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レポート:東京レインボープライド2018「Pride Festival」(3)パレード

5月5日(土)6日(日)、東京レインボープライド「Pride Festival」が代々木公園イベント広場で盛大に開催され、過去最高となるのべ約15万人を動員しました。4回に分けてレポートをお届けします。3回目は、5/6(DAY2)に行われたパレードです。

レポート:東京レインボープライド2018「Pride Festival」(3)パレード

 2018年5月5日(土)6日(日)、東京レインボープライド2018「Pride Week」のフィナーレとなる「Pride Festival」が代々木公園イベント広場で盛大に開催され、過去最高となるのべ約15万人を動員しました。
 両日ともとてもよく晴れて、絶好のイベント日和となり(翌月曜日は雨でした…パレードに雨が降らなかったのは、きっと神様の采配ですね)、朝から本当にたくさんの方たちが訪れ、ステージでのパフォーマンスを楽しんだり、イベント広場やケヤキ並木に出展されたたくさんのブースを見て回ったり、思い思いにセクシュアルマイノリティのお祭りを満喫していました。
 1日目のステージには清貴さんやMtFユニット「秘密のオト女」、東京ゲゲゲイのみなさんが出演し、2日目は、浜崎あゆみさんがライブを行い、超満員の会場は大歓声に包まれました。
 過去最高の37ものフロートが出走したパレードも、MODI(マルイ)のみならず、渋谷〜原宿の街のあちこちがプライド開催を祝うレインボー仕様になり、沿道でも多くの方たちが応援し、約7000人の行進を盛り上げてくれました。
 全部で4回に分けて東京レインボープライド2018「Pride Festival」のレポートをお届けします。
 3回目は、5/6(DAY2)に行われたパレードの模様をお伝えします。
(写真・文:後藤純一、カケジク(*印))
 


 5月6日(日)、パレードが行われる日は、朝からとてもよく晴れて、真夏のような日差しが降り注ぎました。
 NHK前の並木通りでは、たくさんのフロートのみなさんが、パレードに向け、汗をかきながら準備をしていました(おつかれさまでした)
 朝10時からステージ上で「“みんな”で、ブラス!」の演奏が行われ、11時には整列がスタートし、ほぼ12時きっかりに、TRP2018のパレードがスタートしました。
 以下、セクションごとに東京レインボープライド2018「Pride Festival」2日目のパレードの様子をお伝えします。
  

フォトセッション



 パレード出発前に、先頭を歩く方たちが被写体となる、メディア向けのフォトセッションが行われました。
 議員さんを集めたセッションでは、細野豪志さんや福島みずほさんらのパレード常連組に加え、自民党の朝日健太郎さん、立憲民主党の枝野幸男さん、共産党の小池晃さんらの姿もありました。
 続くセッションでは、当事者議員の方々8名が顔を揃えました。尾辻かな子さんは国会議員として初のパレード参加となり、晴れがましい表情でした。それから、カミングアウト後初のパレード参加となった前田邦博文京区議、上川あや世田谷区議、石坂わたる中野区議、石川大我豊島区議、細田智也入間市議、舘内孝夫滝川市議、小原明大長岡京市議が来られていました。
 それから、日本で初めてパレードを開催した南定四郎さん、東京レズビアン&ゲイパレード(のちに東京プライドパレード)の砂川秀樹さん、2001年の東京レズビアン&ゲイパレードの福島光生さん、札幌でのレインボーマーチ開催やパートナーシップ制度実現に尽力してきた鈴木賢さん、JaNP+の長谷川さん、ぷれいす東京の生島さん、aktaのジャンジさんといった、コミュニティの功労者の方々のフォトセッションが行われました。砂川さんは、春日亮二さん(2000年代のパレードに多大な貢献を果たした立役者。2007年に死去)の写真を載せたボードを持っていました。
 

LOVE & EQUALITY 1(東京レインボープライド)



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 12時にパレードがスタート。国会議員、自治体議員、今までのパレードやセクシュアルマイノリティのコミュニティを作り上げてきた皆さんが先頭を歩き、後方に各党(与野党問わず)の議員さんが多数参加していました。ものすごい数のカメラが密着していたため、まともな写真が撮れませんでした…。特に、パレード初参加で、今回は党首として唯一の参加でもある立憲民主党の枝野さんへのフラッシュ攻撃がすさまじかった印象です。


ウエディングマーチ2018(Juerias LGBT Wedding)

