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レポート:第18回東京レインボー祭り

二丁目で8月13日(日)、第18回東京レインボー祭りが開催されました。今年も昼間から二丁目に笑顔があふれ、晴れやかであたたかいお祭りになりました。

レポート:第18回東京レインボー祭り

2017年8月13日(日)、新宿二丁目レインボー祭り特設エリアで第18回を数える東京レインボー祭りが開催されました。今年も昼間から二丁目のお祭り会場にいろんな方たちが集まり、パフォーマンスや御神輿やアトラクションや屋台を楽しみ、晴れやかであたたかい、笑顔あふれるお祭りになりました。レポートをお届けします。(後藤純一)




ゲイバー合同ブースの1コマ。左から
「もふもふ」「Leo LOUNGE TOKYO」
「EAGLE Tokyo」のマスターさん

体を張って盛り上げに貢献する
AiSOTOPE LOUNGEのみなさん

セクシーな野郎神輿。ブースの前で
バシャバシャ水をかけられ、さらに
セクシーに…

レインボーガールズ、素晴らしかった!
(「equinox」「SCALE a loco」
「PARADISE BLUE」のママさん)

ミケクロのみなさん。応援団も熱い!

作田雅弥さんのライブ、素敵でした。

ビアンバーの方も参加したMIX神輿

ほびっつ☆のみなさんによるダンス。
とてもハイクオリティでした☆

紅白出場歌手、石嶺聡子さん。拍手!

勇壮な演舞も、衣装も素晴らしい
「新虹」のエイサー

カチャーシーで会場のお客さんも一緒に
踊って楽しみました

二丁目振興会会長さんの挨拶に続き、
一斉に風船を空にリリースし、
感動のフィナーレを迎えました
 年に一度、新宿二丁目振興会に加盟するゲイバーやレズビアンバーの方たちが結集して二丁目の路上で昼間から開催されるストリート・フェス「東京レインボー祭り」。個人的には、2000年から参加していて(2007年までは出演もしていて)皆勤賞だったのですが、実は昨年、入院したため(夜の「つんパラ。」共々)参加できず、とても悲しい思いをしました。なので今年は2年ぶりのお祭りを楽しみにしていました。
 
