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LGBT法連合会が、国や自治体に差別禁止と支援を義務付ける法律の私案を発表しました

2015年05月19日

 「LGBT法連合会」が5月19日、都内で会見を開き、LGBTへの差別を禁止し、差別を受けた人への支援を国や自治体に義務付ける「LGBT差別禁止法」の考え方(私案)を発表しました。学校や職場、医療現場などあらゆる分野でLGBTへの直接的、間接的な差別やハラスメントをなくすための基本方針を政府が定め、各自治体が基本計画を策定するよう求めるものです。

 以下、LGBT法連合会のニュースリリースから、試案の詳細をご紹介いたします。

■性的指向および性自認等による差別の解消、ならびに差別を受けた者の支援のための法律に対する私たちの考え方 〜困難を抱えるLGBTの子どもなどへの一日も早い差別解消を〜

第一章 総則 (この法律の目的)
第一
 私たちは、個人の尊重と法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとって、全ての人が性的指向や性自認に係らず、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい生活を保障されるべきであると考えます。そこで、法律によって性的指向や性自認を理由とするさまざまな形態の差別を解消するとともに、差別に基づく社会的障壁の解消が進むよう、基本的な事項を定めます。同時に、行政機関や事業者に対して、性的指向や性自認を理由とする差別を解消するための取り組みを義務付けます。さらに、性的指向や性自認によって差別 を受けた人を支援するための施策を定めます。これらの法律の規定によって、性的指向や性自認 を理由とするさまざまな形態の差別の解消、差別に基づく社会的障壁の解消、差別を受けた人への支援が進み、全ての人びとが性的指向や性自認のあり方によって分け隔られることがないようにします。そのことによって、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現し、社会全体に活力に満ちることを、この法律の目的とします。

(この法律で使う用語の定義)

第二
 この法律で使う言葉は、次のように意味で定義されます。

 一 性的指向 人の恋愛感情や性的な関心がいずれの性別に向かうかの指向(この指向については、異性に向かう異性愛、同性に向かう同性愛、男女両方に向かう両性愛等の多様性があります。)をいいます。

 二 性自認 自分がどの性別であるかの認識(この認識については、自分の生物学的な性別と一致する人もいれば、一致しない人もいます。)のことをいいます。

  三 性的指向や性自認を理由とする差別 直接差別(性的指向や性自認を理由とする不合理な取扱いをいいます。関連差別や認識差別を含みます)、間接差別(外形的にみたときには性的指向や性自認を理由とする異なる取扱いではないが、特定の性的指向及び性自認の人が著しい不利益を被るような基準や慣行でその正当性が認められないものをいいます。)や社会的障壁の除去に 必要な合理的な配慮義務の不履行をいいます。

 四 関係差別 特定の性的指向や性自認の人との関係を理由とする不合理な取扱いをいいます。
 五 憶測差別 特定の性的指向や性自認を有していると他者に認識され、不合理に取り扱われることをいいます。
 六 社会的障壁 性的指向や性自認を理由に、生活を営む上で、障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいいます。

 七 差別の解消 性的指向や性自認を理由とする差別が防止され、かつ禁止されることをいいます。
 八 行政機関等 国の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体や地方独立行政法人をいいます。
 九 事業者 商業その他事業を行う者(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除きます。)をいいます。

(個人の権利と個人が責務とすること)

第三
 全ての人は、性的指向や性自認を理由とする差別をされません。
2 全ての人は、性的指向や性自認を理由とする差別その他の権利利益を侵害する行為をしてはなりません。
3 全ての人は、第一(この法律の目的)に掲げた社会を実現するために、性的指向や性自認を理由とする差別の解消とともに、性的指向や性自認を理由とする差別によって困難を抱える人を支援することが重要であることに鑑みて、性的指向や性自認を理由とする差別の解消の推進に寄与するよう努力しなくてはなりません。
 
(国や地方公共団体が責務とすること)

第四
 国や地方公共団体は、この法律の趣旨に則して、性的指向や性自認を理由とする差別を解消するとともに、性的指向や性自認を理由とする差別によって困難を抱えている人の支援など、 それぞれの推進に関して必要な施策を策定して、これを実施しなければなりません。

