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ゲイ旅コラム:沖縄・那覇

日本発のLGBTチャーター便から始まって、ピンクドット沖縄を満喫しながらホテルでのリゾートや桜坂のナイトライフを楽しんだ2泊3日のツアーをレポートします。

ゲイ旅コラム:沖縄・那覇

日本発のLGBTチャーター便から始まって、ピンクドット沖縄を満喫しながらホテルでのリゾートや桜坂のゲイバーを楽しんだ2泊3日のツアーをレポートします。来年もLGBTフライトがあればぜひ、これに乗ってピンクドット沖縄のツアーを楽しんでいただきたいと思います。その時期以外でも、例えば、レンタカーを借りずに国際通り周辺と桜坂でのナイトライフをメインに楽しみたいという方にもきっと、参考にしていただけるレポートになっていると思います。また、旅行記と併せて、沖縄通い歴20年の筆者が、沖縄でのゲイシーンの楽しみ方のポイントなどもお伝えいたします。(後藤純一)


ゲイ的沖縄ガイド

 これまで台湾とか海外の旅行記や旅行ガイドは書いているのに、沖縄については特に書いていませんでした。あまりにも当たり前だろうと、みなさんふつうに何度も沖縄のゲイシーンを楽しんでいらっしゃるだろうと思い込んでいたためです。でも、今回、LGBTチャーター便で50人くらいで沖縄に行って、いろんな方とお話してみて、そんなに行ってない、行っても観光メインで桜坂とか飲みに行ったことない、というような方も結構いらっしゃるということがわかりました。であれば、ガイドを書く意味はまだあるのかもしれないな、と思い直し、書くことにしました。
 僕は(沖縄フリークであるパートナーの影響で)かれこれ20年近く、沖縄に通っています。多い時は年に3回とか行ってました。イベントにも何回か出演させていただきましたし、思い入れがありすぎて、2005年頃だと思いますが(自腹で)桜坂でHIV予防啓発のクラブイベントを開催したりもしました。青森の両親を沖縄に連れて行ったこともありました。沖縄を愛していたのです。時間とお金さえあれば、いつでも飛んで行きたい気持ちです。
 
 僕のように沖縄にハマって何度も通ったり、好きすぎて移住しちゃったりする人が後を絶たないのは、南国で気候がよくて海がきれいだからということだけではなく、沖縄の人たちが好き、沖縄のゲイシーンやコミュニティが好き、ということだと思うんですよね(もし南国で海がきれいということであれば、奄美とか小笠原に通う人がもっと多くてもよさそうなものです)
 なので、ここでは、離島のビーチとか、首里城とか、北谷とか、美ら海水族館とか、玉泉洞&ひめゆりの塔などの観光地の話は置いといて、沖縄のゲイシーンの様子やその魅力について、お伝えしていきます。
 
 まず、那覇の中心部・国際通りから路地を入って行ったところに桜坂という街(ゲイタウンと言ってよいと思います)があるのですが、桜坂は何を隠そう、日本一のゲイタウンなのです。こう言うと、きっと「え? 日本一は二丁目じゃないの?」と思われるはずです。どうして日本一と言えるかというと、那覇市は人口32万人(那覇都市圏として見た場合でも83万人)に対して約35軒ものゲイバーがあり(最盛期には40軒くらいありました)、対人口比で見た場合、ダントツで日本一なのです(ちなみに沖縄のゲイバーは那覇だけではなく、沖縄市や石垣市にも数軒ずつあります。以前は宮古市にもありました)
 ゲイバーだけでなく、ゲイクラブが1軒、ハッテン場が3軒あり、コミュニティセンターや、その他、ゲイの方がやってるカフェやごはん屋さん等々もあります。イベントも、数百人規模のゲイナイトが年間10回くらい開催され(女装紅白とかもやってます)、ビーチパーティも開催され、ピンクドット沖縄も開催されています。このゲイシーンの規模の大きさは、対人口比で見た場合、突出しているのです。
 それだけでなく(というか、それだけたくさんのお店が続き、シーンが発展している理由でもありますが)「沖縄のゲイバーは日本一楽しい」とおっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。どういうところが楽しいかというと、沖縄には「いちゃりばちょーでー」という言葉がありますけども、お店の方もお客さんもまるで友達のように、気さくに「一緒に飲もう♪」って感じですぐに仲間の輪に入れてくれるような、あたたかさがあって、「おかえりー」「ただいまー」と自然に言えるような雰囲気で、ついつい朝まで飲んでしまうのです。次の日、マスターが観光につきあってくれたり、帰りに空港まで見送りに来てくれることもあります(帰りたくなくて、泣いちゃう方もいるそうです)。そんな「おもてなし」の楽しさが忘れられず、沖縄にハマり、リピーターになり、観光よりも桜坂のゲイバーを目当てに年に何回も沖縄に通っている方が結構いらっしゃいます(僕のパートナーがまさにそうでした)
 