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 白と水色を基調とした爽やかなフロート(先導車)の上にゲイカップル、レズビアンカップルと牧師さんが乗っていました。出発時には結婚行進曲がBGMになっていて「おめでとう!」のかけ声も聞こえました。後ろのほうにはTEIJINや三菱UFJフィナンシャルグループの皆さんの姿も。


親子で歩こう!家族と歩こう!(NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会&NPO法人ハートをつなごう学校)

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 赤を基調としたバルーンに彩られたフロート(先導車)にお母さんたちが乗って、とても生き生きした様子でアピールしていました。子ども連れのファミリーやカップルの姿が目立ってました。ジョンソン・エンド・ジョンソン、社名入りのレインボータオルを掲げたniko and…の社員の皆さんなどがとても楽しそうに歩く姿が印象的でした。


NIJIT – IT業界のLGBT交流会(NIJIT)

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 レインボーカラーのバルーンのフロート(先導車)で、華やかな印象でした。accenture、avanade、Google、IBM、ORACLE、FUJITSUなど、そうそうたる企業の社員の皆さんが音楽に合わせてノリノリにパレードしていました。


社団法人台湾伴侶権益推動連盟(社団法人台湾伴侶権益推動連盟)
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 蔡英文総統から総統文化賞を授与された伝説の活動家・祁家威さんが全身レインボーの衣装で歩いていました。後ろのほうではレインボー・リール東京の皆さんやPwC Japanグループの皆さんが歩いていました。


European Ambassadors 4 LGBT(駐日欧州連合代表部)

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 駐日大使の皆さんを先頭に行進。ヨーロピアンな雰囲気で、やはり外国人の方がとても多かった印象でした。歩いている皆さんの表情がとても明るく楽しそうでした。


ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル(SQCF)(서울퀴어문화축제)
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 逆境にもめげず、年々パレードを大きくしているソウルのみなさん。チョゴリを着た女性二人を乗せたフロート(先導車)で、K-POPをガンガンにかけてノリノリな盛り上がりを見せていて、とっても楽しそうでした。


Power of Education~自分らしくいられる未来を作ろう!~(Revo∞Link)
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 「教育系」ということで、ミニ黒板タイプのメッセージボードを掲げて歩く人がたくさん! BIZREACH、YouTube、ライフネット生命の皆さんも参加していました。


9monsters x Badi x AiSOTOPE LOUNGE(9monsters x Badi x AiSOTOPE LOUNGE)
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 あの9monstersが、『バディ』誌、AiSOTOPE LOUNGEと合同で、フロートを出しました。日本の祭りをイメージした紅白の提灯がデコレーションされたフロートには和の衣装のGO-GO BOYやドリアン・ロロブリジーダさんが乗って、もちろんゲイナイト仕様でノリノリに盛り上がっていました。


Love Beyond Genders(公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル)

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 大きなレインボーフラッグを先頭に、多種多様な国籍の皆さんが「多様性ってなんだろう」「平等ってなんだろう」のメッセージと一緒にパレード。最後尾近くには宇宙人(?)の姿も。


ライフガード アライズ(株式会社チェリオコーポレーション)
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 爽やかな白いTシャツのチェリオコーポレーションの皆さんを先頭に、アイドルグループ「仮面女子」のメンバーの姿も!


OUT IN JAPAN(OUT IN JAPAN)



 白地にゴールドのシンプルなカラーリングが印象的なフロート(先導車)には、今年も清貴さんらが乗っていました。世界的なフォトグラファーのレスリー・キーさんを先頭に、マルイの皆さんなども一緒にパレードしていました。音楽もいい感じでした!


Alfa Romeo“BE YOURSELF”( Alfa Romeo“BE YOURSELF”)
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 アルファロメオの高級車を先頭にパレード。赤をドレスコードにした仮面舞踏会(?)的な一団や、お揃いの黒いTシャツを着たIndeedの皆さんも。


Let’s MAZEKOZE!(一般社団法人Get in touch)
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 カラフルなバルーンがデコレーションされたフロート(先導車)。東ちづるさんを先頭にレインボーのビブスを着用した皆さんがパレード。ヴィーブヘルスケア株式会社(新宿二丁目のど真ん中の看板でもおなじみ)の皆さんも。


AXA Pride Japan LGBT & Allies(アクサ生命保険株式会社)
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 アクサ生命保険の皆さんが、白いフラッグとともにパレード。


“みんな”で、ブラス!2018(“みんな”で、ブラス!)
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 カラーガードの皆さんを先頭に、“みんな”で、ブラス!の皆さんが演奏しながらマーチしました。暑いなか、長時間の演奏、お疲れ様でした!