(社会的障壁の除去に必要な合理的な配慮のための環境の整備について)

第五
 行政機関等や事業者は、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を的確に行うために、設置する施設の構造の改善や設備の整備、関係職員に対する研修その他必要な環境を整備しなければなりません。

(性的指向や性自認を理由とする差別の解消や差別によって困難を抱える人への支援に関する、基本方針の策定について)

第六
 政府は、性的指向や性自認を理由とする差別の解消の推進に関する施策や、性的指向や性自認を理由とする差別を受けた人への支援に関する施策を、総合的かつ一体的に実施するために、性的指向や性自認を理由とする差別の解消の推進や、性的指向や性自認を理由とする差別により困難を抱える人への支援に関する基本方針(以下「基本方針」といいます)を定めなければなりません。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めることとします。

 一 性的指向や性自認を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する基本的な方向です。
 二 性的指向や性自認を理由とする差別により困難を抱える人や、関係者への支援に関する施策に関する基本的な方向です。

 三 行政機関が講ずべき性的指向や性自認を理由とする差別の解消や、性的指向や性自認を理由とする差別によって困難を抱える人への支援のための措置に関する基本的事項です。

 四 事業者が講じるべき、性的指向や性自認を理由とする差別の解消や、性的指向や性自認を理由とする差別により困難を抱える人への支援のための、措置に関する基本的事項です。

 五 その他性的指向や性自認を理由とする差別の解消や性的指向や性自認を理由とする差別により困難を抱える人への支援に関する施策の、重要事項です。
3 内閣総理大臣は、基本事項の案を作成し、閣議の決定を求めなければなりません。
4 内閣総理大臣が、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、性的指向や性自認を理由とする差別によって困難を抱える人やその他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければなりません。
5 内閣総理大臣は、3の規定による閣議の決定があったときは、すぐに基本方針を公表しなければなりません。
6 3、4、5の規定は、基本方針の変更の際にも準用します。

(基本計画の策定などについて)

第七
 都道府県は、基本方針に即して、その都道府県の性的指向や性自認を理由とする差別の解消や、性的指向や性自認を理由とする差別によって困難を抱える人への支援に関する施策の実施 に関する、基本的な計画を定めなければなりません。
2 都道府県基本計画では、次に挙げる事項について定めるものとします。

 一 性的指向や性自認を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する基本的な方向です。
 二 性的指向や性自認を理由とする差別によって困難を抱える人や、その周囲の人びとへの支援に関する施策に関しての、基本的な方向です。
 三 行政機関が講じるべき性的指向や性自認を理由とする差別の解消、また性的指向や性自認を理由とする差別によって困難を抱える人への支援のための、措置に関する基本的事項です。
 四 事業者が講じるべき性的指向や性自認を理由とする差別の解消や、性的指向や性自認を理由とする差別によって、困難を抱える者の支援のための、措置に関する基本的事項です。
 五 その他性的指向や性自認を理由とする差別の解消や性的指向や性自認を理由とする差別により困難を抱える人への支援に関する施策の、重要事項です。
3 市町村(特別区を含みます。以下同じです。)は、基本方針に即して、かつ都道府県基本計画を勘案して、当該市町村における性的指向や性自認を理由とする差別の解消や、性的指向や性 自認を理由とする差別により困難を抱える人への支援に関する施策の実施に関する基本的な計画 (以下第八では「市町村基本計画」といいます。)を定めなければなりません。
4 都道府県や市町村は、都道府県基本計画や市町村基本計画を定め、または変更したときは、すぐに、これを公表しなければなりません。
5 政府は、都道府県や市町村に対して、都道府県基本計画や市町村基本計画作成のために必要なアドバイス、その他の援助を行うよう努力しなければなりません。

(行政機関等や事業者の性的指向や性自認を理由とする差別の禁止等について)

