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レポート:Rainbow Festa!&関西レインボーパレード2013
10月12日(土)、大阪の扇町公園で関西レインボーパレードと連動した野外フェスティバル「Rainbow Festa!」が初開催されました。レポートをお届けします。
「Rainbow Festa!」が初開催された10月12日(土)は、10月にしては異例の暑さで、朝から強い日差しが照りつける一日となりました(おかげで思いっきり日焼けしました)
扇町公園の会場には特設ステージやさまざまなブースが並び、思い思いの恰好をした方たちが集まりました。
海外のプライドイベントで人気
の「ベアフット」というワイン
を提供していたサントリー
2010年まで「PLuS+」を開催
し、ゲイコミュニティに多大な
貢献をしてきたMASH大阪
レインボーカラーのつなぎが
目立っていた「和み家」
いちばん人気だったのは、たぶんサントリーのブースです。サンフランシスコやアムステルダムなど、世界中のプライドパレードに協賛している「ベアフット」というワインをふるまってくれていました。LGBT的に意味のある商品を紹介してくれただけでも素敵ですし、さらにそれを無料で提供してくれていたのも素敵!でした。
そのお隣りは、淀川区と都島区、阿倍野区の共同ブース。区の職員さんがブースに立って、フランクフルトやドリンクを販売、売上げをすべてイベントに寄付するという活動にボランティアで参加されていました(頭が下がります)
堂山のコミュニティセンター「dista」もブース出展していました。MASH大阪の隊長さん、ドラァグクイーン姿のスタッフの方などがいらしてました。
セクシュアルマイノリティサークル「和み家」はレインボーのつなぎでアピール。とても元気のいい方たちばかりで、楽しそうでした。
尾辻かな子さんのお母様が立ち上げた「LGBTの家族と友人をつなぐ会」は、兵庫県の人権指針に性的指向のことも盛り込んでもらえるように活動中だそう。また、13日に公示された神戸市長選では候補者アンケートを行ったそうです。
他にも、今ものすごい活躍をしている虹色ダイバーシティ、レインボーマーチ札幌にも参加していたLOVE PIECE CLUB、G-FRONT関西、関西の学生サークルなど、さまざまなグループが出展していました。
モデルのHiROMIさん
ニューハーフ花嫁モデル・
麻倉ケイトさん
淀川区長の榊正文さん
続いて、日本で初めてファッションモデルとしてレズビアンであることをカミングアウトしたHiROMIさんが登場し、トークショーを行いました。
それから日本初のニューハーフ花嫁モデル・麻倉ケイトさんがセクシーな衣装でライブを披露しました。
シンガーソングライターの太田裕哥さんは、ピアノ弾き語りでレディー・ガガの「Born This Way」などを聴かされてくれました。
ブース紹介その2では、虹色ダイバーシティの村木真紀さんや、都島区長の田畑龍生さんらがスピーチしました。
そして、9月にLGBT支援宣言を発表し、区役所にレインボーフラッグを貼り出したことでも話題になった淀川区長の榊正文さんが登場。来年1月13日に1000人収容のメルパルクホールでLGBT成人式を開催することを発表、また、淀川区ではふるさと納税の使途をLGBT支援活動と指定できることを紹介、「この大阪から日本を変えていこう!」と熱いスピーチをして、大きな拍手を浴びました。札幌の上田市長に続き、行政の長がこうして来場し、スピーチをしてくれたのは、スゴいことです。
14時、G7の演奏に見送られながらパレードがスタート! まず、扇町公園を出て天神橋筋に出たところでフロート(軽トラ)と合流し、大通りをパレードしました。
今回は関パレミュージックフロート(DJはトラックの助手席に座っていた女性の方でした。カッコいい!)、アポテケによるDJフロート(ガーデニング風味で飾り付けした小さなトラックで、オシャレDJで参加者を盛り上げていました)、カラフルミックスバンド、撮影禁止ゾーンという4つの隊列に分かれて行進しました。
レインボーフラッグやお手製のプラカードを掲げたパレードの一行は、天神橋筋を北上し、天六の交差点を左折、都島通を堂山方面に歩き、天五中崎通り商店街(おいでやす通り)入口横(中崎町1丁目の交差点)を曲がって南に進み、扇町小学校と山西福祉記念会館の角を曲がって公園に戻るという約2kmの道のりを、晴れやかに歩きました。