 もし、そこまでゲイバーには興味がない(そもそも飲み屋に行かない)という方も、イベントツアーならどうでしょうか。このあとお伝えする、ドラァグクイーンがCAのように登場するLGBTフライト&クラブパーティ&ピンクドットを楽しめるツアー、そして、全国からイケメンがわんさか集まってクラブパーティ、ビーチパーティ、ノースエも楽しめるアゲアゲでイェイイェイな「沖縄ルネッサンス&ビーチパーティ」(毎年7月第1週の週末に開催)、全国からも海外からもGMPD系ベアー系の野郎たちがわんさか集まる色気と熱気がムンムンな「ベアーズビーチパーティ」(毎年6月最終週の週末に開催)など、他の街にはない、リゾート地だからこそのイベントウィークエンドが楽しめるのも、沖縄の魅力です。

 しかも、ピンクドットに象徴されるように、近年、急速に街のフレンドリー化が進んでいて、那覇市も同性パートナーシップ証明制度をいち早く認めましたし(ピンクドットの同性結婚式では市長さん自ら証明書を授与)、JAL/JTAをはじめ多くの企業も支援的で、桜坂への入り口には素晴らしくゲイフレンドリーなホテル(パームロイヤルNAHA)も建っています。今後もますますこの流れが進んでいって、何かワクワクするようなことが実現していくことと思います。

  


ピンクドット・ツアー・レポート

 ここからは、日本初のLGBTフライトから始まり、リニューアルしたピンクドット沖縄や、パームロイヤルに新しくできたプールのことなど、2泊3日の「ピンクドット・ツアー」をレポートします。
 
1日目:8月31日(土)

日本初のLGBTチャーター便で羽田から那覇へ
 
 8月31日(土)早朝、羽田空港JAL団体カウンターのところに特設(専用)のカウンターが設けられ、胸と腕に「LGBT+ALLY」のロゴマークをつけたJALのスタッフの方がお出迎えしました。
 搭乗口に着くと、特設のレインボーのゲートが用意されており、思わず歓声が。また、インスタ用の特製フレームで写真を撮る方も。機内に入ってすぐ、黒糖のキャンディなどが置かれたレインボーのコーナーがあり、また、座席にも特製のカバーがかけられ、照明もピンク色だったりしました。ほかにも、特製のレインボーお弁当が機内食として提供され(中味もレインボー。美味しかったです)、ランチバッグ、虹色のバゲージタグ、有志で作成したという搭乗証明書などもプレゼントされました。
 離陸して、しばらくすると、チーフパーサーの方がご挨拶し、パイロットやCAの方を「繊細で情熱的な運転に心がけます」「趣味はラグビー観戦です」などと紹介(アットホーム感があって、とてもよかったです)、そしてピンクの制服風のいでたちのドリアン・ロロブリジーダさんがマイクをバトンタッチされ、MCとして客席を盛り上げました。「ドリアン・ロロブリジーダと申します。名前が長くて言いづらいと思いますので『おまえ』と呼んでください。『なんだい』と答えます」など独特のギャグで客席を沸かせつつ、不意に「最近、世の中は白か黒か、敵か味方かというように『極端』になっている気がします。でもそのような時にこそ、このフライトやピンクドット沖縄のように多様性を訴える機会が大切なのではないかと思います」という殊勝なコメントもあったりして、素晴らしかったです。
 それから、"OUT IN JAPAN" 関連の映像が流れたあと、この映像に歌を提供してくれた清貴さんご本人が登場。客席を回って一人ひとりに歌いかけたりしながら、空の上でのスペシャルライブを披露してくれました。
 機長さんのアナウンスで窓の外を見ると、飛行機のすぐ真下の雲に虹色の輪ができ、その中に飛行機の影が映って見えるという場面もありました(奇跡!)
 そんな機長さんは、「高校生のとき虹について勉強しましたが、もう忘れていました。でも今日、LGBTやALLYの皆さんに『虹』になれる方法を教わった気がします。自分に正直に楽しく生きることが、虹になることだと思います」とコメントしていて、ジーンときました。
 CAのみなさんも笑顔で、ドリンクも何度も提供してくださったり、本当に親切で、通常のフライトではとても味わえないような、2時間があっという間に感じるような、楽しい空の旅となりました。
 那覇空港に着陸すると、タラップを降りて、飛行機をバックに記念撮影を行いました。