 真夏だというのに雨続きで肌寒い日が続いていたため、レインボー祭りは大丈夫かな…と心配していた方もいらしたと思いますが、8月13日(日)当日は、かんかん照りでもなく、雨も降らず、適度に夏らしい、絶好のお祭り日和となりました(みなさんの日頃の心がけのおかげ。またはゲイパワー伝説)
 オープンちょっと前に会場に着くと、すでにお祭りの開始を待ちわびる方たちが新宿公園あたりにたくさんいらっしゃいました。
 15時になり、二丁目振興会会長のToshiさん(「Base」)の挨拶でレインボー祭りがスタートしました。DJさん(「阿吽」のみなさん)が夏らしいJ-POPソングで盛り上げるなか、いくつもの屋台でバーのマスターたちがお酒やフードを威勢よく売りはじめました。やがて、お揃いの法被を着て酒樽を担いだ恒例の「野郎神輿」が会場を練り歩きはじめました(ちなみに神輿のみなさん、最初に円陣を組んで気合いを入れていたのですが、かけ声は「まじ卍〜」だったそうです。笑)。御神輿が屋台の前に差し掛かると、どぶづけ(ビールなどを冷やす水槽)の水をバシャバシャかけたり、これぞ夏の風物詩!という微笑ましい光景が繰り広げられました。神輿は花園通り(柳通り)で向きを変え、再び出発地点へ向かって練り歩きました。
 16時前頃、新宿公園前でパフォーマンスがスタートしました。トップバッターはお揃いのレインボー柄のドレスが素敵なレインボーガールズ(「equinox」おタカさん、「SCALE a loco」なおさん、「PARADISE BLUE」たぁくん)。二丁目のことを歌う替え歌で、ビルの陰で男にフェラしたとかそんな歌詞(笑)。最高でした。続いて、「もふもふ」の猛虎さん率いるさんけたクローバーZ(略してミケクロ)のみなさん。水鉄砲でピューピュー水をかけて納涼したり、周りで応援していたファンの方たちがフラッシュモブ的に乱入して一緒に踊ったりして、エンタメ感満載で盛り上げました。そして、メジャーなアーティストへの楽曲提供も行なっているシンガーソングライター、作田雅弥さんが登場。自身のオリジナル曲2曲を歌ってくださいました。美声に聴き惚れた方も多いはず。心にゆっくり染み渡るような、素敵なライブでした。
 16時半頃、レズビアンバーの方たちも混ざったミックスのお神輿がスタート。いちばん本格的でカッコよく担いでいたのが女性だったというところが素敵でした。やはり屋台で容赦なく水をかけられ(ふだん温厚そうに見える「九州男」のかつきさんが「歯を食いしばれ〜」とかドSなセリフを言ってたのが面白かったです)、やんやの喝采を浴びながら練り歩きました。ちょうど終了地点にaktaのボランティアさんがいて、レインボー風船を売り歩いていました(売り上げはHIV予防啓発のチャリティになります)。aktaは今回、新宿公園にブースを出し、アンケートもとっていました。ちょっとだけ(喫煙のために)aktaに寄ってみましたが、若い人やら海外の人やらで大盛況でした。
 17時頃、2回目のパフォーマンスがスタート。メンバーが二丁目のゲイバーのミセコさんだったりするがっちび系ダンスユニット「ほびっつ☆」のみなさんは、今年もレインボーをあしらったカワイイ衣装で(チラチラお腹が見えるところがセクシー)、アイドルチックに本格的なダンスを披露してくれました(「ほびっつ☆」のみなさんは、その後の「つんパラ。」にも出演し、全然違うセットリストでパフォーマンス。スゴい!)。それから、AiSOTOPE LOUNGEで何度かライブイベントを開催している石嶺聡子さんが登場! 紅白で歌った「花」、マドンナの「Material Girl」のアカペラ、そしてR&Bなグルーヴが心地よい「Vibration」を歌ってくださいました。
 ライブ終了後、すぐに「新虹(あらぬーじ)」のみなさんの「道ジュネー」(エイサーの練り歩き)が始まりました。赤、オレンジ、黄色…全体としてレインボーカラーになるサージ(頭に巻く布)がとてもキレイです。今回は「新虹」のみなさんに続いて野郎神輿の方も歩いてきました。三線を弾きながら歌う地方(ジカタ)の方の挨拶に続いて、数曲の演舞が行われ、最後に、会場のみなさんも巻き込んで恒例のカチャーシーが行われました。彼氏がいる人もいない人も、若い人も年配の人も、背が高い人も低い人も、細い人も太い人も、デブ専の人も細専の人も、飲んだくれな人もお酒飲めない人も、日本人も外国人も、ゲイの人もそうでない人も、HIVを持っている人もいない人も、いろんな人が一緒になって踊っています。さっきまでなんとなく遠巻きに見ていた人も、気づけば楽しそうに踊っています。かけがえのない、素晴らしい時間でした。
 いよいよフィナーレです。二丁目振興会会長のToshiさん(「Base」)が、二丁目には多様なセクシュアリティの人たちがいます、二丁目は、あらゆるセクシュアリティの人を受け入れる懐の深い街です、とご挨拶し(本当はもっとたくさんお話ししていたのですが、そうおっしゃっていたのが印象的でした)、カウントダウンが行われ、みんなでレインボーの風船を一斉に空に放ちました。きっといろんな思いが、それぞれの胸に去来していたと思います。みなさんしばらく、空に吸い込まれていく風船を見守っていました。
 二丁目振興会のみなさんや出演者のみなさん、今年も本当におつかれさまでした。ありがとうございました。
 終わったあと、自転車にお子さんを乗せながらお母さんが「風船きれいだったね〜」と言っている場面を見て、このお祭りが地元の方にも愛されてるんだなぁと思って、ちょっとジーンときました。
 
☆レインボー祭りのフォトアルバムはこちら

 
 レインボー祭りは2000年に初開催されました。サプライズで二丁目の夜空に花火が上がり、号泣する人が続出しました(鬼の目にも…)。以降、5000人とも6000人とも言われる人たちが来場し、ステージパフォーマンスを楽しむ一大フェスとして盛り上がりを見せ、二丁目のコミュニティのお祭りとして毎年開催されてきましたが、秋葉原の事件をきっかけに警察が厳しくなり、第11回から仲通りではなく現在のエリアで開催するようになり、以前に比べると小規模なものとなっていきました。それでも、年に一回のこのお祭りを楽しみに地方から来られる方もいらっしゃいますし、台湾あたりから来られていた方もいらっしゃいますし、あちこちで「ひさしぶり〜」「おはようございます」みたいな挨拶が交わされ、笑顔があふれる、本当にハッピーであたたかくて、素晴らしいお祭りです。