第八
 行政機関等や事業者は、性的指向や性自認を理由とする差別をしてはなりません。
2 行政機関等や事業者は、性的指向や性自認を理由とする差別を防止するために、措置を講じなければなりません。また、差別を受けた人からの相談に広く応じ、適切に対応するために必要な体制の整備など必要な措置を講じなければなりません。
3 行政機関等や事業者は、その事務や事業を行うに当たって、性的指向や性自認を理由として困難を抱えた人から、実際に社会的障壁の除去を必要している旨の意思の表明があった場合や、社会的障壁の除去が必要であると事前に判断される場合に、その実施に伴う負担が過重でないときは、性的指向や性自認を理由とする困難を抱えている人の権利利益を侵害することにならないように、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければなりません。

(性的指向や性自認に関わる言動の禁止等について)

第九
 全ての人は、行政機関等や事業者から、尊厳を侵害されたり、脅迫的、敵対的、品位を傷つける、屈辱的な、もしくは、不快な環境を生じさせる目的や効果を持つ、性的指向や性自認を理由とする望まれない言動(以下、「性的指向や性自認に関わる言動」といいます。)を受けません。
2 全ての人は、特定の性的指向や性自認に関連して、行政機関等や事業者から、尊厳を侵害される、あるいは、脅迫的、敵対的、品位を傷つける、屈辱的、もしくは不快な環境を生じさせる目的や効果を持つ、望まれない性的な言動(以下、「性的指向および性自認に関わる性的言動」) を受けません。
3 行政機関等および事業者は、性的指向や性自認に関わる言動や性的指向や性自認に関わる言動によって不利益を受ける、またはこうした言動によって日常生活や社会生活における環境が害されることのないように、これらの言動による不利益または環境が害された人の相談に広く応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他必要な措置を講じなければなりません。

(報復の禁止について)

第十
 行政機関等や事業者は、性的指向や性自認を理由とする差別を受けたこと、または性的指 向や性自認に関わる言動で不利益を受けたこと、もしくは性的指向や性自認に関わる言動によって日常生活や社会生活における環境が害されたことを、この法律に基づいて申し出たことを理由に、不利益な取扱いをしてはなりません。

(国等職員の対応要領について)

第十一
 国の行政機関の長や独立行政法人等は、基本方針に即して、第九から第十一に定める事項に関して、国の行政機関の長や独立行政法人等の職員が適切適切に対応するために必要な要領(以下「国等職員対応要領」といいます)を定めます。
2 国の行政機関の長や独立行政法人等は、国等職員対応要領を定めようとするときは、あらかじめ、性的指向や性自認を理由とする差別によって困難を抱える人その他関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければなりません。
3 国の行政機関の長や独立行政法人等は、国等職員対応要領を定めたときは、すぐに、これを公表しなければなりません。
4 2、3の規定は、国等職員対応要領の変更について準用します。

(地方公共団体等職員の対応要領について)
第十二
 地方公共団体の機関や地方独立行政法人は、基本方針に即して、第九から第十一に定める事項に関して、その地方公共団体の機関や地方独立行政法人の職員が適切に対応するために必要な要領(以下「地方公共団体等職員対応要領」といいます)を定めます。
2 地方公共団体の機関や地方独立行政法人は、地方公共団体職員対応要領を定めようとするときに、あらかじめ性的指向および性自認を理由とする差別によって困難を抱える人その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければなりません。
3 地方公共団体の機関や地方独立行政法人は、すぐに、これを公表しなければなりません。
4 国は、地方公共団体の機関や地方独立行政法人による地方公共団体等職員対応要領の作成に協力しなければなりません。
5 2、3、4の規定は、地方公共団体等職員対応要領の変更について準用します。

(事業者のための対応指針について)

第十三
 政府は、基本方針に即して、第九から第十一に定める事項に関して、事業者が適切に対応するために必要な指針(以下「対応指針」という。)を定めるものとします。
2 第十一の2~4までの規定は、対応指針について準用します。

(報告の徴収や助言、指導および勧告について)
第十四
 主務大臣は、第八、第九に規定の施行に関し、特に必要があると認めるときは、対応指針に定める事項について、その事業者に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができます。

(企業名の公表について)