ホテルパームロイヤルNAHAへ

 空港の出口を出ると、お出迎えの方がいらっしゃって、僕らはバス2台に分乗して市内のホテルへと向かいました(その前に、テレビカメラが来ていて、ドリアンさんがテレビ取材を受けていました)

 バスの中では、バスガイドさんが、三線を弾きながら「安里屋ユンタ」など沖縄民謡を何曲か歌ってくれて、素晴らしいと思いました(沖縄に行けばそこらじゅうで三線を弾いて歌ってる人がいるかというと、そんなことはなくて、民謡居酒屋のようなお店に行ったりしないと聴くことができないので、割とスペシャルなエンターテインメントです)

 今回LGBTチャーター便で行く沖縄ツアーに申し込んだ方たちは、宿泊先を、ホテルパームロイヤルNAHA、ホテルJALシティ那覇(国際通りに面していて、使い勝手のよいホテルです)、沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ(泊港にあって、離島に行く方には最適です)などいくつかのホテルの中から選べるようになっていたのですが、僕は迷わずホテルパームロイヤルNAHAを選びました。ホテルパームロイヤルNAHAは、もともとゲイタウン・桜坂に通じる道の入り口に建っていて絶好のロケーションなのですが(飲んだあと歩いて帰れるのが本当に楽)、こちらの記事でもお伝えしたように、支配人の高倉さんがピンクドット沖縄を主催するほどのアライの方で、ピンクドット沖縄や大きなゲイイベントのある週末などに、大きなレインボーフラッグを掲げて歓迎してくれています(ゲイのバレーボール大会などにも協賛してくれているのが素晴らしいです)。宿泊費もさほど高くないため、「沖縄に行くならこのホテル」と太鼓判を押せる、ダントツでイチオシなホテルです。
 
 空港を出発してからバスガイドさんが3曲歌うくらいの時間で、バスはホテルパームロイヤルNAHAに到着し、半分くらいの方がここで降りました。見上げると、今年も本当に大きなレインボーフラッグを掲げてくれていて、素晴らしい!と感激しました。
 
 みなさん、ホテルに荷物を預けて、ロビーに置かれていた琉球新報の1面トップに「LGBT施策 必要7割」の見出しが躍るのを見て話題にしたり、これからどこに行くか相談したりしたあと、三々五々、出かけて行きました(首里城とか、北谷のアメリカンビレッジに行かれた方が多かったようです)
 僕は(観光もさんざんしてきたので、行きたい所も特になく)どうしても仮眠を取りたかったので、アーリー・チェックインさせてもらえるようお願いをして、ちょっと待ちましたが、うまくお部屋が空いたので、入れてもらえました。本当に助かりました。
 
 
国際通りをブラブラ

 寝ぼけててあまり記憶が定かではないのですが、起きたのがたぶん4時過ぎで(結構がっつり寝ました…)、シャワーを浴びて、ようやく外に出ました。
 8月末の沖縄は、まだまだ暑いです。でも、この日差しや暑さが、たまらないんですよね。南国に来た!っていうワクワク感、細胞が沸き立つような感覚を覚えます。何度来ても、沖縄やっぱり好きだなぁ、来れてうれしい!って感じます。もう飽きたとか一度も思ったことないし、なんなら毎月来たいくらいです^^
 
