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ロサンゼルスのゲイ・スポット~クルーズの公式プレパーティも

Atlantisクルーズ・レポートの番外編として、LAのオススメ・スポットやゲイタウン・ウェストハリウッドの様子、クルーズの公式プレパーティの様子などをお伝えいたします。

ロサンゼルスのゲイ・スポット~クルーズの公式プレパーティも

Atlantisゲイクルーズは10月17日にロサンゼルス(以下LA)から出航しましたが、僕らはその2日前にLA入りし、2夜にわたって開催された公式プレパーティにも参加しました。そこで、番外編として、LAのゲイ的見どころと、公式プレパーティを含むウェストハリウッドの様子をお伝えしたいと思います。(後藤純一)


LAのゲイ的オススメ・スポット(1)

 数々の映画やドラマの舞台となり(『ビバヒル』から『シングルマン』まで)、たくさんのセレブなパーティが開催されてきたLAは、NYCと並んでゴージャスなイメージの街だと思います。

 車がないと移動できないという意味では不便ですが、マグネットLA支部のHiromiさんという方がアテンドしてくれたおかげで、僕らは広大なLAの街を十二分に楽しむことができました。

 まず、僕らはハリウッドにあるLAゲイ&レズビアン・センターを表敬訪問しました。コミュニティセンターと聞いて、小さな部屋をイメージしていたのですが、4階建てのビルがまるごとセンターだったので、驚きました。
 このセンターは、ゲイであるがゆえに親に勘当されて行き場を失った若者たちや、ゲイバッシングやDVなどの暴力から逃れるためのシェルター(行き先が見つかるまで泊まることができる)としての役割や、HIV陽性者支援や不安がある人の相談窓口という役割を担っているそうです。動いているお金もスゴイと思いますが(行政だけでなく、セレブが多大な貢献をしてくれています)、それだけ多くの人がシェルターを必要としているという事実にも考えさせられるものがありました。
 入り口を入ってすぐの棚にフリーペーパーやイベントのフライヤーがたくさん置かれていました。LAを訪れ、ゲイの情報がほしい方や、昼間のうちに予定を立てたい方などはここに立ち寄るとよいでしょう。

 次に、センターの近くにあるゲイ&レズビアンの低所得な高齢者のためのシニアハウス「トライアングル・スクエア」を訪れました。昨年の映画祭で上映されたドキュメンタリー『安らぎの家を探して』の舞台です。この施設が作られたことの素晴らしさとともに、安心できる「ついのすみか」に入居したいと願う人々の切実さも伝わってくるものでした。
 実際に入ってみると(通常はアポが必要だそうです)、スタッフの方もたいへん感じがよく、ピアノや広めのミーティングルームがあったり、無料のコンドームBOXが設置されていたり、豊かに暮らせるようにという配慮がなされているという印象でした。 
 日本にもいつかこういうホームができるといいな…と誰もが感じることでしょう。

 
LAのゲイ的オススメ・スポット(2)

 LAの代表的な観光スポットの1つに、サンタモニカなどのビーチがあります。自転車で海岸沿いを走るのも楽しいし、ベニス・ビーチにはマッチョなビルダーが集まるエリアもあるとか。しかし、今回はあいにくの曇り空&肌寒い天候だったので、ビーチはあきらめて、今話題のショッピングモール「THE GROVE」に行くことにしました。

 「THE GROVE」は、ヨーロピアン・スタイルの建物が並び、噴水が上がる池や芝生の広場、フードコートや映画館もあり、電車まで走っているという、思わず「キャー素敵!」と声を上げてしまうほどオシャレなスポットでした。アバクロやバーニーズ、バナナ・リパブリック、GAP、TASCHEN(トム・オブ・フィンランドやラ・シャペルなどを扱う洋書店)など、入ってみたくなるショップがズラリ。ゲイの人たちもたくさん来ています。ただブラブラ観て回ったりご飯を食べたりするだけでも十分楽しめます。


エルトン・ジョンの名前を発見!
 その後、もう1つのLAの代表的な観光スポットであるハリウッドへ。世界でいちばん有名な映画館であるチャイニーズ・シアターや、アカデミー賞授賞式の会場であるコダック・シアター、歩道にスターの名前が刻まれたウォーク・オブ・フェイムなどが定番です。が、そこからハリウッド通りをダウンタウンの方に歩いていくと、パーティ用の仮装グッズを売るお店がたくさん建ち並ぶエリアに到着します(メトロの「ハリウッド/ヴァイン駅付近です)。クルーズでのコスプレ用品はここで仕入れるとよいでしょう。

ゲイタウン・ウェストハリウッド(1)

