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沖縄のラグジュアリーでLGBTQフレンドリーなリゾートホテルで一生の思い出を… 「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」「アクアセンス ホテル&リゾート」
沖縄県恩納村にある「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」「アクアセンス ホテル&リゾート」をご紹介。心から幸せな気持ちになれるラグジュアリーでLGBTQフレンドリーなリゾートホテルです
ピンクドット沖縄が2017年、砂川秀樹さんから地元のアライの方に引き継がれたとき、ホテルパームロイヤルNAHAの高倉さんとともに中心的に運営に携わっていたのが、カフーリゾートの荒井さんでした。いつもピンクドット沖縄に参加する際は(私だけでなく多くの方が)ホテルパームロイヤルNAHAに宿泊していたと思いますが、恩納村にあるカフーリゾートにまで足を延ばす方はあまりいらっしゃらなかったと思います。今回は、荒井さんに敬意を表し、感謝の気持ちも込めて、カフーリゾート(およびアクアセンス ホテル&リゾート)を取材し、レポートさせていただきました。ラグジュアリーホテルながらフレンドリーで、沖縄らしい温かさやホスピタリティが感じられ、心から幸せで満ち足りた気持ちを味わえるような、素晴らしいホテルでした。ぜひみなさんも泊まってみてください。
(取材・文:後藤純一)
総支配人は「アライの荒井さん」
ピンクドット沖縄やLGBTQツーリズム業界では「アライの荒井さん」として知られる荒井達也さん。長野県生まれで、中村キース・ヘリング美術館を有する小淵沢アートヴィレッジの代表取締役を務めていた際、キース・ヘリングを通じてゲイに対する理解を深め、サポーティブな気持ちを持つようになりました。2015年に沖縄へ移り、2016年1月から2019年9月までカフーリゾート(正式名称はカフー リゾート フチャク コンド・ホテル)の総支配人を務めました。カフーリゾートでは2015年からLGBTQに関する取組みを始め、同性結婚式のプランも実現してきました(ラグジュアリーなリゾートホテルとしては初めてじゃないでしょうか)。また、2017年からは、パームロイヤルNAHAの高倉さんらとともにピンクドット沖縄の運営に携わるようになりました。同年10月には(沖縄県の企業では3例目の)PRIDE指標ゴールド認定を受け、work with Prideで表彰されています。また、同年、ホテルズドットコムの「ユーザーが選ぶベストホテル アワード Best for LGBT」にも選ばれています。
カフーリゾートは地元でもLGBTQフレンドリー企業として名を馳せ、たくさんの当事者の方が求職に訪れているそうです。荒井さんは「面接のときにまるでチャームポイントであるかのように「ぼくはゲイなんです」って言ってくれるんです。(LGBTQフレンドリーな職場だと認知され、安心してカミングアウトしてくれることが)うれしいですよね」と、人懐っこい笑顔で語ります。
こちらのインタビューでも「従業員を幸せにするホテルを目指します」と語られているように、荒井さんは人種や民族、性別、SOGIなどにかかわらず、従業員の方一人ひとりを大切にして、幸福度の高い、よりよい職場になるよう務めてきました。ゲイの世界で「理想の上司」人気投票があったら1位に選ばれるんじゃないかと思うような、本当に懐の深い、愛情あふれる、魅力的な方です(詳しくは言えないのですが、なんて優しいんだろう…と感動してしまうような話も聞いています)
荒井さんは今回のピンクドットではカフーリゾートとして協賛し、ジェンダーにかかわらず誰でも挙げられる結婚式のプランをアピールしていました。現在は、昨年オープンしたアクアセンス ホテル&リゾートの総支配人も兼任しています。そんな荒井さんの人柄が反映された2つの素晴らしいホテルを今回、取材させていただきました。LGBTQフレンドリーホテルであることはもちろん、リゾートホテルとしていかに魅力的かというところをお伝えしたいと思います。
ラグジュアリーでフレンドリーな理想のホテル:カフー リゾート フチャク コンド・ホテル
