンを、7月には新プロジェクト「OPEN ARMS PROJECT」を展開し、2022年6月にもドラァグクイーンを起用したプライド月間のキャンペーンを実施するなど、IGLTA総会の誘致を意識した多彩な取組みを行なってきました。その5年間にわたる努力が実を結び、見事にアジア初のIGLTA総会誘致が決定したのです。

 会場となるスイスホテル南海大阪は、社内にダイバーシティ&インクルージョン委員会を設置し、全従業員に対してLGBTQ研修を実施したり、大阪観光局のLGBTQ関連の取組みも積極的に支援し、アジアで初めて、厳格な審査をパスしてIGLTA認定ホテルとして承認されたホテルです。

IGLTA総会
日程:10月23日〜26日
会場:スイスホテル南海大阪





IGLTA総会開催の意義

 もともと日本は京都など魅力的な観光地が多く、世界中から多くの観光客が訪れていますが、LGBTQが安心して旅行できるかというと、以前は微妙でした(こちらに記した通りです)
 2015年創業のOUT JAPANは、内外問わずLGBTQの旅行客が気持ちよく旅行を楽しめるよう、観光局やホテルなどに働きかけ、研修を行なったり、街ぐるみでウエルカムな空気を醸成するようなキャンペーンを実現したり、旅行業界がLGBTQフレンドリーに変わっていくお手伝いを地道に行なってきました。が、例えば、ホテルグランヴィア京都が仏式の同性結婚式のプランを作成し、IGLTA総会や海外の旅行博でアナウンスしたことで、国際的に高い評価を得たということもありますし、やはり海外で良いイメージを持ってもらう(日本がLGBTQツーリストも安心して旅行できる国であると認知してもらう)うえでは、IGLTA総会が開催!というインパクトは重要です。実際に世界中から何千人もの旅行関連の方たちが訪れ、大阪(だけでなく京都や奈良、金沢なども行かれるかもしれません。翌週の九州レインボープライドに行かれる方もいらっしゃるそうです)の魅力に触れ、「日本はこんなにLGBTQフレンドリーだったのか」「みんなもっと日本に行くべきだ」と実感していただくことで、彼ら自身がインフルエンサーとなり、これからのLGBTQインバウンドに多大な貢献をしてくれることが期待されます。
 別に富裕層でなくても、欧米のLGBTQの方たちがもっと日本を旅行先に選んでくれるようになるとうれしいですよね。もしかしたらそんな海外からのゲイの方たちと交流が深まるかもしれませんし、二丁目のイベントがもっと盛り上がるかもしれませんし、出会いがあったり、人生が変わることにもなるかもしれません。
 
 日本のLGBTQコミュニティにとっての意義、ということでいうと、世界のどこかの都市で持ち回りで開催される国際的なLGBTQイベントとしてはゲイゲームズワールドプライド、ILGA(国際LGBTI協会)の年次総会、Mr.Gayコンテストなどが知られていますが、日本はいずれのイベントも開催されたことがなく、アジアでは香港や(中止となりましたが)台湾に先を越されてきたなかで、今回、ようやく日本で国際的な(全世界規模の)LGBTQイベントが開催されることになったのは歴史的快挙と言えます。

※ここに挙げた以外にも、LGBTQ関連の国際会議や国際イベントがあるのですが、全世界規模のイベントではなかったり、特定の都市のコミュニティやお店が主催するイベントだったりするため、割愛させていただきました(詳細はこちらの注釈をご覧ください)


 
大阪でのIGLTA総会実現の立役者・小泉伸太郎さんへのインタビュー
 
 最後に、歴史的な快挙であるアジア初のIGLTA総会開催を実現した立役者である小泉伸太郎さんのお話をお届けします。激務の合間を縫ってインタビューをお願いしました。
 LGBTQインバウンドや企業向けコンサルタントを行なうOUT JAPAN(株式会社アウト・ジャパン)の取締役会長である小泉伸太郎さんは、IGLTAのアンバサダーも務めてきましたが、日本でIGLTAに加盟するホテル等が飛躍的に増えたことへの貢献を称えられ、2016年にホテルグランヴィア京都の池内志帆さんとともにアンバサダー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。また、小泉さんは裏磐梯のレインボースキーウィークエンドや海外から来られたLGBTQ旅行客のアテンドを行なうOut Asia Travelの社長でもありますが、2022年1月には世界有数のゲイ雑誌英『Attitude』誌の「Attitude101」(LGBTQの先駆者100人を表彰+PERSON OF THE YEARを1人選出)でTravel部門の1人に選ばれています。