第十五
 主務大臣は、第九、第十の規定に違反している事業者に対して、第十五の規定による勧告をした場合に、その勧告を受けた者が従わなかったときは、その旨を公表することができます。

(性的指向や性自認を理由とする差別に関する困難相談支援センター等の設置)
第十六
 都道府県は、その都道府県が設置する婦人相談所、児童相談所その他適切な施設において、その各施設が性的指向や性自認を理由とする差別に関する困難相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとします。
2 市町村は、その市町村が設置する適切な施設において、当該各施設が性的指向や性自認を理由とする差別に関する困難相談支援センターとしての機能を果たすものとします。
3 性的指向や性自認を理由とする差別に関する困難相談支援センターは、性的指向や性自認を理由とする差別の解消や差別を受けた人への支援のため、次に掲げる業務を行うものとします。
 一 差別を受けた人やその関係者に関するそれぞれの問題について、相談に応じることや、婦人相談員等もしくは相談を行う機関を紹介します。
 二 差別を受けた人の心身の健康を回復させるため、医学的または心理学的な指導その他の必要な指導を行います。
 三 差別を受けた人が自立して生活することを促進するため、就業の促進、援護等に関する制度の利用等について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行います。
 四 性的指向や性自認を理由とする差別に関する困難相談支援センターは、その業務を行うに当たって、必要に応じて、性的指向や性自認を理由とする差別の解消や差別を受けた人への支援の活動を行う民間の団体との連携に努力します。

(相談員等による相談対応等について)
第十七
 相談員等(婦人相談員、児童相談員等)は、差別を受けた人の相談に応じて、必要な指導を行うことができます。

(啓発活動の実施について)

第十八
 国や地方公共団体は、性的指向や性自認を理由とする差別の解消について、国民の関心と理解を深めるとともに、特に、性的指向および性自認を理由とする差別の解消を妨げているさまざまな要因の解消を進めるため、必要な啓発活動を行うものとします。

(情報の収集や整理、調査研究の推進について)

第十九
 国は、性的指向や性自認を理由とする差別を解消するための取組に貢献するよう、国内外の性的指向や性自認を理由とする差別や、その解消のための取組に関する情報の収集、整理や 提供を行うとともに、差別を受けた人への支援をするための方法等に関する調査研究の推進、人材の養成や資質の向上を行うものとします。

(性的指向や性自認による差別解消支援地域協議会について)

第二十
 国や地方公共団体の機関で、医療、介護、教育その他の性的指向や性自認の人権擁護や支援に関連する分野の事務に従事する人は、その地方公共団体の区域において関係機関が行う性的指向や性自認を理由とする差別に関する相談や相談事例にかかわる事例を踏まえた性的指向や 性自認を理由とする差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行うために、関係機関によって構成される性的指向や性自認による差別解消支援地域協議会を組織することができます。
2 1の規定によって協議会を組織する国及び地方公共団体の機関は、必要があると認められるときには、協議会に次に挙げる人を構成員として加えることができます。
 一 特定非営利活動法人や支援団体その他団体等

 二 学識経験者

 三 相談員

 四 その他当該国及び地方公共団体の機関が必要と認める者

(協議会の事務等について)

第二十一
 協議会は、第二十の1の目的を達成するために、必要な情報を交換するとともに、性的指向および性自認を理由とする差別を受けた人からの相談やその相談にかかわる事例を踏まえた性的指向や性自認を理由とする差別を解消するための取組に関する協議を行うものとします。
2 関係機関や第二十の2の構成員は、1の協議の結果に基づいて、その相談にかかわる事例を踏まえた性的指向および性自認を理由とする差別を解消するための取組を行うものとします。
3 協議会は、1に定める情報の交換及び協議を行うため必要があると認めるときや構成機関等が行う相談やその相談にかかわる事例を踏まえた、性的指向や性自認を理由とする差別を解消するための取組に関して、他の構成機関等から要請があった場合に、必要があると認めるときは、構成機関等に対し、相談を行った性的指向や性自認を理由として困難を抱える人の差別に係る事 案に関する情報の提供、意見の表明、その他の必要な協力を求めることができます。
4 協議会の庶務は、協議会を構成する地方公共団体において処理します。
5 協議会が組織されたときは、当該地方公共団体は、その旨を公表しなければなりません。