カフーリゾートは2009年に開業した恩納村冨着(おんなそんふちゃく)に建つリゾートホテルです。恩納村にはビーチに沿ってラグジュアリーなリゾートホテルがいくつも建っていますが、カフーリゾートもその中の一つで、空港から出るリムジンバスの行き先にもなっているようなメジャーなホテルです。「カフー」とは沖縄の方言で「果報」=「幸せ」「良い知らせ」を意味する言葉なんだそう。その名の通り(ジェンダーやセクシュアリティにかかわらず)幸せなホテルステイが体験できます。
2016年にアネックス棟ができ、現在はホテル棟、コンドミニアム棟、アネックス棟という3つの棟から成っています。
カフーリゾートではもともと多様な人種・民族の方が働いていますし、2016年には沖縄県内のホテルで初めて盲導犬を連れた視覚障がい者の団体客を受け入れるなど、ダイバーシティ&インクルージョンに力を入れています(エレベーターのボタンのところに点字の案内もありました)。LGBTQへの取組みも2015年から進め、いち早く同性結婚式のプランを手がけました。トランスジェンダーの方も利用しやすい多目的トイレも設置しています。LGBTQの従業員の方も安心して生き生きと働けるホテルです。
以下、カフーリゾートのレポートです。
フロントではレインボーカラーのシーサーがお出迎え。そして、館内のあちこちにレインボーカラーのサンタさんの折り紙が飾られていました(荒井さんが指示したのではなく、スタッフの方が自主的に作って飾っているんだそう。素晴らしいですね)
アジアンテイストなエントランスには、ゆったり寝そべることもできそうなソファがたくさん置かれていて、それだけでも素敵だなぁと思ったのですが、なんと、中二階の踊り場のような場所で、バイオリンの生演奏が行なわれていて(クリスマスソングでした)なんてラグジュアリー!と感じ入りました。
ホテル棟2Fの屋外プール。プールサイドも沖縄らしさがあふれるおしゃれ仕様で「よき」なのですが、何より、東シナ海の雄大な海と青い空を眺めながらゆったり過ごせるのが本当に素敵です。夕暮れ時の美しさには息を呑みました。
プールサイドからビーチまで降りて行けるのですが、その道も、ガジュマルなど沖縄の木々が植えられていて、まるで植物園のような趣です。ベンチなども置かれていて休むことができるようになっています。
ビーチに降りると、水着で波打ち際を歩いている方もいました(この日は最高気温27度。12月でも十分リゾート気分を味わえます)。私は気づかなかったのですが、ビーチハウスがあり、ドリンクもいただけるそうです。
Wine&Dining The Orange(ザ オレンジ)というレストランでは、オレンジを基調とした店内で海を眺めながら食事をお楽しみいただけます。
アネックス棟の12階には、最上階ならではの開放感を満喫できるインフィニティプールが設置されています。夜でも眺めが抜群です。
同じ12階にはバーベキュースタイルの焼肉レストラン「琉球BBQ Blue」があります。こちらで夕食をいただいたのですが、沖縄の食材をふんだんに使ったコース料理は絶品で、お腹も満たされましたし、心も幸せになりました。
ほかにも、離れのような建物に昨年オープンした、三線のライブも聴けたりする居酒屋風の「沖縄炭火料理店 うむさんの庭」もあります。お酒の種類も豊富です。
ホテル棟2階にある「Deli&Cafe」では、カレーやタコライスやローストビーフなどをテイクアウトしてお部屋で召し上がっていただくこともできます。本物の砂を敷き詰めたおしゃれなバーもあります。
お部屋は(ハワイやグアムのようなイメージで)外廊下になっています。平均70平米のゆとりある客室は全室オーシャンビュー。キッチンがあるのもいいですよね。
ジムやスパ、コインランドリーもあって、どの棟に泊まっている方もご利用いただけます(やっぱりラグジュアリーホテルにはジムがあってほしいですよね)
コンドミニアム棟、アネックス棟は建物が別で、それぞれのエントランスでチェックインするかたちになっています。特色があって楽しいです。
アネックス棟のお部屋です。やはりキッチンもついていて快適に過ごせますし、バスルームから外を眺めることができるのが素敵です。
ラグジュアリーでありながら気取ったり堅苦しかったりということもなく、温かさやホスピタリティ、沖縄らしさにこだわった最上級のおもてなしが受けられる、理想的なホテルです。違った趣の棟が3つあるので、それぞれに泊まってみたいと思う方も多いはず。
