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ゲイ旅コラム:WORLD PRIDE NYC(4)the MET、Central Park、A Very Naked Musical
ストーンウォール50周年(WORLD PRIDE)の記念すべきニューヨーク・プライドを体験する旅。4日目(6/28金曜)は、メトロポリタン美術館(2回目)、セントラル・パーク、そして、オフブロードウェイの裸のミュージカルを堪能しました。
ストーンウォール50周年を記念して初めてワールド・プライド(世界的なLGBTの祭典)として開催されたニューヨーク・プライド。この機会を逃すときっと後悔する、行くなら今だ!という思いで、半年以上前から準備をして、約1週間ほどニューヨークに行って来ました。4日目(6/28金曜)は、メトロポリタン美術館(2回目)、セントラル・パーク、そして、オフブロードウェイの裸のミュージカルを堪能したお話です。(後藤純一)
メトロポリタン美術館を再びじっくりと
履きなれない靴で歩いたせいで、足にマメができてしまって痛かったのですが、幸い、予備の古いスニーカーを持って来ていたので、足の裏に絆創膏とガーゼを貼るという応急処置をして、出かけることにしました。
前日、行くのが遅くなったせいで半分も観れていなかったのと、うっかりランチのチケットを買ってしまっていたこともあり、再びメトロポリタン美術館に行くことにしました(メトロポリタン美術館のチケットは3日間有効なのです。広大で観るところが多すぎるからだと思います。いいサービスですね)
もう行き方もわかっていたので、この日はスイスイ行けました。チケットは一度インフォメーションカウンターでパンチ(日付を更新)してもらって、入場するかたちでした。
改めて、この美術館はなんと広大なのだろう…と思いました。前日に観たエリアの下の階には、キリスト教美術の部屋や彫刻の部屋があって(それこそロダンとか、ジャコメッティとか)、右手の入り口からは、古代エジプト関連の展示(いちばん奥が、水が張ってあって神殿のようになっている巨大なスペース)、巨大な曼荼羅などの仏教美術も観ることができ、左手の入り口からは古代ギリシアの壺絵、アフリカ美術などを観ることができました。さらに、地階に行くと、企画展のような展示をやっていました。その奥にカフェテリアがあって、そこでランチチケットを使い、スープとサンドイッチを食べました。
この日は「CAMP」展を観たいというお友達が来る予定になっていたので、午後に合流し、もう一度「CAMP」展を鑑賞(再びじっくり観ると、新たな発見もありました)、そして、1階のセントラル・パークに面したカフェ(オベリスクなどのアート作品を観ながら、ゆったり過ごせます)でお茶をしました。
あっという間にカフェが閉店する時間になりました。友達は次の約束があるということで去り、僕はもうちょっと展示を観て(今度いつ来られるかわからないので、悔いのないように)、会場を後に。出たところにあるホットドッグの屋台で、ホットドッグを買いました(安くて旨いです。3店舗あって、直感的に女性がやってるお店で買ったら、ピクルスとか酢キャベツとか山盛り入れてくれて、よかったです)
セントラル・パークは気持ちよかったです
次の目的地の「The Peter Jay Sharp Theater」がセントラル・パークの西側にあり、地下鉄やバスだと遠回りなので、セントラル・パークを横断することにしました(セントラル・パークは縦に長いのですが、横幅は1km足らずです)。なるべくゆっくり、足に気をつけながら歩き、森のマイナスイオンを感じながら、時々リスに遭遇しながら(思わず声が出ました。リス大好き♪)、お散歩感覚で。途中、ベルヴェデーレ城という中世っぽい(ビクトリア様式だそう)お城があって、眼下に池や芝生が広がり、森の奥に摩天楼が見えるという、とても景色のいいスポットもありました。
本当は『エンジェルス・イン・アメリカ』など数多くの映画に使われているベセスダの噴水も見たい気もしましたが、ちょっと遠かったので、また今度ということにしました。
セントラル・パークの西側に出ると、目の前に大きなアメリカ自然史博物館がありました。そう、映画『ナイト・ミュージアム』の舞台です。今度、機会があれば、行ってみたいです。
