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　トランス女子の孫のためにメイクを練習するおじいさんを描いたJ&BスペインのCMが感動を呼んでいます。年末年始、大勢の家族や親族といっしょに過ごすのがつらいと感じる当事者が多いなか、おじいさんは孫を励ますために一生懸命メイクの技を磨き、孫を美しくメイクしてあげるのです。セリフがほとんどない、短編映画のような映像ですので、言葉の壁を感じることなくご覧いただけます。

　全編に流れる｢She（忘れじの面影）」という歌は、もともとシャルル・アズナブールの名曲で、エルヴィス・コステロのカバーが映画『ノッティングヒルの恋人』の主題歌に起用されて話題になりました。今回のCMのバージョンはスペインのCHACO MUSICという会社が手がけているそうです。
　なお、CMのタイトルは「She, un cuento de J&B」です（cuentoは短編小説という意味です）

 『COSMOPLITAN』誌によると、J&Bスペインの公式サイトには、性別移行を経験したトランスジェンダー（やノンバイナリー）の77％が「家族と過ごす時間が最もつらかった」としているスペイン平等省の調査結果を紹介しながら、こう書かれているそうです。「LGBTIQ+の中には、家族に受け入れられていないと感じたり、気まずい空気を感じることがあるのです。そういった背景から、家族とお祝いをできない人もいます」「今回、おじいさんとその家族というストーリーを作ったのも、そこが理由です。また、トランスジェンダーのアーティストで、コミュニティの声を発信しているエジャ・ディ・アモーレさんによる解釈を伝えています。このストーリーを通して考えてもらいたいのです。クリスマスのような時期に、受け入れる心と敬意、そして祝福の気持ちを持っていてほしいから」
　
　動画には多くの好意的なコメントが寄せられています。スペインの女優で、トランスジェンダー女性として初めて国会議員になったカルラ・アントネッリ氏も「素晴らしいコマーシャル。愛と共感を呼び、私たちの人生にもリスペクトを示しています」とツイートしているそうです。