ハネムーンにぜひ利用したいホテル:アクアセンス ホテル&リゾート
アクアセンス ホテル&リゾート(以下「アクアセンスホテル」)は昨年4月、カフーリゾートの隣にオープンし、同じKPG HOTEL&RESORTという会社(その社長の田中正男さんがピンクドットの副代表です。いつも最後に元気に挨拶している方です)が運営しているものの、カフーリゾートとは異なるブランドとして展開しているホテルです。
今回はこちらのアクアセンスホテルに宿泊させていただきました。
AQUAと沖縄の自然をテーマとしたアクアセンスホテルは、全室オーシャンビューで、バルコニーでジェットバスに入れるという、素敵な体験ができるホテルです。東シナ海を一望できるバルコニーでサンセットを眺め、二人でジェットバスに入りながらシャンパンをいただいたりしたら、一生忘れられない体験になること間違いなしです。様々なかたちの(上から見ると棚田のようになっている)プールがアレンジされた屋外のアクアテラスや、カフーリゾートと共通のプライベートビーチ、リキュールなども用意されたウエルカムドリンクバー、違った香りを楽しめるバスソルトなど、至れり尽くせりのサービスが特長です。お子さんが走り回ったりしていない大人向けホテルでもあるので、カップルで親密な時間を過ごしたいお二人にはとてもよいと思います。
フロントでは、沖縄の海や自然をイメージしたデザインの衣装を着たスタッフの方がお出迎えしてくれます(カフーリゾートもそうですが、スタッフの方がみなさんとても感じがよくて、生き生きしていらっしゃる印象です)
ウエルカムドリンクのコーナーでは、本当にいろんな種類のコーヒーやお茶が用意されていて、しかも、(さすが大人向けホテルという感じなのですが)いろんな種類のリキュールも置かれていて、コーヒーやお茶にちょい足しして味変を楽しむことができます。そうして作ったコーヒーやお茶を持って、テラスでゆったりくつろぎながら飲むこともできます。
バスソルトコーナーもあります。お部屋にあらかじめ用意されたバスソルトを使い終わったら(すごくいい香りが立ち込めています)、こちらから替えのバスソルトを持って行って使うことができます。どれもいい香りでした。
各フロアにテーマカラーのようなデザインが施されています。上の階はグリーン系、下の階は赤系で、なんとなくレインボーカラーになっていました。
お部屋は完全にラグジュアリー仕様で、本当に広々していますし、キングサイズのベッドとソファもゆったり。ガウンもあります。そして、バルコニーです。ジェットバスをはさんで屋内に浴室もあり(なので、万が一台風などで外に出られない場合でも、外を見ながらお風呂に入ることができます)、バスソルトはどちらでも使えます。
冷蔵庫にウエルカムドリンクのオリオンビールとさんぴん茶が用意されているので(シャンパングラスも)、お風呂に入りながら楽しむこともできます。
テラスでは、様々なかたちのプールがあって、4月〜10月はプールに入れますし、そうでなくても、プールを眺めながら、ドリンクを飲みながらくつろぐことができます。この季節は(たまたま行ったときは工事中だったのですが)クリスマスのイルミネーションも点灯されるそうです。
AQUA POOL SUITEというプール付きのお部屋を見せてもらいました。
お部屋の中にあるけど屋外(露天?)のプールで、ここでパーティやったら最高!と思いました(最大4人泊まれるそうです。音楽かけたりお酒飲んだりもOKだそう)。こちらでご紹介したお部屋よりもさらに広いHORIZON POOL SUITEというお部屋もあるそうです。
チェックインカウンターの横にあるショップでは、琉球ガラスやお土産品はもちろんのこと、オリオンビールやスナック、ブルーシールのアイスなども売られていますし、ホールケーキまであります(お部屋でのお誕生日パーティもバッチリです)
朝食は、琉球食材と中国料理を融合させた新たなジャンルのレストラン「RYUKYU CHINESE Bon Fire」でいただきました。沖縄の食文化と多種多様な中国料理の調理方法を融合させ、新たなジャンルで再構築した「琉球チャイニーズ」というお料理だそう。中国粥と種類豊富な飲茶をメインに、多彩な冷菜や温菜も楽しめました。本当に種類が多いので、ちょっとずつ取ったのですが、それでもお腹いっぱいになって食べきれないくらいでした。
