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ゲイ旅コラム:知られざるゲイの聖地・シカゴ(2)遊ぶにも住むにも最適なゲイタウン
ニューヨークやサンフランシスコに比べるとあまり印象がないかもしれませんが、実はシカゴってスゴいんです。今回のゲイ旅コラムは、知られざるゲイの聖地とも言うべきシカゴの魅力を、お伝えいたします。(2)はゲイタウンやゲイシーンの魅力をレポートします。
8月11日(土)12日(日)にシカゴのゲイタウンで開催されたストリートフェス「NORTHALSTED MARKET DAYS」をはじめ、HOUSEミュージックの聖地であり、レザーカルチャーの聖地でもあるシカゴのゲイシーンや観光情報をレポートします。第2回は、賑やかで華やかなゲイタウンだったり、暮らしたら本当に良さそうと思えるゲイタウン、ゲイシーンのいろいろをご紹介します。(後藤純一)
シカゴのゲイシーン
シカゴ市観光局のサイトにもかなり詳しく紹介されていますが、シカゴにはいくつものゲイバーフッド(ゲイコミュニティ、ゲイエリア)があります。今回、駆け足ではありますが、3つのエリアを訪れる機会がありました。それぞれ特徴があって面白いです。
ゲイタウンはいずれもLOOPと呼ばれる市内中心部から見てだいぶ北寄り(ボーイズタウンで6kmほど、ロジャースパークだと10km超)に位置していますので、もし、これらのゲイタウンで遊ぶことをメインに考えるなら、ボーイズタウン近辺に宿をとったほうがいいです。もしLOOPのホテルに宿泊するとしても(一般的な観光はそちらのほうが断然、便利です)、CTAと呼ばれる電車が24時間走ってますので、夜中でも(電車の中でタバコ吸いはじめる人がいたり、やや緊張感はあるものの)CTAでホテルに戻ることも可能です。電車だと、ボーイズタウンはBelmont駅(駅前も明るいし、North Halsted通りから近いです)、アンダーソンヴィルはBerwyn駅、ロジャースパークはLoyora駅が最寄りになります。いずれも駅まで200〜300mは歩きます。夜中に一人で暗い道を歩くのが不安…という方は、UBERを使ったほうがいいでしょう(市内北側はそんなに治安が悪いわけではないので、大丈夫だと思いますが)
それから、シカゴのバーは2種類の営業ライセンスに分かれていて、午前2時までのお店と午前4時までのお店があり、ゲイバーもしかりです。せっかく行ったのに、入ったらすぐ閉店…ということになるともったいないので、気をつけましょう(飲みに出るならお早めに)。バーにしてもバスハウスにしても入る際にパスポートの提示を求められますので、持って出てください(もちろん、無くさないようにご注意ください)
というわけで、ゲイシーンをエリア別に簡単にご紹介いたします。
Boys Town(ボーイズタウン)
Boys Town(ボーイズタウン)はアメリカで唯一の公認ゲイビレッジであり、最も長い歴史を持つゲイタウンです。2014年『アウトトラベラー』誌の「世界最高のゲイエリア」にも選ばれています。
ゲイバーやレストラン、バスハウス、ショップ(洋服だったり、レザー系だったり)などが建ち並び、通りに人があふれ、結構ビカビカしたネオンとか看板もあって、いまどきなかなかお目にかかれないような、絵に描いたようなゲイタウンになっています。レインボーカラーのモニュメントもところどころに立ってたりします。このモニュメントについて解説すると、ハリウッドのウォーク・オブ・フェームのように、LGBTQ+コミュニティにおける重要人物を称える「レガシーウォーク」になっていて、ハーヴェイ・ミルクなど、いろんな人の功績を記した盾が掲示されているんだそうです。現在、35個あるそうですが、少しずつ増え続けているそうです。
6月のプライドシーズンにはパレードとの連動で「PRIDE FEST」というストリートフェスを開催し(今年はゲストとしてベリンダ・カーライルやマイアを呼んだそうです)、8月のサマーシーズンには大規模なストリートフェス「NORTHALSTED MARKET DAYS」を開催しています。
この「MARKET DAYS」の前夜、初めてボーイズタウンに行ってみたのですが、いちばん人気の「Sidetrack」というゲイバーに入るのに100人くらいの行列ができていて、スゴい!と思いました。レザーとかを売ってるショップにすら、入場待ちの行列ができてました。
実に活気があって、賑やかで華やかな街です。
Sidetrack
3349 N Halsted St, Chicago, IL 60657
シカゴを代表するゲイバーで、LGBTのTV局「LOGO」が企画した「世界一のゲイバー」コンテストの決勝まで残ったお店です。ステージでドラァグクイーンがショーをしたり、いろんな映像が流れていたり、屋外のテラスがあったり、お楽しみ要素が盛りだくさんで、大人気です。
Progress Bar
3359 N Halsted St, Chicago, IL 60657
「Sidetrack」の隣りにあるゲイバーです。内装もオシャレですし、DJが入っているけど騒がしすぎず、ちょうどいいテンションで過ごせるお店です。お店の外壁がガラス張りになっているのですが、スツールに座ってガラス越しに道行くゲイたちをウォッチングしたりするだけでも楽しいです。
Beatnix
3400 N Halsted St, Chicago, IL 60657