 ハリウッドから車で10分ほどのロケーションにあるウェストハリウッドは、世界有数のゲイタウン。サンタモニカ・ブルーバード(大通り)沿いに大きなレインボーフラッグを掲げた『RAGE』やセレブ御用達の『Abbey』など、オシャレなバー(クラブ)が点在し、間にはアンダーウェアのショップなども並んでいます。
 毎年6月にはプライドパレードが、そして10月には世界最大のストリート・フェスティバルとしてハロウィンパーティが開催されることで有名です。

 まず、『Tender Greens』というレストランでディナーを食べました。基本的にサラダとスープとホットスタッフ(グリルされたもの)のセットというメニューで、オーガニックにこだわる方や野菜をたくさん食べたい方にはたまらない感じの清潔感あふれるお店でした。奥の席に行くと、ゲイの歴史を伝える大きなモノクロ写真(パレードで「ゲイの息子を誇りに思います」というプラカードを持った人の写真とか)が壁に掲げられていて、感動しました。

 腹ごしらえが終わると、サンタモニカ・ブルーバードを少し歩き、Atlantisクルーズの公式プレパーティが行われているバー『Micky's』に向かいました。1階がオシャレなテラスになっていてたくさんのゲイたちが談笑していました。2階のフロアにはGO-GO BOYSのショーが行われるステージがあり、真ん中が吹き抜けになっていて、上から見下ろすと1階のバーカウンターで働く男の子たちの姿が見えるという、素敵な造りでした。本場のアメリカでGO-GOのショーを見るのは初めてだったので、個人的に気に入った黒人のGO-GOの人にチップをあげたりして、盛り上がりました。

 近くの『RAGE』では金曜恒例のアジアン・ナイトが行われているというので、ちょっと抜け出して行ってみました。アジア系の人たちとアジア系が好きな人たち(ライスクイーンなどと呼ばれたりします)がたくさん集まるイベントだそうです。造りは『Micky's』に近いのですが、なにしろ1階のフロアが広くて、大勢のアジア系ゲイが踊りまくっていて、奥のステージにも山盛りに人が乗っていて…ちょっとバンコクの『DJ Station』を思い出しました。『Micky's』の公式プレパーティは優雅に会話を楽しむオトナな雰囲気でしたが、こちらはとにかく熱気にあふれていました。

ゲイタウン・ウェストハリウッド(2)

 土曜日の夜、小雨が降る悲しい天気の中、世界で最もオシャレなゲイバーとして知られる『Abbey』に行ってみました。ふつうにセレブがパーティを催したり、アギラレもよく来ているという『Abbey』は、さすが、暖炉やシャンデリアがあって素晴らしくセレブ感漂うフロアがあろ、ご飯も食べられる屋外のフードコートがあり、イケメンなバーテンが揃い、という無敵なお店でした。雨さえ降っていなければ長居したかったのですが…サクっと見て、退散しました。

 そのお隣の『Here』では、Atlantisクルーズ公式プレパーティ第2弾が開催されていました。こちらはうってかわってゲイゲイしい雰囲気。モニターにはAtlantisクルーズのプロモーション映像が流れ、いろんなタイプのゲイの人たちが大勢集まって談笑し、バーテンもバルクマッチョ系な人がいたり、フロアでGO-GO BOYSのショーが行われたりと、SEXYな雰囲気を堪能できました。GO-GO BOYSは何回か入れ替わり、いろんなタイプの人が盛り上げていました。「この人たちみんなクルーズに乗るのかな」と思うと、ワクワクしてきました。

 いい具合に酔っぱらったところで、昨夜歩いたサンタモニカ・ブルーバードに行って、アンダーウェア・ショップ(見たこともないエロチックなパンツ?も売られていました)をのぞいたり、ピザ屋で腹ごしらえをしたり(なかなか美味しかったです。そしてアジア系のゲイの人に声をかけられました)
 そうして、土曜の夜は更けていったのでした…

ゲイタウン・ウェストハリウッド(3)

 実はウェストハリウッドは独立した市になっています。面積はたったの4.9平方km(台東区や中央区の半分以下です)。人口の1/3がゲイだと言われていて、HIV陽性のゲイであることをオープンにして当選したジョン・デュランという方が市長をつとめています。素晴らしいですね!
 
 夜のウェストハリウッドはゲイバーやショップが並ぶゲイタウンですが、昼間のウェストハリウッドはオシャレなスポットとして女性に人気です。サンタモニカ・ブルーバードにもオシャレなカフェやレストランが集まっていますが、メルローズ・アベニューにはマーク・ジェイコブズ、ディーゼルなどのデザイナー・ブランドのショップのほか、古着屋やインテリアショップなどもたくさんあります。

 もしLAに行ったとき、昼間の観光に飽きたり、ウェストハリウッドのホテルに泊まる方は、昼間のウェストハリウッドにもぜひ、お出かけください。

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