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「至高のゲイ体験」Atlantisクルーズ(1)いざ、洋上の豪華ホテルへ!

ゲイクルーズの旅…それは、想像を絶するゴージャスさとサービスのよさ、キラキラした瞬間のオンパレード。「ハロー!」とスマイルがあふれ、世界中のゲイたちと出会える夢のような日々。かけがえのない体験。至福の極みでした。1日目のレポートでは、洋上の豪華ホテルとも言うべき船内の様子や、ゴージャスなディナーなどをお伝えします。

「至高のゲイ体験」Atlantisクルーズ(1)いざ、洋上の豪華ホテルへ!

Atlantisクルーズとは

「Atlantis社は世界最大のゲイ&レズビアン旅行会社。毎年2万人のお客さんをおもてなししています。世界最高クラスのクルーズやリゾート、伝説的なクラブパーティを手配し、世界中から様々なゲイ&レズビアンのグループを集め、フレンドリーで誰もが快適に過ごせるようなイベントで歓迎しています。そこでは誰もが自分らしくいられるし、最高に楽しい時間、夢のような時間を過ごすことができます」とAtlantis社のサイトに書かれています。それはウソでもおおげさでもなく、本当にその通りだったと実感できました。
 
 今回僕らが参加したのは、Atlantis社が毎年10月に行っている「メキシカン・リビエラ・クルーズ」。ロサンゼルスを出発し、メキシコ西海岸(いわゆるメキシカン・リビエラと呼ばれる美しい海岸)のサンルーカス岬、マザトラン、プエルトバラータというリゾート地に寄港してロサンゼルスに戻るという7泊8日のコースでした。
 他にもカリブ海クルーズなどもありますが、このコースの方がアジア系の人たちが多く、フレンドリーで参加しやすいということで、僕らはこのコースをチョイスしたのでした。

 僕らが乗った船「Mariner of the Seas」は、全長1020フィート(310m)、重量138,000トン、3114人収容の超巨大豪華客船です。
 船内にはスケートリンク、ロッククライミング・ウォール、インラインスケート場、ロイヤル・プロムナード、50年代スタイルのレストラン、イタリアン・レストラン、カフェ・プロムナード、ベン&ジェリーのアイスクリーム、ビンテージ・ワインバー、ラテンテイストなラウンジ、各種バー&ラウンジ、カジノ、ゴルフ練習場、子ども向けのエンターテイメント施設、スパ&フィットネス、バスケットボールのコートなどがあります。

 事前に与えられていた情報はこれくらいでしたが、いったいどんなふうになっているのか、どんな出来事が僕らを待ち受けているのか…いまいちピンとこない感じでした。いざ1週間のクルーズを終えてみて、僕らは全員、予想をはるかに超える、素晴らしい体験ができたと、心から思いました。これからそのクルーズの夢のような日々を、みなさんにお伝えしていきたいと思います。

 世界中からゲイが集まっていた今回のクルーズですが、日本から参加したのは4人でした。
 まず、モニターとして参加したコウさん(29)。名古屋に住むフリーランスの方で、DJやダンサー、ドラァグクイーン、デザイナーなど、マルチな活躍をしていることで知られるイケメンさんです。同じくモニターとして参加したセイタさん(40代)。東京に住む会社員で、週末にゲイランチをやっているお料理上手な方です。それから編集部の後藤純一が取材で同行し、マグネットの小泉伸太郎がアテンドしました。
 
 記事は後藤が書き、写真は後藤だけでなくコウさん、セイタさんからも貸していただきました。
 あまりにも内容が濃いため、たいへん長いレポート・シリーズになると思います。
 それでは、夢のAtlantisゲイクルーズ・レポート「第1日目」をお届けしましょう。

 

数千人のゲイの夢を乗せて、いざ出航! 


 10月17日(日)昼すぎ、LAX(ロサンゼルス空港)からリムジンに乗り込み(LAではわりふつうのことだそうです)、優雅にシャンパンを飲んでいるうちに、約30分でサンペドロ港に到着しました。
 そこにはお城のようなホテルのような建物がそびえ立っていて…それが僕らの乗る船だと気づくのに少し時間がかかりました。14階建ての豪華客船は、予想をはるかに超える、圧倒的な大きさでした。
 たぶん世界中から集まってきたのだろう、マッチョなゲイたちが、次々に港に到着してきました。素敵な笑顔を振りまく彼らの姿を横目に、その見事にふくらんだ大胸筋同様、僕ら期待に胸をふくらませるのでした。

 出国手続きをして(船に乗って海外に行くということは、飛行機と同様、パスポートや書類を用意して出国審査を受ける必要があります。荷物検査もあります)、船内に乗りこむと、そこはまさに豪華ホテル! カウンターには制服を着たクルーがいて、まるで町のようなショッピングモールのようなメインストリートがあって、吹き抜けのエレベータ・ホールがあって、客室がズラリと並んでいます。

 僕らが取った部屋は、スイートでもオーシャンビューでもない、いちばんリーズナブルなお部屋でした。が、2人分の荷物が入るクローゼットや、パソコンで文章を書けるくらいのデスクがあって、ウェルカム・ワインやチョコレートが置いてありました。ベッドもクイーンサイズではないですが、1人寝るには十分な大きさ。そして、ソファとリビングテーブル、TV、化粧室兼ユニットバス。コンパクトながら機能的で清潔感あふれる、居心地のよいお部屋でした。

 船長からの招集がかかり、みんなデッキに集められました。飛行機で「機内安全のためのご案内」が義務づけられているように、船でも同じような時間があるのです。ライフジャケットを着たクルー(若くてイケメン)が救命ボートのことなどを説明し終わると、船長がアナウンスで「みなさん、ディナーの前にはよく手を洗おう。それから口に突っ込もう!」と言って、みんなの笑いを誘っていました。


