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レポート:gaku-GAY-kai 2012
12月29日・30日、年末恒例の「gaku-GAY-kai 2012」が開催され、大勢の観客がゲイテイストな芝居やショーを心ゆくまで楽しみました。

12月29日・30日、年末恒例のお楽しみイベント「gaku-GAY-kai 2012」が、新宿3丁目(ほぼ二丁目)のスペース「雑遊」で行われました。「gaku-GAY-kai」はゲイの劇団フライングステージ&そのお友達を中心に、かれこれ16年も続けられてきたコミュニティイベントで、「これを見なきゃ年が越せない」と言う方もいるほどです。今回は3公演ともチケットが全席完売で、30日などは大雨だったにもかかわらず、当日券(キャンセル待ち)の人までいらっしゃる盛況ぶりでしたレポートをお届けします。(後藤純一)





ジョバンニはカンパネルラのことを好きなんだろうとクラスメイトにからかわれています(宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」です)。活版印刷所のバイト(拾った文字は「ゲイ疑惑○田○二」)のあと、病弱な母親(エスムラルダさん)のために牛乳を買いに出たところで、エーテルという黒ずくめの美女に出会い(ここであのアニメが混ざってきます)、「心の痛みも感じなくなるのなら」と、銀河鉄道に乗ることを決意します。なぜかそこにカンパネルラや宮沢賢治も乗り込んできて、いっしょに旅をします。白鳥の停車場では、職人たちが化石を採掘しています(掘り出されたのは「薔薇族」や「さぶ」)。鷲の停車場で現れたのは、ピンクトライアングルを胸につけた人、そしてマシュー・シェパードくん(ゲイであるがゆえに殺された人たち)です。アンドロメダに着くと、エーテルが実は男性であること、女王(座長の関根信一さん)が息子代わりに男の子を欲しがっていることが明かされます。ジョバンニとカンパネルラはおたがいに好きだと告白をして女王を怒らせます(「同性婚なんて絶対に認めないよ」と言うセリフ、ウケました)。そこから急にアクション調になり、「クイーン・エスムラルダス」や「ハーロッくん」も加勢し、見事、女王に勝利します。そこでジョバンニは夢から醒めるのです…
ちなみに、○GENJIの「スターライト」やEXILEのアレ、Perfumeの「NIGHT FLIGHT」など、銀河鉄道をイメージした曲のダンスシーンも楽しく、今話題のレミゼによる歌も随所に盛り込まれ、ちょうど「glee」のようなミュージカル風ゲイドラマになっていました。
胸がスカっとして、大いに笑えて楽しめる(そしてちょっと感動する)、素晴らしくゲイテイストな舞台でした。




トップバッターは関根信一さん。女優になりきり、姉妹の複雑な感情を綴った川端の短篇を朗読。引き込まれました。
水月モニカさんはレズビアンエロチカと題し、女性どうしの恋心を綴った物語を朗読しました。
アイハラミホさんはダイナマイトバディをゆさゆさ揺らし、底抜けに明るい、ダイナミックなダンスで会場を熱く盛り上げました。
モイラさんは今回も美しいダンスを披露しました。
中森夏奈子さんは、今年も恒例の明菜ものまね生歌ショー。歌もしゃべりもソックリなうえに、胸が詰まって歌えなかったりキー下げを要求したりと小技もきいて、爆笑モノでした。
ダンサー&俳優(映画『初戀』の準主役でしたね)の松之木天辺さんは、若手イケメンダンサーと組んで、男のフェロモンたっぷりなダンスで観客を魅了しました。
初登場のP-Loveは、ゆるいトークを間にはさみながら、ゲイに人気なアイドルグループの曲を次々に踊るという出し物でした。
ジオラママンボガールズの「結婚宣言」。留袖を着て黒い頭巾をかぶった関根さんが寺山的だったり、結婚したものの夫に殴られ、浮気され、それでも「愛しているわ」と歌う「私の彼」という曲を笑顔で演じたり、素晴らしく演劇的なショーでした。
トリはエスムラルダ。ホイットニー追悼のショーや「天城越え」豪華版をやりちぎり、オリジナル曲「エスムラルダでマンボ」を歌い、最後に出演者が全員ステージに登場し、華やかなフィナーレを迎えました。
こうして今年も、随所にゲイテイストがにじみ出るお楽しみイベントが幕を閉じました。
長時間座って見て(手拍子などもして)くださったお客様、出演者&スタッフのみなさん、本当におつかれさまでした!
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