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米最高裁が上告を棄却し、30州以上で同性婚できるようになりました

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連邦最高裁判所の前でフラッグを
振り、歓びを表現する方
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バージニア州アーリントン郡で初の
同性婚カップルとなったお二人
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ユタ州ソルトレイクシティで結婚式に
臨むゲイカップル

 先日、インディアナ州、ユタ州、バージニア州、ウィスコンシン州、オクラホマ州の5州で、州による同性婚禁止が違憲だとする判決が連邦控訴裁(高裁)から下されたのに対して州が米連邦最高裁に上告しており、最高裁がいよいよこの件の審理に着手する(再び同性婚について裁定を下す)ことにしたというニュースをお伝えしました(詳しくはこちら

 そして10月6日、米連邦最高裁は5州が行っていた上告を棄却しました。5州での同性婚合法化は最高裁が上告を受理するかどうかの決定を下すまで保留とされていましたが、上告が棄却されたことで、控訴裁の判決が採用されることとなり、この5州での同性婚が認められることになったのです。5州では、最高裁の決定を受け、ただちに担当職員が同性愛者に対する結婚証明証の発行を開始しました。
 棄却の理由は発表されておらず、最高裁が全米規模での同性婚合法化の是非をめぐる審理を先送りした形です。上告は受理されるとの見方が強かったため、今回の決定は驚きをもって受け止められています。
「New York Times』紙によると、最高裁のルーズ・ギンズバーグ判事は、「これまですべての連邦巡回控訴裁が同性婚を認める判決を下しており、見解が割れていないため、最高裁は当面、審理にあたる必要がない」と語っていたそうです。また、クリントン政権期に司法省法律顧問局局長を務めたウォルター・デリンジャー氏は「十分な数の州で同性婚が経験されるようになれば、最高裁は同性婚の全面的な合法化へと動くだろう」と語りました。

 同性愛者権利護団体「Human Rights Campaign(HRC)」によると、上告が棄却された5州で同性カップルが近く結婚できるようになるほか、3つの巡回区※(今回の5州と同じ控訴審の管轄下にある地区)で判決が確定することになるため、5州以外にも、ウエストバージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、カンザス州、コロラド州、ワイオミング州(あの『ブロークバック・マウンテン』の舞台です)の6州でも同性婚が近く解禁される見込みだそうです。
 結果、これまでの19州+ワシントンD.C.に加え、新たに11州で同性婚が近く解禁されることになりました。
 HRCのチャド・グリフィン代表は同日、首都ワシントンで、「数千組のカップルにとって喜ばしい日になった。今日の最高裁発表がもたらした影響を直ちに感じられるようになるだろう」と語りました。

 さらに10月7日、米第9巡回控訴裁判所(高裁)※は、ネバダ州とアイダホ州で同性婚をめぐって起こされた訴訟に対し、州の同性婚禁止条項は違憲で、これを解除するという判決を下しました。これにより、同じ巡回区※にあるアラスカ州、アリゾナ州、モンタナ州でも同性婚が認められることになり、1日でまた5州、増えることになりました。アメリカの同性婚支持者たちは、2日連続の朗報に沸き返っています。
 同控訴裁の判事3人は判決文で「州当局による性別に基づいた意図的な差別は、(合衆国憲法の)平等保護条項に違反している」「アイダホとネバダの同性婚禁止は性別に基づいたものであり、これらの禁止法は、性別役割に関する『不当で時代遅れかつ過度に広汎なステレオタイプ』を存続させる役割を担っている」「したがってこれら禁止法は、容認できない性差別として消えなければいけない」と結論づけています。

 これにより、同性婚が認められ、結婚の平等が達成される州は35州となり、一気に過半数を超えました。アメリカの人口の64%が同性婚できる地域で暮らすことになるそうです。

 州レベルでの同性婚をめぐる裁判は、まだケンタッキー州、ミシガン州、オハイオ州、テネシー州、テキサス州、フロリダ州などで係争中です。もし、控訴裁が同性婚禁止を維持する(合憲だとの判断を下した)場合、最高裁が改めて審理する可能性があると見られています。
 HRCのチャド・グリフィン氏は、保守的な中部などの多くの州で同性婚が引き続き禁じられている以上、「異なった婚姻法が混在する複雑で差別的な状況」は残ると指摘。「受け入れられる唯一の解決策は全米で同性婚が認められることであり、その究極の勝利を確実に手に入れられるよう、改めて尽力していく」と声明で述べました。
 

※合衆国控訴裁、巡回裁判所、巡回区
 裁判所が未整備な時代に判事が各地を巡回して法廷を開いたことから、アメリカでは連邦と州のそれぞれに「巡回」の名称を用いる裁判所がありました。かつての連邦の巡回裁判所は、合衆国控訴裁判所と名称が変更されましたが、その管轄区域を指す語として「巡回区」の名が残っており、巡回裁判所と呼ばれることもあります。巡回区は全部で11あり(プラス首都)、以下の通りとなっています。

D.C.巡回区:ワシントンD.C.
第1巡回区:メーン州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、プエルトリコ、ロードアイランド州
第2巡回区:コネチカット州、ニューヨーク州、バーモント州
第3巡回区:デラウェア州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、アメリカ領ヴァージン諸島
第4巡回区:メリーランド州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、バージニア州、ウェストバージニア州
第5巡回区:ルイジアナ州、ミシシッピ州、テキサス州
第6巡回区:ケンタッキー州、ミシガン州、オハイオ州、テネシー州
第7巡回区:イリノイ州、インディアナ州、ウィスコンシン州
第8巡回区:アーカンソー州、アイオワ州、ミネソタ州、ミズーリ州、ネブラスカ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州
第9巡回区:アラスカ州、アリゾナ州、カリフォルニア州、グアム、ハワイ州、アイダホ州、モンタナ州、ネバダ州、北マリアナ諸島、オレゴン州、ワシントン州
第10巡回区:コロラド州、カンザス州、ニューメキシコ州、オクラホマ州、ユタ州、ワイオミング州
第11巡回区:アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州

 上告が棄却されたバージニア州(第4)、ウィスコンシン州(第7)、インディアナ州(第7)、ユタ州(第10)、オクラホマ州(第10)と同じ巡回区にあたるウエストバージニア州(第4)、ノースカロライナ州(第4)、サウスカロライナ州(第4)、カンザス州(第10)、コロラド州(第10)、ワイオミング州(第10)でも同性婚をめぐる訴訟がすでに起こされていた(係争中であった)ため、もう上告はナシで、控訴裁の判決に従う(州内での同性婚を認める)ということになったのです。
 また、ネバダ州とアイダホ州は第9巡回区ですから、同様に、同じ巡回区内にあるアラスカ州、アリゾナ州、モンタナ州でも同性婚が認められることになったのです。



米最高裁、同性婚めぐる上告棄却 新たに11州で解禁へ(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3028242

米最高裁、5州での同性婚を事実上承認(ウォール・ストリート・ジャーナル)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB12645916890387823719904580198351570380426?mod=%E5%9B%BD%E9%9A%9B_newsreel_8

米最高裁「同性婚禁止は違憲」 5州の上告受理せず(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASGB67RDLGB6UHBI032.html

Supreme Court Delivers Tacit Win to Gay Marriage(New York Times)
http://www.nytimes.com/2014/10/07/us/denying-review-justices-clear-way-for-gay-marriage-in-5-states.html?_r=0

米国の同性婚、さらに5州で解禁へ 禁止法に違憲判決(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3028358

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