乗船の際に支給される「SEA PASS」
は身分証兼ルームキーです。
クレジットカードと連動していて、
これ1枚で買い物もOK!
 午後5時、いよいよ船が動き出しました。涼しい海風に吹かれながらロサンゼルスの街並みを見下ろすと、シーサイドのカフェや公園から手を振ってくれる人たちがたくさん…思わずこちらも手を振り返します。
 やがて船は、太平洋上へ——これから一路、メキシコのカボ・サン・ルーカスをめざし、船は1日半の航海を続けます。
 ちなみに、これだけスゴい船ですので、安定感はバツグン。船酔いは一切しませんでした。


 

「洋上の豪華ホテル」を探検



 ディナーまでは少し時間があったので、僕らは船内の探検に出かけました。
 6階の船室から1階分降りると、たくさんのカフェやバー、ショップが軒を連ねる吹き抜けのロイヤル・プロムナードがあります。船の中に「街」が出現した、という感じです。プロムナードの上方の桟橋には「Welcome Aboard(乗船ありがとうございます)」の垂れ幕が掲げられ、ゲイカップルは手をつないでプロムナードを楽しそうに歩いています。 

 あとでだんだんわかっていくのですが、プロムナードの周りには、コンサートホール、クラブ、映画館、スケートリンク、カジノ、シガーバー(喫煙ルーム)などのエンターテイメント施設がズラリ。そして他にも、インターネット(Wi-Fi)が利用できるビジネスルームや会議室、図書室なども完備されていました。「洋上の豪華ホテル」を実感しました。


旅慣れた常連客の人たちは、船室のドアに
「スティーブとジョージの部屋」といった
ボードを掲げたり、好きな写真を貼ったり、
「いつでも遊びに来てね」とアピールしたり、
様々にデコレーションします。
それを見てるだけでも楽しいのです
 屋上のデッキに上がってみると、真ん中にプールやジャグジーがあって、デッキチェアがずらっと並べられています。階段を上がってみると、海を見下ろせるデッキがそのままジョギングコースになっていて、奥に行くとスポーツジムがあり、ロッククライミングやバスケット、ゴルフ、卓球などもできるようになっています。ゴージャスなラウンジや24時間オープンのビュッフェも併設されています。
 夕暮れどきのデッキは、ウェルカムパーティ状態で、僕らもピナコラーダを注文して、これから始まる素敵な旅に祝杯をあげました。

 

豪華すぎるディナーのあとは…

 このクルーズに参加するにあたり、計画していたことが1つありました。それはみんなで浴衣を着て日本をアピールしようということでした。クルーズ初日のディナー、それはいわば社交界へのデビューです。僕らはここで浴衣を「お披露目」することにしました。


 部屋で浴衣に着替え、午後7時すぎにディナーホールへ。そこはシャンデリアが輝く3階吹き抜けの大ホールで、ピアノの生演奏が行われ…まさに『タイタニック』の世界でした。タキシードとか着なきゃいけないようなセレブな空間でしたが、みなさんラフでカジュアルなスタイルでディナーを楽しんでいました。
 テーブルにつくと、専任のウェイターがサーブしてくれます。僕らのテーブルに着たウェイターさんはまだ若い方で「コロンビアから来たYENです。よろしくお願いします」と挨拶してくれました。ディナーはもちろんフルコースで、前菜、メイン、デザートを選ぶようになっています。英語がよくわからなかったら、メニューのオススメコースを指差せばOKです。ほかにたとえばメキシコ風スープをください、とか、パンのおかわりをすることもできます。いくら食べてもフリー(料金に含まれている)というのがスゴイです。食事が終わるとまたYENくんが来て、「どうもありがとう。僕のサービスはどうだったかな?」とはにかみながら言ってました。かわいい!と評判でした。

 食事のあと、浴衣姿で少し船内を歩きましたが、「ワオ! この服は何だい?」と話しかけられたり、写真を撮られたり、なかなかの注目度でした。ジャパン・アピールはひとまず成功です。
 ちなみに船内には簡易フォトスタジオが設けられ、通りかかった人たちの写真をフォトグラファーがキレイに(アーティスト写真のように)撮ってくれるというサービスがありました。その横にギャラリーがあって、クルーズ中にずっと写真が展示されていて、気に入ったものを購入できるというしくみです。僕らも最終日、記念に何枚かずつ買いました。(右下の写真です)

 部屋で少し仮眠を取ってから、深夜、初日の夜をSEXYに盛り上げるアンダーウェアパーティに参加しました(写真はいちおう遠慮しておきましたが、あとでそんな遠慮は無用だったと気づきました…)。3階にある「Studio B」というホールには、いろんな人たちが集まり、思い思いにダンスを楽しんでいました。アンダーウェア姿のマッチョやスジ筋クン、ちょっとお腹の出たパパ、中にはちょっと仮装っぽい格好の人もいましたし、ドラァグクイーンな方もいました。
 僕らは日本の3倍くらい濃いお酒にすっかり酔っぱらいながら踊っていると、「どこから来たの?」と話しかけてくれる人もいて、さっそくフレンドリーさを実感しつつ、SEXYなパーティをマンキツしました。

 朦朧とした頭と火照った体を冷ますため、部屋に戻って水着に着替え、屋上のジャグジーに行ってみました。星空の下、イケメンなコウちゃんがモーションをかけられる場面もありつつ、夜のジャグジーは疲れた体を心地よく癒してくれました…
(2日目に続きます)

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