g-lad xx

　NHKの「びじゅチューン！」は、世界の「びじゅつ」を歌とアニメで紹介する番組です。難しい説明なしに、美術作品をテーマにしたオリジナルの曲が、ユニークなアニメーションと共にヘビロテされます。作詞・作曲・アニメ・歌すべてを手がけるのは、アーティストの井上涼さん。「やる気あり美」で「すばらGIF劇場」も担当している方です（『確信』は本当に名作なので、ぜひご覧ください）。ポップな絵、奇想天外な歌詞、忘れられないメロディが、あなたのハートをわしづかみにする番組です。
　そんな「びじゅチューン！」の最新作で、7月29日に公開された「納涼シアター」という作品が、さりげなくゲイカップルと（養子として育てている）子どもを描いているのでは？とSNSで話題になっています。
　
　この作品がフィーチャーしている「びじゅつ」作品は、久隅守景「納涼図屏風」（東京国立博物館）という江戸時代に描かれたもので、夕顔棚の下でお父さん、お母さん、子どもが大きな白い満月を眺めているという、家庭の幸せなひとときが表現されています。家族3人が同じ方向を見ているのが特徴的な絵なのですが、家族がみんな同じ方向を見ている時と言えば…テレビで映画やなんかを見ている時？ということで、家にいながら見られる屋外シアターの「過去」と「現在」の物語を、井上涼さんが表現しています。
 「過去」のパートの子どもだった男の子が大きくなって、「現在」のパートで彼氏と娘さんと一緒にテレビで映画を観ているという情景が描かれ、歌われています。歌がまた、とてもよくて、しみじみと感動させてくれます。

　ぜひご覧になってみてください。