 お腹が空いたので、遅めのお昼ご飯を食べに、沖縄に来たら必ず行くようにしている「かどや」に行きました。むつみ橋の交差点(国際通りと沖映通りの角)にあるそば屋です。運よく開いてて(やってたりやってなかったりします)、ソーキそばを食べました。感動の旨さ!でした。このお店、店構えも古びていて、店内がちょっと暗くて入りづらい雰囲気ですし、メニューが「かけそば」「三枚肉そば」「ソーキそば」の3種類しかないのですが、ずっと昔からあります(戦後、国際通りがまだ闇市だった頃からあるそうです)。それはひとえに、美味しいからだと思います。
 ちなみに国際通りではもう1軒、スタバの東側の路地を入って、ダイコクドラッグの先にある「金月そば 国際通りむつみ食堂店」もオススメです。そば以外のメニュー(ジューシーとか煮付けとか)もあります。美味しいです。

 
 腹ごしらえした後、国際通りをブラブラしました。御菓子御殿とかベタな面白Tシャツ(そういうのって買っても着ないんですよね…)のお店とか、いかにも観光客相手の土産物屋だらけになってしまったなぁと思いながら。暑かったので、コンビニでアイスコーヒーを飲んで、それから、ただ引き返すのも芸がないと思って、入ったことのない路地に入ってみて、ちょっと歩いたら公園があって、少し休んでみたら、猫がいて、癒されました。
 日陰だし、平和通りのアーケードの商店街にでも行けばよかったのでしょうが、観光客でごった返してるところに入って行くのがなんとなく煩わしくて、またコンビニに寄ってシークワーサーのジュースとブルーシールのアイスを買って、ホテルに戻りました。


 

ホテルパームロイヤルNAHA「the Poolside Bar」

 18時からは、ホテルパームロイヤルNAHAに新しくできたプールの「the Poolside Bar」でのBBQに参加しました。
 Out Asia Travelの小泉さんが主催していたパーティで、お友達のゲイの方々や、JALで働くゲイの方々(今回のLGBTフライトも、彼らが陰ながら頑張っていた部分もありました)や、JALのアライの方々なども参加してました。
 お肉もたいへん美味しいし(というより量が多い!ってことにびっくり)、魚介や野菜もふんだんに用意されてて、ドリンクも飲み放題で、プールサイド(屋外)で、沖縄のあの気候でBBQを楽しめるというのが、本当にリゾート気分で素敵でした。
 JALで今回、LGBTチャーター便の企画を立ち上げ、社内に企画を通し、いろいろ苦労して実現にこぎつけた担当者の方(まだお若い方です。イケメンさん)の誕生日を祝って(苦労をねぎらって)ケーキが運ばれるサプライズもあり、彼が感極まっていて、ちょっと感動的でした(小泉さんは、彼の苦労をねぎらうためにパーティを開いたんですね…その気持ちにも感動しました)。彼に限らず、JALの中で、ピンクドットを盛り上げ、LGBTフライトという意義ある企画を成功させるために、一肌脱いだり、快く協力してくださった方がたくさんいらしたということもわかり、ありがたいなぁと思いました。
 ホテルパームロイヤルNAHAの総支配人の高倉さんがご挨拶する場面もありました。




 
 個人的に、ホテルパームロイヤルNAHAにできたこのプールは、沖縄のゲイ旅の今年最大のヒット(トピック)じゃないかと思います。
 沖縄に行けば、レンタカーを借りればいくらでもビーチ(やプール)に出かけることができますし、フェリーに乗って離島に行って海を楽しむことはできるのですが、那覇市内で手軽にプールを楽しめる機会というのは意外となくて(ロワジールやハイアットなどのラグジュアリー・ホテルに泊まれば別ですが)、今回が初めてです。
 このプールは、もちろん泳ぐこともできますし、プールサイドでご飯を食べたり、お酒を楽しんだりできるのがとてもGOODです(しかも、プールの中にミニテーブルを置いて、足をプールにつけながら飲んだりもできます)。しかも、ドリンクは¥600〜、フードもお手頃価格で、事前予約が必要ですが、BBQも¥4000〜(要予約)となっていて、ふだんなかなか味わうことができない南国でのプール・リゾートを手軽に楽しむことができるのが魅力です。
 沖縄で晩ご飯を食べようとすると、国際通りで居酒屋に入るかステーキハウスに行くか、というパターンが多いと思うのですが、正直、観光客が行くようなお店は、割高な割にそんなに美味しいわけでもなく、他の観光客に囲まれて落ち着かず、ということになりがちです。であれば、屋外のプールサイドのちょっとラグジュアリーな雰囲気のなかでゆったりとご飯を食べたほうが、南国リゾート感を味わえるし、素敵だと思いました。
 たぶん今後、ゲイのプール・パーティなども開催されるだろうと思います。要注目スポットです。