長年、全国のパレードを巨大なフラッグ(やコンドームなど)で彩り、名物的な存在となってきたdonさん&トムさん、ここ数年各地のパレードで人気を博しているポケモン軍団の方たち、ピーターパンのコスプレの方、ドラァグクイーンの方、いろんな恰好の方が参加していました。外国人の方たちもたくさん歩いていたほか、お子さんもいましたし(中には「こどもを差別しないで」というプラカードを持った男の子も。スゴイ!)、東京大行進のフラッグを持った方もいらしたり、ノンケさんもたくさん参加していた印象です(「異性愛者ですが、ハグしたい」というプラカードが素敵でした)
15時過ぎ、パレードのクロージングとして参加者の人数が発表されました。今回の参加者は800人だったそうです。それから、パレードで持って歩いたレインボーの風船を、カウントダウンとともに一斉に空にリリース。澄みわたった青い空にたくさんの風船が浮かび、歓声があがりました。
それから改めて、アポテケのライブがスタート。Eテレ「ハートネットTV」の特集「多様な”性”と生きている」のテーマ曲にもなった「Super Gays」も歌ってくれましたし、今回のイベントのテーマ曲「OurVoices」では、手話サークルの方と共演しました(これに限らず、多くの演目で手話通訳がついていました)。ステージ前では大勢の方が手を振り上げたり踊ったりしながら、ライブを楽しみました。
最後に、NLGR+や東京レインボープライドにも出演した名古屋のガールズグループ・NSM48が登場。「ヘビーローテーション」「恋するフォーチュンクッキー」などみんなが踊りやすい曲を次々に、元気いっぱい披露し、ゲイもレズビアンも「そうでない人」もいっしょに楽しく踊り、ものすごい盛り上がりを見せました。「この歌の歌詞には私たち、特に思い入れがあるんです」と言って披露した「少女」も胸に染みました。「これからももっとセクシュアルマイノリティのことを伝えていきたいと思います!」という彼女たちの真っ直ぐな姿に元気をもらった方は多いはず(彼女たちはこういうイベントの行き帰りの時、決まって、セクシュアルマイノリティの権利や未来のことについて語り合うそうです)。NSM48の魅力を改めて感じました。
そしてクロージング。実行委員やスタッフの方がステージに上がり、パレードの共同代表をつとめてきた林もやしさんが、涙ながらに挨拶し、感動の閉会となりました。
終了後、Rainbow Festa!代表の方にお話を聞いてみました。これだけのイベントを開催するのは本当に大変だったと思うのですが、苦労とかよりも「来年はもっともっと大きくやりたい。芸人さんを呼んだり、関西ならではの企画も!」と来年に向けての抱負を熱く語ってくれました。まるで文化祭のように手作り感満載でアットホームな魅力あふれるイベントでしたが、その秘密はやはり、スタッフのみなさんの若さとパワーにあった気がします。
扇町公園での野外フェスティバルと言えば、MASH大阪主催の「PLuS+」 を思い浮かべる方も多いと思います。「PLuS+」はHIV予防や陽性者支援をテーマとした大規模な野外フェスティバルで、ゲイ・バイセクシュアル男性の 方を中心にした(それだけにゲイカルチャー満載な、本当にゴージャスでエンターテイメント性の高い)コミュニティイベントでした。今回の「Rainbow Festa! + 関西レインボーパレード」は、レズビアンやバイセクシュアル女性、トランスジェンダーの方、その他さまざまなセクシュアルマイノリティの方、そして企業や 団体、行政などアライ(支援者)の方もたくさん参加し、もっと「誰でも楽しめる」テイストのイベントになっていたと思います。(でも、Rainbow Festa!代表の女性の方は「PLuS+を再現したかったんです」と語っていて、バトンが渡されたというか、思いはちゃんと伝わっていくんだな…と実感できて、とてもうれしかったです)
ともあれ、初めてのイベントをやり遂げるためにはいろいろご苦労も多かったことしょう。本当におつかれさまでした。今年参加できなかった方も、来年はぜひ、大阪に!
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- 09.21DAYDREAM
- 09.21ジューシィー!
- 09.21デブも専ナイト -15th Anniversary-
- 09.21前髪系ナイト in OSAKA