もし彼氏さんとの初めての旅行や、つきあって何周年の記念とか、ハネムーンのような感じで沖縄に旅行に行くことになったとき、このアクアセンスホテルなら間違いない、と思いました。お部屋も本当に広くてラグジュアリーだし、ガウンとかもあるし、昼間はビーチやプールを楽しんで、夕暮れ時には、あのベランダで二人きりで東シナ海に沈む夕陽を眺め、美味しいディナーをいただいたあとはジャグジーで彼氏とラブラブな時間を…本当に楽しいし、幸せだろうな、最高の時間を過ごせるだろうな、と思いました。
もちろん、ダイビングなどのアクティビティを楽しみたい方にとっても絶好のロケーションですし、そうでなくても、沖縄らしい一生の思い出に残るような幸せな時間を過ごしたい方に全力でオススメしたいホテルです。いわゆるラグジュアリーホテルでありながら(昨今の高騰している東京や大阪のホテルに比べれば)良心的なお値段で、しかもオフシーズンはかなりリーズナブルです(個人的には「うりずん」と呼ばれる4月がベストじゃないかと思います。暑すぎず、天気がよければ海で泳げますし、台風も来ません)。ぜひ一度は泊まってみてください。
ホテルへのアクセス
どちらのホテルも沖縄本島中部の恩納村にあります。(ちなみに恩納村も職員向けにLGBTQ研修を行なっていて、理解のある自治体です)
恩納村、遠いよね…というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、美ら海水族館とかに比べたら全然近いですよ。思ったより早く着きます。
レンタカーを借りて車で行かれる方は、高速道路を使えば空港から1時間足らずで行くことができます。58号線の一般道から(北谷などに立ち寄りながら)行かれる場合も90分くらいで到着します。
車がない方も、空港または那覇バスターミナルからリムジンバスで1時間くらいで行くことができます。1日6便です(詳細・予約はこちら)。バスはカフーリゾートの正面玄関前に停まるのですが、そこから徒歩1分くらいでアクアセンスホテルに行けます(ホテルのスタッフの方に場所を聞くと案内していただけます)
ピンクドット沖縄に参加するみなさんは、特にレンタカーを借りず、ゆいレールで国際通りに行って、パームロイヤルNAHAに泊まって、という方も多いと思うのですが、例えばその時期に1日有給を取って、金曜日に空港からカフーリゾート(アクアセンス)に向かい、ビーチを散策したり、素敵なお部屋や雄大な景色やスイートな時間を満喫し、土曜日に那覇に移動して夜は桜坂で飲んで、日曜はピンクドットに参加して夜に帰るとか、逆に土日でパームロイヤルNAHAに泊まって、ピンクドットに参加した後、リムジンバスの最終便(那覇バスターミナルを18時半に出発)に乗ってカフーリゾートに向かい、ラグジュアリーなお部屋や至れり尽くせりなおもてなしを満喫し、翌日ゆっくり帰る、というのも素敵だと思います。
ピンクドット以外でも、「LEGEND」などのゲイナイトやレスペランザさん主催のイベント、6月末や7月頭のビーチパーティ、9月のお店系のビーチパーティ、テニスやバレーの大会などで県外から沖縄に行かれる方、とても多いと思うのですが、ぜひ一度はスケジュールにプラス1日して幸せなホテルライフを体験してみてください。
INDEX
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- ゲイ旅コラム:沖縄・那覇
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- ゲイ旅コラム:WORLD PRIDE NYC(8)ニューヨークの旅を振り返って
- ゲイ旅コラム:WORLD PRIDE NYC(7)ホイットニー美術館、グッゲンハイム美術館、ブロードウェイミュージカル『プロム』
- ゲイ旅コラム:WORLD PRIDE NYC(6)プライドマーチ
- ゲイ旅コラム:WORLD PRIDE NYC(5)タイムズスクエア、サンセットクルーズ、クラブパーティ
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- ゲイ旅コラム:WORLD PRIDE NYC(3)「CAMP」展とNYCGMC
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