 

桜坂のゲイバーへ

 22時頃、タクシーで(沖縄はタクシーが安いです。一緒に乗る人がいたらさらにお得)久茂地に向かい、PINKDOT OKINAWA GALA PARTYに参加しました。
 こちらにレポートを載せておりますが、アトラクションが満載で、ボーイズ・コンテストの結果発表が終わったのが24時半頃でしたので、たっぷりと楽しめました。
 早朝から動いていた方の多くは、このタイミングでホテルに戻ってしまったようですが、僕は桜坂に飲みに行くことにしました。


 まずは、日曜が定休日で、土曜の夜のうちに行っておかなければいけないお店ということで「DQ(Dangerous Queen)」へ。MAXの方々も来られるお店です(店内にサイン入りのポスターが多数、展示されています。SPEEDのひとえさんが描いたイラストも展示されています)。約10年前、「DQ」が桜坂のライブハウスを借りて周年パーティを開催したとき、サプライズでMAXが登場し、大事件となりました(幸いにもその場に居合わせることができました。大興奮でした)。ママのRyuさんは「DQ」を始める以前、二丁目の「Torch」という老舗のお店で鳴らした方で、ベテランというか百戦練磨というか、口では誰にも負けない、強めなママです(でも、とても優しいですよ)。このお店から巣立ったママやミセコさんも多数、いらっしゃいます。客層は幅広いです。あと、周年パーティの時のショーのビデオとか、面白いと思います(一部、僕も映っています) 
 この日はもう1軒、「DQ」と同じビルの奥の方にある「39」に行きました。マスターのOKIさんはDJをやっている方で、「DQ」の周年パーティでご一緒させていただいたご縁があります。がっちり野郎系なお客さんが多く、落ち着いた雰囲気で、お通しでカレーをいただけます(ハーフサイズとかも頼めます。夜食に最適。なんだか上野のお店みたいですね)
 楽しい時間はあっという間で、気づけば3時を過ぎてしまっていたので、慌ててホテルに戻って休みました。
 
 
2日目:9月1日(日)

ピンクドット沖縄
 
 9時半に起床し、眠い目をこすりながらホテルで朝食をいただきました(朝食は10時までです。良心的)。ビュッフェ・スタイルで、沖縄らしい料理もあれば一般的なメニューもあり、いろいろ選べるがイイ感じです。美味しかったです。

 10時半過ぎにホテルを出て、11時前には会場に到着しました。
 琉球新報ビルの、道路を隔てて隣にある那覇市役所の建物が、まじまじと見たことがなかったのですが、とても素敵だなぁと思って、見入ってしまいました。

 そして11時からはいよいよピンクドット沖縄2019がスタート。こちらの記事でお伝えしたように、17時までイベントを満喫しました。
 こっちから沖縄に移住した方とか、ひさしぶりに会えて、うれしかったです。
 今年もたくさん、感動をありがとう、アライのみなさん、LGBTのためにここまでやってくれて、本当にありがとうという気持ちです。
 帰りがけ、空にかかってた虹は、地元のなかなか表に出ていきづらいLGBTのみなさんとアライのみなさんの架け橋みたいに思えました。



ゆくる屋でTシャツを購入

 帰り道、国際通りを牧志方面に歩いて行くと、右手に共和宝石というお店があって、県道222号と交差するやや大きめな交差点になっているのですが、そこを右に曲がって、坂を登った所にある「ゆくる屋」というTシャツのお店に寄りました。