(秘密保持の義務について)
第二十二
 協議会の事務に従事する人や協議会の事務に従事していた人は、正当な理由なく、協議会の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはなりません。

(協議会の定める事項について)

第二十三
 前三条に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定めます。

第二章
各則

(子ども・教育分野において差別の解消等が適用される場面)

第二十四
 子ども・教育分野において、本法が規定する差別の解消等が適用される場面は、学校における、入学、学級編成、転学、除籍、復学、卒業、授業、課外授業、学校行事その他教育に 関する全ての事項です。
 
(雇用分野において差別の解消等が適用される場面)

第二十五
 雇用分野において、本法が規定する差別の解消等が適用される場面は、募集及び採用の機会、賃金、労働時間、配置、教育訓練、昇進、昇格、降格、福利厚生、職種および雇用形態の変更、労働契約の更新、退職の勧奨、定年、解雇、再雇用、安全衛生その他の労働条件に関す る全ての事項です。

(医療分野において差別の解消等が適用される場面)

第二十六
 医療分野において、本法が規定する差別の解消等が適用される場面は、医療機関(病 院、診療所、助産所、調剤を行う薬局)における、診療、施薬、疾病の予防、リハビリテーション、入院、およびそれらに付帯する手続きやサービス、個人情報の授受等に関する全ての事項です。

(公共サービスの分野において差別の解消等が適用される場面)

第二十七
 本法が規定する差別の解消等が適用される場面は、行政機関等の提供する公共サービスの手続きとその利用(有償、無償を問わず)に関する全ての事項です。

(民間事業分野(商品・製品・役務・金融・保険・不動産等)において差別の解消等が適用される場面)

第二十八
 本法が規定する差別の解消等が適用される場面は、各種民間事業(商品・製品・役務・金融・保険・不動産等)の利用に関する全ての事項です。

(司法手続分野において差別の解消等が適用される場面)

第二十九
 本法が規定する差別の解消等が適用される場面は、法的手続きに関する全ての事項です。

第三章
雑則

(主務大臣について)

第三十
 この法律における主務大臣は、対応指針の対象となる事業者の事業を所管する大臣又は国家公安委員会となります。

(地方公共団体が処理する事務について)

第三十一
 報告、徴収、勧告に関する庶務大臣の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、地方公共団体の長その他執行機関が行うことにすることができます。

(大臣の権限の委任について)

第三十二
 この法律の規定によって主務大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところによって、その所属の職員に委任することができます。

(政令への委任について)

第三十三
 この法律に定めるもののほかに、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定めることとします。

第四章
罰則

(秘密保持義務違反について)

第三十四
 秘密保持義務に違反した者は罰金に処されます。

(報告徴収等の違反について)

第三十五
 報告・徴収の義務規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、過料に処されます。


 いかがでしょうか。学校や職場など、生活のあらゆる場面で平等を実現しようということ(同性パートナー法もこうした筋道から達成されていくかもしれません)、支援センターや協議会を設けようとする点など、実によく考えられた画期的な内容ではないでしょうか。これが制定され、国や自治体が取組みを開始したら、これまでよりも格段にLGBTが生きやすい社会になることでしょう。
 LGBT法連合会によると、私案は障害者差別解消法などを参考に作成されました。約70カ国で、すでに基本的人権としてLGBTへの差別を禁止する法律があるといいます。同会の永野靖弁護士(日本で初めてゲイであることをカミングアウトした弁護士さんです)は「性的指向や性自認は自ら選べず、変えられない。法的根拠が差別解消への後押しになる」と語りました。
 今後、同会は、LGBTへの差別をなくすための法的課題を検討している超党派の国会議員連盟に私案を提出し、制定を働きかける予定だそうです。


LGBT差別禁止法:国や自治体に義務付けの「私案」発表(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150520k0000m040021000c.html

性的少数者が差別禁止の市民法案 政府に働き掛け、立法目指す(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015051901001619.html

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