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レポート:第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(1)

10月7日(金)、いよいよ表参道のスパイラルで第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が開幕しました。あるいは華やかに、あるいは感動的に、20回目を記念する数々の催しが企画され、素晴らしい幕開けとなりました。初日から順々に、映画や会場の様子をレポートしていきます。

レポート:第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(1)

(オープニングイベントの1シーン。
左から代表の宮沢さん、レスリー・キーさん、MCのマーガレットさん)


初日:10月7日(金)


今回、BEAMSの協賛で
スタッフTシャツが作られました!

来場者の方たちに
シャンパンが振る舞われました!

オープニング作品上映後のトーク

アルファロメオの映像も鑑賞
 19時半頃、表参道のスパイラルに到着すると、まず、宮沢さんがおっしゃってたように、階段の踊り場のところにキース・へリングの作品が展示されていました(協賛:中村キース・ヘリング美術館)。そして、その横にできていたチケットを求めるお客さんの長蛇の列に驚きました。ホワイエ(ロビー)に上がると、たくさんの人たちがシャンパンを飲みながらお友達や恋人とワイワイやっていて、そのにぎやかさに圧倒されました。いつものドリンクブースのほかに、入口入ってすぐのところに特別にフレシネのシャンパンをふるまうブースが出ていて、お客さんたちはウェルカム・シャンパンをいただき、ちょっとしたセレブ気分で友達や彼氏と談笑し、素敵な時間を楽しんでいたのでした。

 20時、オープニング作品『ロミオ』上映の前に、20回の歴史を振り返るスペシャル・フィルムが上映されました。最初に中野の会議室でやってた頃の貴重な映像、それから、この映画祭を立ち上げた南定四郎さんと宮沢さんのツーショット写真…20回にふさわしい、ちょっと感動的な、意義のあるフィルムでした。
 それから、第20回記念のオープニングイベントが始まりました。MCはもちろん、マーガレットさん(もう映画祭のMCを18年もやってるそうです)。そして、宮沢さんの挨拶があり、本日のスペシャルゲスト、レスリー・キーさんが登場しました。
 映画『ロミオ』は、社会生活を送るうえでも、恋人を見つけるうえでも、僕らゲイよりもずっとつらくてしんどいFTMのルーカスが、時に自分のことしか見れなくなったり、時に絶望しかけたりしつつも、真っ直ぐに理想の未来に向かって進んでいく…という物語でした。とにかくルーカスが美しく、ファビオは殺人的にセクシーで、ラストが素晴らしかったです(あんなにエロティックなシーンで泣けるってなかなかないと思います)。上映後には拍手が起こっていました。
 上映後のトークショーでは、グッド・エイジング・エールの松中さんも登場し、ゲイマーケットについて、ゲイの未来について語り合いました。レスリーさんが今年11月にボーイフレンドとニューヨークで同性婚するということを発表し、大きな拍手が贈られました。

 本当に素敵な週末の夜となりました。映画祭スタッフの方たちに感謝!です。



二日目:10月8日(土)


スパイラルの前には
大きなレインボーフラッグが

Softbankのブースでは
オリジナルの缶バッジをプレゼント!

Googleもオリジナルグッズなどを配布!

L&G Timpaniのお二人も元気です!

 秋晴れのさわやかな陽気だったこの日は、昼間から会場にたくさんの方たちが詰めかけました。

 最初のプログラム『LAに恋して』で主演のマシュー・ラドウィンスキーさんが登場し、「超かわいい!」と大評判だったそうです。明日の夜にも登場しますので、ぜひお出かけください。
 2本目は男の子になりたい女の子を描いた『トムボーイ』でした。美しくて強くて妹思いのミカエル(ロール)のキャラクターの魅力には、誰もがトリコになることでしょう。それだけに、トランスジェンダーであるがゆえに受ける社会的制裁の残酷さが際立っていました。
 3本目は『シェリー・ライト――カントリー・シンガーの告白』。カントリー(日本で言うと演歌)という、白人中産階級の保守的な価値観を体現した音楽の世界でスターになったシェリー・ライト。彼女が父親にカムアウトしたとき、父親は「これからも何も変わらないよ」と言ってくれたそうです。「だって本当にいい子なんだから」。そして姉は、「これから、レズビアンである妹を誇りに思うって言うことが私の仕事になるのね」「子どもたちに、何か学校で言われたら言い返してやるように言うわ」と語り、シェリーを抱きしめました。シカゴプライドでは姉や甥もいっしょに歩いていました。(しかし、カントリー業界では反発も根強く、シェリーが今後、カントリーシンガーとしてやっていけるのかはわからないそうです。それでも彼女は「後悔していない」と語っています)
 そうしたトランスジェンダーとかレズビアンものの映画のときにも、ゲイの観客たちが大勢来ていたのが印象的でした。上映後、何人も知っている人に会ったのですが、「映画祭に来たの初めて。すごい素敵!」とか「(『シェリー・ライト――カントリー・シンガーの告白』を観て)まさかこんなに泣けると思わなかった。ハンカチ持ってくればよかった」と言っていて、それぞれに充実した時間を過ごせたようでした。
 4本目の『ボクらのはっちゃけウィークエンド—Eating Outシリーズ』の上映前には、やはりホワイエ(ロビー)がゲイだらけに。オシャレ系ゲイだけでなく、二丁目のイカニモ系な方たち、ふつうっぽい方たちなどなど、いろんなタイプの人たちが大集合!という趣でした(きっと、誰もが絶対にイケる人を見つけられたハズ!)
 また、この日は会場でTOOTのオリジナル・イメージブック(あのアバクロのカタログの日本版みたいなハイクオリティなセクシー写真集。非売品)が配布されていました。(数に限りがある模様。もらえた方はラッキーでしたね!)

 20周年らしく、今回は、映画だけでなく、華やかで、にぎやかで、セクシーで、お得感が満載な、いろんなお楽しみが味わえるお祭りになっています。
 明日はaktaなどの方たちが登場する『あの頃、僕らは——いま語られるエイズの記憶』、『LAに恋して』などが上映されます。明後日は『ボクらのはっちゃけウィークエンド―Eating Outシリーズ』やクロージング作品『カブーン』などが上映されます。お時間ある方、ぜひ、お出かけください!

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