 確か2年前か3年前、6月末のベアーズ・ビーチパーティに行った時に、桜坂のLUV!でやってたアフターパーティのビンゴでTシャツが当たったのですが、その時に「ゆくる屋」のことを知って、お店にも行ってみて、何枚か買ったのが最初だったかと思います。
 「ゆくる屋」は、沖縄をモチーフにしたTシャツを販売しているお店で、XXLといった大きいサイズも揃えていて、イカニモ系、GMPD系の方に人気です(二丁目でも着てる方、お見かけします)。きちゃりばちょーでーという地元の方々のイラストやデザインをTシャツにした作品を展示したり購入できたりというコミュニティ・アート・プロジェクト的な企画も行っています。
 
 今回もガチムチな店主さん(源さん)がお出迎えしてくれて、涼しくて、ほっと一息つけました。去年は藤本郷さんのアラジンみたいな絵柄のTシャツと、あんどん丸さんの風神雷神のTシャツを買ったのですが、今年はラグビーW杯にちなんで、ラガーシャツモチーフのTシャツを買ってみました。ダンナへのお土産も買えて、よかったです。
 
ゆくる屋
場所:那覇市松尾2-2-23 真境名アパート101
電話:098-911-3732
営業時間:11:00〜18:30
定休日:木曜
 
 
沖縄ご飯

 ホテルに戻り、なんだかんだ言ってピンクドットですごく汗をかいたので、シャワーを浴びて、それから、晩ご飯の約束をしていたので、また出かけました。
 晩ご飯は今回、「かどや」の隣りにできた「金武アグーしゃぶしゃぶ 琉球」というアグー豚のしゃぶしゃぶのお店でいただきました。豚ってしゃぶしゃぶできるの?しっかり火を通さないとまずくない?と思ってしまい、ついつい色が変わるまで煮てしまったりもしつつ、沖縄でも滅多に食べることができないという「琉球在来豚(アグー)の証明を受けた純血統種100%の【金武アグー】」のお肉を堪能しました。沖縄の彩り豊かな野菜も本当に美味しかったです。そして、泡盛は琉球王朝の古酒(クースー)を頼んでみたのですが、これが本当に絶品で、くせが全くなく、透き通るような美味しさでした。
 
 ちなみにこの日のお昼ご飯は、琉球新報社ビルの向かいにあるリュウボウというデパートのレストラン街の沖縄料理のお店で、テビチ定食をいただきました。テビチ(豚足の煮つけ)がもうトロっトロにやわらかくて、隣りの席のおばちゃんが「美味しそうね」と声をかけてくるくらいでした。また食べたい!と思うくらい(たぶん来年も同じ会場であれば、またあそこのお店に行きます)、美味しかったです。
 
 ここでちょっと沖縄のご飯事情について書いてみます。
 初めて行った沖縄で晩ご飯に何を食べるべきか?というと、やはり、居酒屋で沖縄料理(テビチとかラフテー(豚の角煮)とかミミガー(豚の耳)とか、グルクンの唐揚げとか、スクガラスとか、ジーマミー豆腐とか、海ぶどうとか、にんじんしりしりとか)を楽しむのが定番だと思います。2日目か3日目には飽きてくると思うので、目の前でアクロバティックな調理をしてくれる「サムズ」などのステーキハウスに行くのが沖縄らしいと思います。それも飽きてきたら、あるいは、もう沖縄旅行もたいがい慣れて、観光やご飯にはそんなにお金をかけなくていいやと思うような方には、大衆食堂がオススメです。有名なのは平和通り商店街にある「花笠食堂」ですよね(混んでるかもしれません)。ほかには、国際通りからは離れるのですが、58号線沿いにある「みかど」が24時間営業してて(おばちゃんたちが交代でやってます)、飲んだ後、明け方とかに何か食べたいという時などにも使えますし、地元感が強くて、オススメです(ぜひ「チャンポン」を召し上がってみてください。長崎ちゃんぽんとは全く別物です)。これは20年通ってる人としての個人的な見解ですが、一部、本当に高級で良質なお店もありますが、いかにも観光客向けにやってますというお店の多くは、微妙です(高いうえにそんなに美味しくないです)。地元の人でにぎわってるようなお店が、本当にいいお店だと思います。 
 あとは、ハンバーガーのお店も沖縄らしさが味わえるポイントです。北谷のアメリカンビレッジや空港にある「A&W(エンダー)」が有名ですが(もちろんコーラじゃなくてルートビアを頼みましょう)、個人的にオススメしたいのは「Jef(ジェフ)」です。平和通りをずっと奥の方まで歩いて行くと、目立たない感じでポツンとあります。何がいいかというと、ゴーヤーバーガー、ぬーやるバーガー(ゴーヤーの卵とじとポーク)という沖縄でなければありえない驚きのメニューがあるのです。ゴーヤーだけだとさすがに苦いので、ぬーやるバーガーをオススメします。観光客もほとんどいなくて、地元感(真の沖縄らしさ)を味わえます。
 帰り、空港でちょっと時間ができて、何か食べたいと思った方は、きっと「A&W(エンダー)」に行くと思うのですが、(これは本当は教えたくない、秘密にしておきたい、穴場のお店なのですが)1階の到着口を正面に見て左手のいちばん奥(JALの旅行代理店か何かのさらに奥)の目立たない所にある「空港食堂」をオススメします。空港職員の方などが利用するような大衆食堂なのですが、安くて美味しくて、地元感が味わえます。ここでもチャンポンが食べれます。