 レインボー祭りを中心として、このお盆の三連休は、ガチムチディスコ、BUFF、つんパラ。と、魅力的なクラブイベントが連日開催されました。どのイベントも、お客様に心から楽しんでもらおうというオーガナイザーさんやキャストのみなさんのおもてなし精神やこだわりが見えて、フロアに笑顔があふれていて、本当に素晴らしかったです。ゲイだらけで、ゲイだからこそわかりあえるテイストを共有して盛り上がれる喜び(ちなみに、こんなに毎週毎週、手を替え品を替え、面白いテーマのイベントが開催されてる街って海外にはないと思います)。そういうクラブイベントの合間で、二丁目のゲイバーで楽しく飲んでた方もたくさんいらっしゃいましたし、ハッテンバースタンプラリーに参加してた方もいらっしゃいました(軒数もすごいし、種類も豊富だし、二丁目のゲイバーって世界一じゃないでしょうか)。共通するのは、(準備とか雑事とかいろいろ大変だし、決して儲かるわけでもないけど)みんなで楽しく過ごしましょ!という気持ちで、場を用意してくれる方がいて(尊いですね)、そこに乗っかってくれるお客さんがいて、盛り上がってっていう、そういうことですよね。二丁目の原点だと思います。
 イベントもそうですし、バーやクラブもそうですが、かつて隆盛を誇っていたイベントやお店も、今はもう「伝説」として語られるばかり…というように、決して永遠ということはありません。マスターが突然亡くなってしまったり(レインボー祭りはお盆開催ということもあり、亡くなった方々に思いを馳せたりもします)、物件の都合など、様々な事情に左右されます。でも、めげずに若い方たちがまた違ったイベントやお店を始めたり、新しい才能が開花したりして、二丁目という街自体はちょっとずつ生まれ変わり、今まで見せたことのない表情を見せたり、いろんな驚きや発見が生まれたりもします。そういう意味では、「みんなで楽しく過ごしましょ!」の精神がある限り、二丁目は永遠だと思います。5年後、10年後、一体どうなっているんだろう…などと楽しみにしながら、体力が続く限り、見守っていきたいと思います。
 
 「人生で大切なことは二丁目で学んだ」と僕は本気で思っています。最初に入ったカイシャでは命をすり減らすような過酷な日々が続き、人生にとって意味のある何かを得られた気はしませんでしたが、ゲイとしてオープンに生きていこう!と大転換した約20年前から、『バディ』編集部で働いて(1日のほぼ全てを二丁目で過ごし)、ここにはとても書けないような出来事もいろいろありつつ、たくさんの方たちと知り合えて、本当に貴重な、いい経験をさせていただきました。ほとんどお金にならないのに未だにこのサイトを続けているのは、二丁目(をはじめとするゲイコミュニティ)への恩返しであり、二丁目で知り合った、また、これから知り合うかもしれない方たちへのメッセージだったりします。
 なかには、二丁目は合わないや…と感じて離れてしまう方もいらっしゃいますが、Toshiさんもおっしゃっていたように、二丁目はありとあらゆるセクシュアリティの方(明らかにおじさんとわかるような女装した方も、ゲイの中でもマイノリティな性的嗜好の方なども)を受け入れる、懐の深い街であり、二丁目にはありとあらゆるタイプの場所があり、きっとどこかに自分に合う居場所がある、求めるものが見つかる街です(どうしても見つからなかったら、自分で場所を作ることだってできます)
 誰でもウェルカムな懐の深さやあたたかさ、世界に誇れるバラエティ感(多様性)、振興会という組織があってマップを作ったりaktaやパレードとも協調したりするようなコミュニティらしさ、そういう二丁目のいいところを象徴する年に一度のハレの日がレインボー祭りというお祭りです。確かに、もう花火も上がらないし、規模は以前より小さくなりましたが、それでも、参加してみると、いろいろ楽しいし、やっぱり二丁目っていい街だなぁと再認識できると思います。
 今年参加できなかった方も、来年はぜひ、二丁目の路上で、笑顔でお会いしましょう。