LGBT ファイナンス(LGBT ファイナンス)
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 主に外資系金融機関の皆さんがそれぞれのコーポレートカラーのTシャツを着てパレード。国際色豊かなフロートでした。


Deliver LOVE世界中に愛を届けようglamazon(glamazon Japan)
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 みなさん一度は目にしたことがあるだろう、あのamazonの「箱」がフロートになって登場!


今すぐ同性婚の法制化を!with“cafe gossip”(gossip)
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 惜しまれながら2016年に閉店した表参道のカフェgossipのオーナーさんを先頭に、いろんな国籍の皆さんがパレード。法曹関係の皆さんも「法律上も家族に!」というメッセージを掲げて歩きました。


自分らしく働く(株式会社ラッシュジャパン)
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 株式会社ラッシュジャパンの皆さん。先頭はラッシュといえばおなじみの「バスボム」さん!


Asexual Pride~恋は自由だー!(NPO法人にじいろ学校)
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 「Asexual(アセクシュアル、エイセクシュアル)」のプライドカラー(黒・グレー・白・紫)の大きなフラッグが何枚もはためくフロートでした。「LGBT以外のセクシュアルマイノリティも存在する」ということを大きくアピール。
 

LOVE & EQUALITY2(東京レインボープライド)
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 1日目のシンポジウムにも登壇したキース・へリング美術館のヒカルさんがフロート(先導車)の上に乗っていました。先頭はレインボーカラーのとても大きなのぼりを持った司法書士のグループの皆さんでした。
 


DIVERSITY IS STRENGTH(AIGジャパン・ホールディングス株式会社)
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 黒いけど引っ張るとレインボーが現れる「UNITED BLACK Tシャツ」を着たAIGジャパンの社員の皆さん。ファミリーでの参加が多かったです。


アンドリュークリスチャン(アンドリュークリスチャン)
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 おなじみのアンドリュークリスチャンがフロート初参加。なんとデザイナーご本人が乗ったオープンカーを先頭に、アンクリのモデルさんや、セクシーなスタイルの方なども一緒に歩き、目立っていました。
 

★★MR GAY JAPAN★★(MR GAY JAPAN)
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 今年日本で初開催された「MR GAY JAPAN」のファイナリストの方といっしょにパレード。


Building a better working world ~自分らしく働ける職場~(EY Japan)
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 EYの社員の皆さんがコーポレートカラーの黄色のTシャツを着てパレード。ファミリーで歩く姿がたくさん見られました。


日本Lマーチ(ラブピースクラブ、パフスクール、どろぶね)

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 ラブピースクラブ、パフスクール、どろぶねというレズビアン関連のグループが合同で出展した日本Lマーチ。歩いてる人たちの95%が女性!で、とても熱気に満ちていました。


We are STRIPEs!(株式会社ストライプインターナショナル)
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 TRPオープニングレセプションの会場(hotel koe)を提供してくれたストライプインターナショナル。ストライプに彩られたフロート(先導車)を先頭に。浴衣を着た方が多かったです。


en world Japan(en world Japan)
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 enの社員の皆さんが爽やかにパレードしました。
 

LGBT-Allyプロジェクト(株式会社アウト・ジャパン)
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 日本航空、PVH(TOMMY HILFIGER)、第一生命、JVCケンウッド、武田薬品、エクスペディア、ソフトバンク、全日空、ホテルグランヴィア京都…そうそうたる、いろんな企業の皆さんが「everyone can be Ally」のメッセージを掲げてパレードしていました。


個 ~学生の学生によるみんなのためのパレード~(東京レインボープライド)
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 学生フロートらしく、制服がデコレーションされたフロートを先頭にパレード。学生サークルでの参加が多かったように見受けられました。


Deloitte Tohmatsu Group(デロイト トーマツ グループ)
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 デロイト トーマツ グループの皆さんが黒のTシャツを着てパレードしていました。


TOKYO ZENTAI CLUB(TOKYO ZENTAI CLUB)
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 今年も全身タイツを愛するTOKYO ZENTAI CLUBの方々がパレード。暑さにも負けず、色とりどりのゼンタイの皆さんが楽しそうに歩いていました。


GRAMMY TOKYO(GRAMMY TOKYO)
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 FtM、MtFのキャストが乗り込んだカラフルなフロート(先導車)を先頭に。今年もクラブさながらの音楽にノリノリで歩く人がたくさん!でした。