桜坂のゲイバーへ その2

 沖縄での最後の夜を過ごすべく、もう一度、桜坂に向かいました。
 日曜の桜坂は割とひっそりしていましたが、お店のドア越しにすごい賑やかに盛り上がってる声も聞こえてきたりして。

 そんな桜坂の「DQ」「ONE」「LUV!」が入ってる古いビル(そろそろ老朽化がヤバいと言われて早何年…)の1階を奥まで入って左に曲がり、「39」を横目に見ながらさらに進んでビルを抜けると、そこにガチムチ系バーの一角があります。2階に「ベアーズ・ビーチパーティ」を主催している「036」があって、1階に「CB」があります。
 7月のレインボー・リール東京の「クィア・ジャパン」の上映の時に「CB」の天馬くんに会ったこともあり(ちょっとご無沙汰してたので)、今回は「CB」に行きました。天馬くんは、僕が『バディ』の編集をやってた時に、那覇のゲイタウンを紹介する記事でモデルをやってくれたのが出会いの最初で、当時は彼も10代でしたが、気づけばゲイバーのマスターになっており(イベントやったりもしてるそうです)、今じゃすっかり桜坂の重鎮の一人です(たぶん)。「CB」が今の場所になってからは初めておじゃましました。なかなかオシャレでしたし、話も盛り上がったし、楽しかったです。お客さんはガッチリ〜ガチムチ系の方が多めです。
 
 今回はお伺いできなかったのですが、桜坂にはまだまだたくさん、ゲイバーがあります。
 毎年7月第1土曜に開催の「沖縄ルネッサンス」を主催しているのが「Banana Cafe」です。イケメンで性格も良いと評判のマスターが、おもてなししてくれます。僕の周りの人たちは、「観光で来た人が最初にバナナに行って、次にどこに行ったらいいか教えてもらうことが多い」と言っていたので、たぶんそうなんだと思います。オールマイティというか、年齢とか体型とか気にせずどなたでも行けるお店です。
 「LEGEND」などのクラブパーティを多数手がけている(今回のピンクドットにも実行委員として参加していた)リンダさんのお店が「ONE」です。若い方、クラブ系の方などで盛り上がってます。結構広めなので、大勢で行っても大丈夫♪です。
 あとは、もともと「DQ」でミセコをしていたMON☆Gさんが開いた「FIELD」も沖縄らしいアットホームな雰囲気でくつろげると思いますし、テニスをやってる方はぜひ「SUNSET」へ、そして、セクシーなイベントを楽しみたいGMPD野郎系な方々はぜひ「SANDER」のイベントスケジュールをチェック!という感じです。ほかにもたくさん、お店があります。こちらを参考にしてみてください。
 それから、場所的には桜坂からちょっと離れているのですが(その方が入りやすいですよね〜)、ハッテン場に関する情報はこちらを参考にしてみてください。
 
  
3日目:9月2日(月)