ボーイズタウンのど真ん中にあるショップで、ドラァグクイーン御用達のウィッグやヒールのほか、日本では手に入らないようなカラフルで楽しいコスチューム、レインボーグッズなどが売られています。見てるだけで楽しいですし、掘り出し物があるかもしれません。
Steamworks Baths Chicago
3246 N Halsted St, Chicago, IL 60657
シカゴ唯一のバスハウス。サウナ自体は申し訳程度の設備で、ジャグジーなどもありませんが、その代わり広々としたジムがあります。DJブースがあって、そこでかけてる音楽が館内を盛り上げるようになってるのが素晴らしいです(必ずしもTECH HOUSEとかじゃない、わりとゴキゲンな感じのHOUSEだったり)。アメリカだとアジア人は全然相手にされないイメージがあるかもしれませんが、そんなことないと思います。実力と運次第です。
Andersonville(アンダーソンヴィル)
メインの大通りであるClark Streetに沿ってゲイバーやレストラン、ショップ、本屋、花屋などが並びますが(どの店も本当にオシャレで素敵です)、ちょっと横を見るとそこはもう閑静な住宅街です。イカニモなゲイの方もたくさん歩いてるのですが、子育てをしているカップルだったり、レズビアン、トランスジェンダーの方なども多く、LGBT的に理想的な、本当に暮らしやすそうなゲイバーフッドです。お互いに支え合うようなコミュニティができあがっているそうです。
ちなみにアンダーソンヴィルでも「MIDSOMMARFEST」というストリートフェスを毎年開催しています。ボーイズタウンの「MARKET DAYS」に比べると小規模でローカルですが、有名な「SECOND CITY」のキャストが来たり、いくつものステージでたくさんの出演者によるライブパフォーマンスが行われます。6月初旬なので、季節的にも過ごしやすくて良さそうです。
Full Kit Gear Chicago
5021 N Clark St, Chicago, IL 60640
レザーやジョックストラップなどゲイゲイしいファッションに特化したセレクトショップ「Full Kit Gear」。プロヴィンスタウンとシカゴに店舗を構えており、こちらがシカゴのお店になります。CELLBLOCKやNASTYPIGなど、日本では入手困難なブランドの商品がズラリと並んでいます。
WOMEN AND CHILDREN FIRST
5233 N. Clark St, Chicago, IL 60640
この街のシンボルともなっている本屋さんです。「女性とお子さんファースト」というスゴい店名ですが(レズビアンの方が経営しています)、もちろん誰でも利用できます。『OUT』などの雑誌やLGBT関連の書籍、写真集、ポストカードなんかも見てて楽しいですし、涼んだり、トイレに行ったり、時間をつぶしたりできます。
Rogers Park(ロジャースパーク)
アンダーソンヴィルからさらに北に行ったところのエリアです。ここには、Touche、Jackhammerというレザー系のバー、LEATHER64TEN というショップ、そしてレザー博物館があり、レザーマンが暮らしていたり集ったりするゲイバーフッドになっています。アンダーソンヴィルと同様、Clark Streetにはお店がありますが、大通りから一歩入ると閑静な住宅街です。
Leather Archives and Museum(LA&M)
6418 N Greenview Ave, Chicago, IL 60626
レザー(BDSM)コミュニティに関する文化遺産を初めて正式にアーカイブした博物館。ユニフォームが展示されている1Fの小さな部屋のほか、地下に結構広い面積の展示室があり、アート作品や映像が展示されていたり、イベントルームなどもあり、本格的な施設です。ゲイだけでなくトランスジェンダーのレザーコミュニティがあることや、デフの方たちのレザーマンコンテストがあることなども初めて知って、とても興味深かったです。
Hollywood Beach(ゲイビーチ)
Kathy Osterman BeachまたはHollywood Beachというミシガン湖畔のゲイビーチがあります。桟橋のいちばん奥にレインボーカラーをあしらったモニュメント(灯台?)があるのが素敵です。その桟橋に近い側に、たくさんのゲイの人たちが集まって日光浴を楽しんだり、泳いだり、イチャコラしたり、キャッキャはしゃいだりしています。
ビーチの入り口に売店とトイレ、シャワーがあります。
レッドラインのブリンマー駅から歩いて5分くらいのところです。売店は最低限の飲み物(コーラとか)しかないので、駅前のセブンイレブンで買い物してから行くとよいと思います。
Kathy Osterman Beach
Uptown, W Hollywood Ave & Lake Shore Drive
ゲイナイト
シカゴの現在のクラブ事情がどうなのか、とてもじゃないけど語れないのですが、市内でいちばんいいクラブはシカゴハウスのスピリットを継承する「smartbar」だ、と書かれた記事をどこかで読みました。