WE ARE ONE(ギャップジャパン株式会社)
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 ギャップジャパンのフロートでは、公式物販ブースでも販売されていた「WE ARE ONE」のTシャツを着てる人が大半を占めていました。


TOKYO NO HATE(TOKYO NO HATE)
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 今年もTOKYO NO HATEのフロートが登場しました。セクシュアルマイノリティだけでなく、人種差別などあらゆる差別に反対する、アライの方たちを中心にしたフロートです。重低音がズンズン響き、最後尾まで音が届くような最高レベルの音響で、トラックの上では女性のMCが差別にNO!をメッセージするラップで盛り上げていて、シビれました。皆さんノリノリで、圧倒的にカッコいいフロートでした。
 

Gay=クイア(メンズミクシィ)
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 今年、大トリを飾ったのは、ストーンウォールで最初に抵抗を始めたクィアなセックスワーカーに敬意を表するフロートでした(素晴らしいですね)。シモーヌ深雪さん&マーガレットさんという東西大御所クイーンを乗せたフロートに続き、GOGO BOYの集団やドラァグクイーン、MtFトランスジェンダーの皆さん、セックスワーカーの権利のシンボルである赤い傘をさした方々などが大勢参加していました。
 最後の最後にはグリーンバードの皆さんが歩き、路上のゴミ拾いをしてくれていました。毎年お疲れ様です!

 


<パレードを振り返って>

 実際にパレードを歩いた方は、さわやかな快晴の空の下、気持ちよく歩けたのではないかと思いますし、沿道のいろんなお店がレインボーカラーのデコレーションをしてパレードを歓迎してくれていたのもうれしかったんじゃないか、と思います。みなさんいい笑顔で、楽しそうに歩いていらっしゃいました。

 今年は過去最高となる37ものフロート(グループ)が出走するということで、先頭が出発して帰って来てもまだ半分も出てない状態で、こんな長大なパレードって今までなかったなぁと、感慨を覚えました。
 フロートのスケジュールを聞いてみたら、先頭が12時で、最終フロートの出発予定が15時とのことで、炎天下、3時間も写真を撮るのか…と持久戦を覚悟していたのですが、これまでとはうってかわってパレードが「巻き」で進行し、30分ほど繰り上がりました(それでも全員が帰着したのが15時過ぎという3時間コースだったのです)。ただ、予定より早く出発することになった関係で、出発に間に合わなかったり、歩道を走って途中から追いつこうとしている方もいらしたようです。フロートの順番が入れ替わったところもありました。

 昨年同様、協賛企業のフロートが非常に多く、社員(とそのご家族)の皆さんがそれぞれのコーポレートカラーのTシャツを着て…というものが目立っていました。そういうフロートの多くは、横断幕だけで、先導車もなく、音楽もなく、かなり静かな印象でした。また、フロートごとの人数のバラつきが極端になっていた感がありました(※記事中、画像の掲載枚数がフロートによってかなり異なっておりますが、先導車もない、みなさん同じような格好で歩いているフロートは自ずと枚数が少なくなります…ご了承ください)
 
 そういうことはありつつも、今年はひさびさの『バディ』をはじめ(9monstersやAiSOTOPE LOUNGE、メンミクなど)ドラァグクイーンやGOGO BOYが乗ったゲイゲイしいフロートがたくさんあって、本当によかったです。DJフロートにドラァグクイーンやGOGO BOYが乗るスタイルは世界標準ですし、東京には世界的に活躍するパフォーマーがたくさんいらっしゃるわけですから、そういう東京のゲイカルチャーの魅力を海外の方や世間の方にも知っていただける機会として、今後もこういうスタイルのフロートがたくさん出てほしいと強く感じました(企業さんがそういうフロートに協賛するというかたちになれば、いちばんいいのかな、と漠然と思ったり)
 ほかにも、FtMの方のフロートや、アセクシュアルの方のフロートなどもあって多様性を感じましたが、一方でレズビアンのフロートが弱い(日本Lマーチくらい?)という声が上がっていて、バランスが難しいなあと。

 ともあれ、今年は、参加登録をして歩いた方が約7000人(TLGPの頃の約2倍)という過去最高記録を樹立しました。本当に喜ばしいことだと思います。来年は目指せ1万人!という感じですね。
 パレードに参加されたみなさん、本当におつかれさまでした!


☆TRP2018「Pride Festival」パレードのフォトアルバムはこちら

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