Camp Morning Wood: A Very Naked Musical
ニューヨークに行ったら、やっぱりブロードウェイ・ミュージカルも観ないとね!と思っていて、『ザ・シェール・ショー』とか『トッツィー』もやってるし、永遠の名作『シカゴ』や『ウィキッド』もやってるし、ものすごくたくさんある中で、何を選んだらよいのか…と迷っていたのですが、ブロードウェイ通の『Bridge』のマスター(岸田さん)からの情報やアドバイスに従い、どれを観るか、決めました。
で、この金曜の夜に予約していたのが、『Camp Morning Wood: A Very Naked Musical』です。以前、『Naked Boys Singing』という裸の男の人たちが『コーラスライン』のように歌って踊るミュージカルというのがロングランヒットして話題になりましたが、『Camp Morning Wood』は、こちらの記事でも窺えるように、ストーンウォール50周年のワールドプライドに合わせて、ゲイ向けに裸のミュージカルをやろうということで、かなり急ごしらえで制作されたのでした(5月時点で詳細が発表されてなかったり、チケットを買った後に「ごめん、会場変更になったので、チケットはキャンセルね」と連絡が来たり、なかなかのアバウトさ加減でした)
会場の「The Peter Jay Sharp Theater」という劇場は、いわゆるブロードウェイ(タイムズスクエア付近)ではなく、もっと北上したところにありました。建物の中にいくつもホールがあって、このミュージカルは4階(また階段を果てしなく登るはめに…)のごくごく小さなホールでした(おかげでステージがとても近くて、よく見えました)。観客はほぼほぼゲイの方でした。
内容は、ロッキー・ホラー・ショーが「Naked Boys Singing」と出会ったら?みたいなコンセプトです。つきあいはじめのゲイカップル、ランディとゲイブがドライブ・デートを楽しんでると、森に差しかかったところで突然車がエンストして動かなくなり、森をさまよううちにゲイのヌーディストのキャンプ※に迷い込んでしまいます(人種も体型も様々なゲイたちが楽しんでいます)。マッチョなゲイブは(体に自信があるのでしょう)さっさと脱いでその場になじんでしまうのですが、クマ系のランディはどうしても抵抗があって脱ぐことができず、きまりが悪そう。そうこうしているうちに、二人とも、他のイケメンからの誘いを受け、よろめいてしまいそうに…。というお話です。そんな誘惑が多い環境で、ゲイカップルは果たしてパートナーシップを維持していけるのか?みたいなテーマです。
「フル・モンティ」のように、ラストシーンでちょっとだけ見えるか見えないかみたいな感じで全部脱ぐ、というのではなく、もう最初の方からベロンと、潔く脱いでました。逆に恥ずかしさとかいやらしさとかがなくて、堂々としたものでした(クマ系の主役の方だけはなかなか脱がなくて、じらされてる感が逆によかったです)。ズルムケな方もいればアンカット(包茎)な方もいる、巨根もいればドリチンもいる。それこそ多様性だなぁと。
正直、英語の細かい部分は半分も聞き取れなかったのですが、ストーリーも単純ですし、舞台上で全裸で歌ったり踊ったりする姿を見てるだけで楽しかったです。このような作品がワールドプライド公認で上演されていたのは素晴らしいと思いました。日本も早くこういうふうになればいいのに…。
ちなみにこのミュージカル、7月には1度だけお客さんも全裸で観るというイベントが行われ(その光景も見たかった…)、無事に千秋楽を迎えたようです。
好評につき、今年の秋か冬に再演されることが決まったそうです。興味がある方はこちらをチェックしてください。
※ゲイのヌーディストのキャンプというのは実際にアメリカではいくつか存在し(例えばこちら)、カップルが迷い込むかどうかはわかりませんが、大自然の中のキャンプ場でのびのびとプールやテニスやカヌーなんかを楽しみ、夜はクラブパーティなんかを楽しめるというイベントです。セックス目的というより、開放感がたまらない、という感じです(欧米には男女問わずヌーディストというかナチュラリスト=自然愛好家の文化というものがありますよね)。機会があれば、参加してみてはいかがでしょうか。
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