JAL便で帰京

 また9時半頃起きて、ホテルで朝食をいただき、ゆっくりパッキングをして、11時にチェックアウト。ゆいレールの牧志駅まで行く途中で、他の土産物屋とはちょっと趣が異なるおしゃれな雰囲気のお店があったので、入ってみました。沖縄のお土産といえば、ちんすこうとか紅芋タルトとかが定番ですが、そういうのはもう飽き飽きしてたので、試食してみて美味しかった「美ら豆」というお菓子(小分けになってて配りやすそう)と、懐かしの「ぜんざい」を買いました。
 牧志駅のホームに登ると、小学校の校庭が見えます。この景色が結構好きで、なんかずっと見ちゃいます。

 ゆいレールに揺られて、窓の外の景色を眺めながら、那覇空港に到着。出発まで1時間あるので、ラウンジか「A&W(エンダー)」にでも行こうと思っていたのに、手荷物検査が長蛇の列になってて、これはマズいと思い、さっさとスーツケースを預けて(そこも混んでました)、「A&W(エンダー)」も並んでいたので、あきらめて、手荷物検査を通って、お土産とか売ってるお店でポークたまごのおにぎりとさんぴん茶を買って、搭乗口の椅子のところで食べました。
 当たり前ですが、帰りのJAL便は、いつもの、何の変哲もない便でした(そう考えると、行きのLGBTフライトはなんと楽しかったことでしょう)。音楽を聴きながら、沖縄での思い出に耽りながら、東京へと帰りました。
 東京も沖縄と変わらないくらい蒸し暑かったのですが、沖縄では蒸し暑ささえも旅の風情なのに、東京ではただ蒸し暑いだけという…なんだか夢から現実に引き戻された感がありました。





ピンクドット・ツアーを振り返って

 沖縄自体は30回も40回も行ってますが(本島だけじゃなく、石垣にも宮古にも行ったことがあります)、今回はやはり、日本初のLGBTフライトに乗れたということが、本当にスペシャルな体験で、楽しかったです。
 羽田〜那覇往復JAL便でホテル2泊ついて空港からホテルまでの送迎もついて、しかもドリアンさんがCAさんのように楽しませてくれたりする特別なフライトで、お弁当とかプレゼントまでもらえて、これで48,000円ってとてもお得ですし、みなさん大満足で大喜びだったはずです。
 ただ、朝5時半羽田集合で、始発でも間に合わないので、羽田近くのホテルに前泊した方も多かったようです……もし可能であれば、金曜の深夜のフライトにしていただければ、もう1晩遊べるし、土曜の昼間も寝てられるし、素晴らしいなぁと、いっそのこと海外みたいにDJも入れて深夜のパーティ・フライトになればもっと楽しいだろうなぁと、そしたらお客さんももっと増えるだろうし、東京だけじゃなく名古屋や大阪からも飛ぶようになったら素敵よね、とか、夢は膨らみます。ともあれ、JALのみなさんに感謝!です。
 
 ピンクドットや前夜祭も、これまでとは違った感じで、楽しかったです。アライ企業の皆様のサポートの気持ちがヒシヒシと伝わってきて、ものすごく意義があって、素晴らしいと思うので、ぜひ来年以降も成功してほしいと思います。せっかく素晴らしいことをやっているので、もっと桜坂のゲイコミュニティと連携していく方向で頑張っていったらよいのではないかと感じました(桜坂では、お店にパンフレットが置かれてないので、日程すら知らなかった…という声も聞きました……なんとも寂しいことです)
 
 でも、考えてみれば、僕も昔はただ桜坂で朝まで飲むだけだったのですが、今や、「LUV!」というゲイクラブもできていろんなイベントが行われるようになり、ベアーズビーチパーティのような海外からたくさんゲイ客が来てくれるイベントも開催されるようになり、「SANDER」のような脱ぎ系イベントをやるお店も現れ、ゲイシーンが多様化・発展・成熟し、世界的なゲイリゾートに近づいてきた印象ですが、その背景には、7年前にピンクドットが始まり、那覇の街自体がフレンドリーになって、パームロイヤルやJAL/JTAのようなゲイイベントに協賛してくれる企業も現れて、ゲイシーンの成熟やオープン化を後押しした部分もあるのでは?と思います。
 きっと沖縄は、これからも(アライの方々とコミュニティがタッグを組んでいければ)あっと驚くような素敵なことを実現できると思いますし、微力ながら応援していきたいと思います。

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