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映画祭代表・宮沢英樹さんにインタビュー

いよいよ7月9日からスタートする第19回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(以下「映画祭」)。パレード等と同様、映画祭もボランティアベースで運営されているコミュニティ・イベントです。その代表をつとめる宮沢英樹さんに、インタビューをお願いしました。

映画祭代表・宮沢英樹さんにインタビュー

映画祭は上映作品(プログラム)を選定する人、企業の協賛を取り付ける人、広報担当の人、ボランティア・コーディネーター、字幕をつける人(翻訳)などのほか、当日も、会場でチケットを売ったり、ブースに入ったりなど、様々なボランティア・スタッフの人たちで運営されています。宮沢英樹さんは長年、映画祭の代表として表に立ち、映画祭の「顔」としての役割をつとめてきた方です。でも、宮沢さんはボスという響きからはかけ離れた、温厚でほんわかしたキャラクターの持ち主です。そんな彼だからこそ、いろんな人が参加している組織がうまく回っていくのかもしれないな、と思いました。(聞き手:後藤純一)
※画像は今年の映画祭で上映される作品のスチールです


「ボーイズ短編集」より『ただの友達?』
——宮沢さんはそもそもいつ頃から映画祭に関わってるんですか?

最初に関わったのは第8回(1999年)。その時は当日のボランティアとして、チケット切り係をしていました。

——それがけっこう楽しかったんですね。

そうですね。実はそれ以前に映画祭に遊びに行ったことはなくて、ホームページのボランティア募集を見て応募したんです。その頃は二丁目に行きはじめて1年くらいで、何かやりたいなっていう時期だったんです。

——パレードでもよかったんだけど、何かイベントを手伝いたかったと。そうしたらたまたま映画祭があって、やってみたらハマったわけですね。

ハマったのかハメられたのか(笑)。次の年には「ボランティア・コーディネーターが空いてるけど、やってみない?」と言われて。

——代表はいつから?

11回目からです。

——今年で9回になるんですね。すごい。

そうは言っても、代表らしいことはあまりしてないんですけど…。何とかみんなといっしょにやってきました。

——ここまで来るのに、様々あったと思います。ここが大変だったとか、これは本当によかったとか、教えてください。

いろいろありすぎて(笑)。僕が入った当初は、トラブルが当たり前で。上映にフィルムが間に合わなかったり、字幕が合わなかったり。大変なことは山ほどあります。逆によかったのは、映画祭を通じていろんな人と会えたこと。僕が続けてる理由でもあるけど、映画を楽しんでくれてる人を見られること。

——みんなが映画を楽しんでくれているのが何よりの喜び。

セクシュアリティについての映画祭ということで、少し異質といえば異質だけど、とても楽しい映画祭。ノンケの人も来てくれる。それを続けたくて毎年やっている。


「ボーイズ短編集」より『テディ』

——とは言え、みなさん、お仕事のかたわら、ボランティアでやってるので、本当に大変だと思います。

そうですね。全員がボランティアで、同じ思いでやっていて。続けたいっていう人が集まってやってる。終わった瞬間の充実感のために、大変さは覚悟のうえで、乗り越えてる。

——それでも、疲れちゃってしりつぼみじゃなく、バルト9でやるようになり、話題の作品をいち早く上映し、観客動員数も増えて…っていうふうに規模が大きくなってるのがスゴイ。


スタッフの力です。プログラマーが話題のある作品を引っ張って来てくれて。バルト9でできるようになったのも、やりたいというスタッフが頑張ってくれた結果。

——コミュニティ・イベントで19年も続いてるのって映画祭だけですよね。毎年着実に実績を積み重ねているのは本当に素晴らしいと思います。長年続けてこれた秘訣は何でしょう?

とにかく、毎年楽しみにして来てくれるお客さんに応えたいという気持ち。スタッフも映画祭で楽しみたいという気持ち。それと、一度でも途切れちゃうと次につなげるのが難しいかな…ということが多いので、続けていこうと。

——代表の方がほんわかしたキャラクターなので、それぞれのスタッフがのびのびやれるのかな?とも思います。

どうなんでしょう…実感がわかないです。続けたいと思う人が一人でもいればやるし、僕は何かあったときに謝ったりするのは構わないと思っています。

——責任を取るよ、と。男らしいですね。

でも、代表をやりたいと言ってくれる人も大募集してます(笑)


『スプリングフィーバー』

——今年の映画祭の見どころ・お楽しみどころは特集でお伝えしましたが、他に何か、今年ならではの要素ってありますか?

実は、第5回から第7回までパンフレットのデザインをやってくれた方が、今年、突然亡くなったんです。そこで、映画祭としても追悼の企画をやろうと思っています。30秒くらいのスライドショーを上映前に流す予定です。

——それは素晴らしい! 本当に才能あるデザイナーさんで、僕も愛していました。心からご冥福をお祈りします…。本当に様々な人たちが関わってきた歴史ある映画祭ですが、来年はいよいよ20周年ですね。

はい。20周年では、過去を振り返りつつ、次につなげられるような、ちょっとしたことをやりたいね、と話しています。お祭り的要素も、コミュニティ的要素も、1つ1つ大切にして。そのためにも今年をしっかりやりたい。とは言え、今年は作品の発表やパンフレットの製作が遅れたりもして…問題は山積みですが…。来年につなげられるようがんばりますので、ご協力をどうぞよろしくお願いします。

——最後にひとこと、お願いします。

映画も手軽にDVDやPCで見たりできるようになって、わざわざ映画館に足を運ばなくていい時代になったのかもしれませんが、映画祭で映画を見るのはふつうの映画館とぜんぜん違うと思います。いっしょにその場で楽しめる、独特の楽しさがあります。ぜひ、会場でそういう雰囲気を味わってほしいと思います。

——どうもありがとうございました! 今年も楽しみにしてます。