ゲイクラブはどうかというと、基本的にボーイズタウンのゲイバーはDJがいて、クラブやラウンジになっていますし、バスハウスですらDJが入っていますし、「MARKET DAYS」にもクラブゾーンがありましたし(DJの大トリはTom Stephanですからね)、あちこちで楽しめます。が、やはりこの「MARKET DAYS」のシーズンは特別に、大きなゲイナイトが開催されています。今回は残念ながら行けなかったのですが、こんなのがありましたよ、ということで、ご紹介しておきます。
ALEGRIA CHICAGO MARKET DAYS 2018
ゲイパーティの伝説のプロデューサー、Ric Senaが手がけるALEGRIAが「MARKET DAYS」に合わせてシカゴで開催! 映像を観ると、なんかスゴい…超ド派手なパーティみたい。これは行きたかった… (下は、別の場所で過去に行われたALEGRIAの映像です)
BEARRACUDA
サンフランシスコ発の、アメリカ最大規模のベア・パーティが、シカゴに上陸。700人規模で盛り上がったようです。会場はレザー地区(Rogers Park)の「Jackhammer」。1階がフロア、地下がクルージングエリアだったようです。行きたかった… (下は、別の場所で過去に行われたBEARRACUDAの映像です)
これら以外にも、例えば、ボーイズタウンのRoscoe'sというゲイバーでは、ルポールのドラァグレースのキャストが大勢やって来るイベント、グラミー賞にもノミネートされた、シカゴが生んだスーパースターDJ、Rosabelをフィーチャーしたパーティ、Tom Stephanをフィーチャーしたパーティ、その他、SKINとか、Furballなどなど…11日(土)だけでこれだけのパーティがありました(スゴい…)。12日(日)にも、オフィシャルのクロージングパーティや上記のALEGRIAなど、いくつかのパーティが開催されていました。
とにかく8月の「MARKET DAYS」シーズンは(例えば10月末はみんな台北に集合!みたいな感じで)全米+海外からもシカゴにわんさか集まってきますので、この時期はあちこちでいろんなクラブパーティが盛り上がるのです。来年以降も、ラインナップは変わるかもしれませんが、だいたいこんな感じだと思われます。
Hamburger Mary's(ドラァグクイーンのいるレストラン)
フランク・ロイド・ライトの建築群があって一大観光地となっているOak Park(オークパーク)に、ドラァグクイーンのショーが楽しめるレストランがあります。日本で言うショーパブのような感じで、お客(ノンケさんを想定してると思います)にグイグイからんでくるような盛り上げ方です。下ネタがバンバン飛び出して(例えば、マイクテストで「test,test」と言うところを「testicle, testicle(キンタマ)」と言ったりして)、笑わせてくれます。
CTAグリーンラインのOak Park駅から歩いてすぐの場所です。平日はディナータイムのみ、週末はランチタイムから営業しています。公式サイトから予約を入れたほうがよいです。
Hamburger Mary's Oak Park
155 S Oak Park Ave, Oak Park, IL 60302-2901
GAY EVENT CALENDAR
シカゴで開催される主要なLGBTイベントの年間スケジュールをお伝えします。旅行のプランニングにお役立てください。
◎5月
INTERNATIONAL MR.LEATHER
「ゲイのレザーマン版のミスユニバース」的なコンテストをはじめ、交流会やレザーの即売会、クラブパーティなどの催しが数日にわたって行われる、レザーコミュニティの重要なイベントです。来年は5月23日〜27日に開催されます。
◎6月(プライドシーズン)
MIDSOMMARFEST
第2のゲイタウン、アンダーソンヴィルのストリートフェスです。来年は6月7日〜9日に開催されます。
CHICAGO PRIDE FEST
プライドシーズンに、パレードとは別に、ボーイズタウンでストリート・フェスを開催します。来年は6月22日〜23日です。
CHICAGO PRIDE PARADE
シカゴのプライドパレードです。今年は6月24日でしたが、来年はたぶん6月30日(日)になることでしょう。
※これら以外にも、プライドシーズンにはダイクマーチ、PROUD TO RUN(マラソンイベント)など、様々な催しがあります。
◎8月
NORTHALSTED MARKET DAYS
今年のレポートはこちら
来年は8月10日〜11日です。
◎9月
REELING: THE CHICAGO LGBTQ+ INTERNATIONAL FILM FESTIVAL
LGBTの映画祭です。今年は9月20日〜27日に開催されます。
◎10月
NORTHALSTED HALLOWEEN ON HALSTED PARADE
公式サイトが見当たらなくて詳細不明なのですが、NORTHALSTEDストリートでハロウィンのパレードが行われるようです。LGBT限定ではないでしょうが(LAがそうであるように)ゲイ濃度高めだと予想されます。10月31日です。
★シカゴのゲイタウンのフォトアルバムはこちら
協力:シカゴ観光局
INDEX
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SCHEDULE
- 10.05ふくしまレインボーマーチ
- 10.05BEAR-TRAIN
- 10.05第2回東京SPAMナイト
- 10.06ぐんまレインボープライドパレード
- 10.06岡山レインボーフェスタ2024