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ジョリン・ツァイ、アーメイ…台湾の同性婚実現に多大な貢献をしてくれた歌姫たち

台湾での同性婚実現のために、応援ソングをつくったり、感動的なMVをつくったり、コンサートで応援したり様々な形で応援してくれたジョリン・ツァイ、アーメイという台湾トップクラスの女性歌手のことをご紹介します。

ジョリン・ツァイ、アーメイ…台湾の同性婚実現に多大な貢献をしてくれた歌姫たち

 2019年5月17日、めでたく台湾で同性婚(結婚の平等)が認められました。それはもちろん、現地のコミュニティのパワーの賜物ですが、一方で、彼らを応援し、また、世間の人たちの同性婚に対する意識を変えるようなところでも貢献してくれたのが、ジョリン・ツァイ(安室奈美恵さんの台湾でのラストライブにも出演した方です)やアーメイといった歌姫たちでした。台湾でトップクラスのアーティストが、どのように同性婚に賛同し、支援してくれていたか、をお送りしたいと思います。

 

蔡依林(Jolin Tsai)「不一樣又怎樣 We're All Different, Yet The Same」

 看護師の「ご家族の方ですか? 失礼ですがご関係は?」というセリフ。舞台は病院、主人公はレズビアンの女性。彼女のパートナーが病院に搬送され、緊急手術をすることになったが、「家族」による手術の同意書が必要で、付き添っているのは彼女一人。医師に関係を聞かれるが、二人は法律上は「他人」と見なされるため、「親友です」と答える。しかし、愛する人の命を救うために「30年間ずっと一緒でした、彼女の最も親しい人間は私です。お願いします!」と医師に懇願する。しかし、病院の規定では「家族」でないと署名できず、どうしようもないという。このままでは手術ができない。何とか遠縁の男性を探し出し、同意書に署名してもらったが……
 涙なしには観られない、実在のレズビアンカップルのお話に基づいてつくられた歌だそうです。1500万回以上再生されています。これを観て「愛する二人が結婚できないなんて、おかしいよね」と考え方を変えたノンケさんは多かったことでしょう。同性婚実現に貢献したことは間違いないと思います。
(なお、この曲が発表された翌年の2015年4月、ジョリン・ツァイはLGBT支援に貢献したとして、第2回LGBTマイルストーンアワードの年度人物賞にノミネートされています)




蔡依林(Jolin Tsai)「玫瑰少年 Womxnly」

 2000年、女みたいだといじめられていた屏東県の中学生が、学校のトイレで血まみれになって変死…という痛ましい事件があり、台湾で社会問題になりましたが、のちに彼のことを「玫瑰少年」(「薔薇の少年」)と名付け、忘れないようにしようというムーブメントがありました。ジョリン・ツァイは、ずっと彼のことを覚えていて、昨年11月の国民投票で同性婚が否決された(民放改正ではなく特別法をつくることになった)あと、世間に向けて、この曲を発表したのでした。
 歌詞にもダイレクトに「Sexuality」という言葉が出てきますし、「玫瑰少年」のことを通してゲイやレズビアンの幸せ(結婚)のことを歌っています。初め黒いスーツに身を包んでいたダンサーたちが、だんだんスーツを脱いで鮮やかな色の服になっていくMVも素敵です(きっとゲイだろうなという感じのダンサーさんたちも起用されています)




「We Are One Feat. Tanya, aMei, Sandy, Naying, Rainie, Elva, Alin, S」

 2017年5月17日(国際反ホモフォビアデー)、アーメイら115人の芸能人が一丸となってLGBTのためにレインボーフラッグを掲げる巨大パネルが台北市内に登場しました。アーメイ(張恵妹)やジョリン・ツァイ(蔡依林)、レイニー・ヤン(楊丞琳)ら8人の歌姫のコラボレーションによるチャリティ・ソング「We Are One」が発表され、会場で限定販売されました。この「We Are One」のMVは、パレードに参加するゲイカップルやレズビアンカップルの姿や、LGBTを支援する方々の応援メッセージで構成されていますが、エールの気持ちがひしひしと伝わってくる、感動的な映像になっています。




Amei「彩虹」

「彩虹」は2009年にアーメイ(張惠妹、阿密特)が発表した、主人公の女性が失恋したゲイの男友達を励ます内容の歌です。
 アーメイは台北同志遊行のステージにも来て歌ってくれましたし、パレードで「彩虹」を合唱しながら歩く光景も観られるほど、アジア屈指の「ゲイ・アンセム」として知られています。
 有名なのは、彼女自身のコンサート「UTOPIA 2015 WORLD TOUR」で、この映像にあるような、ちょっとスゴい演出を見せてくれたことです。これには多くのLGBTのファンが感動し、勇気づけられたことと思います。伝説的なシーンです。

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