――大阪観光局がアジアで初めてのIGLTA総会の誘致に成功しましたが、何が功を奏したと言えるでしょうか?
小泉:まず、大阪観光局は2018年からIGLTAに加盟し、毎年IGLTA総会にも出席して世界の状況を学ぶとともに、積極的にIGLTAの幹部にアプローチし、大阪の魅力をアピールしてきたということがあります。毎年、大阪の観光施設に対してLGBTQセミナーを複数回行なって受入環境を整備してきたことや、プライド月間のキャンペーンを展開したことなども評価されました。また、IGLTA会員の旅行会社・メディア・インフルエンサーを大阪に招待し、大阪がLGBTQが安心して旅行できる魅力的な街であることを体験してもらい、世界に認知を広めていったことや、総会開催都市の決定権を持つIGLTAのBoard of Director一人一人にロビー活動を行なったこと、開催都市を決めるProposalの場で大阪城が見えるオープンエアなレストランや住吉大社でのパーティなど魅力的な提案ができたことも決め手となりました。

――そうした大阪観光局の取組みは、IGLTAをよく知る小泉さんがアドバイザーとして関わったからこそ、うまくいったわけですよね。
小泉:そうですね。2019年から大阪観光局のLGBTQアドバイザーを務めさせていただき、IGLTAとの橋渡しや調整も行なってきました。でも、何よりも、理事長の溝畑さんをはじめ、大阪観光局の方たちがアジア初の総会開催を実現するんだ!という熱意を持って、いろんなことに取り組んでくださったことの賜物です。

――ちなみに、いつもスポーツの日の連休に開催されていたレインボーフェスタ!の開催時期が10月最終週になったわけですが、それはIGLTA総会の日程が10月23日〜26日になったことと関係があるのでしょうか?  
小泉:大阪のIGLTA総会の日程は、アメリカの大型連休ならびに各国で開催されるイベントとかぶらないようにということで、10月23日〜26日に設定されました。私たちは毎年レインボーフェスタ!に参加してきましたし、ぜひ連携してレインボーフェスタ!を盛り上げたいし、海外から来られるみなさんにもレインボーフェスタ!を体験していただきたいと思い、実行委員会の方々に1年前からその旨を伝え、調整をしていただきました。

――なるほど、そういうことだったんですね。総会自体は関係者とメディアしか入れませんが、一般の方が参加できるイベントはあるのでしょうか?
小泉:総会は、有料になってしまいますが、参加費をお支払いいただければ、どなたでもご参加できます(※こちらから登録できます。日本の企業・団体はIGLTA Non-Memberの追加料金500USドルが免除されます)。一般に開かれたイベントというのは特にないのですが、レインボーフェスタ!や「OPULENCE」が、海外から来られた総会参加者のみなさんと日本のLGBTQコミュニティのみなさんが交流できる場になると思います。

――わかりました。総会開催に向けた意気込みをお聞かせください。
小泉:IGLTA総会の歴史上、アジアでの開催は初めてということで、今まで開催された40回の総会に引けを取らないような商談会・セミナー設備を整え、同時通訳を入れるなど、どなたでもLGBTQツーリズムを学び、またビジネスにつなげられるような環境を用意しています。また、毎日開催するネットワーキングパーティは、国際的で、なおかつ日本の魅力を打ち出したものになるよう計画しています。海外から来られたみなさんが参加して本当によかったと思うような総会を開催し、今後、日本にたくさんのLGBTQのお客様が来られる一助になればと思っています。
 
――素敵です。最後に、ゲイコミュニティのみなさんに伝えたいメッセージがあればお願いします。
小泉:IGLTA総会の開催時期には、500人以上のLGBTQの方々が大阪をはじめ日本各地を旅します。街中やホテル、レストランはもちろんのこと、レインボーフェスタ!やゲイバー、レズビアンバーでもお会いする機会があると思います。総会に合わせて関西国際空港、南海電鉄、高島屋、なんばの商店街が10月、レインボーカラーに染まります。歴史的なこのイベントを皆様にも肌で感じていただければ幸いです。

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