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レポート:MALE ART 2022 男のフェチズム展2
男性をモチーフに絵を描く5名のアーティストによるグループ展「MALE ART 2022 男のフェチズム展2」が開催中。それぞれの才能や個性が光る、男のフェチズムを堪能できる素晴らしい展覧会です。
男性をモチーフに絵を描くFUMさん、Shinji Horimuraさん、TORAJIROさん、成瀬ノンノウさん、奥津直道さんの5名のアーティストによるグループ展「MALE ART 2022 男のフェチズム展2」が新宿眼科画廊にて開催中です。それぞれの才能や個性が光る、男のフェチズムを堪能できる素晴らしい展覧会でした。レポートをお届けします。
今回の「MALE ART 2022 男のフェチズム展2」は、昨年7月に開催された「MALE ART 2021 男のフェチズム展」に続く第2弾です(昨年の展示の様子がこちらに掲載されています)。昨夏は緊急事態宣言が出ていたこともあり、行くのをためらってしまったのですが、今回こそは!ということで、ちょっと汗ばむ夏の日の夕方、歌舞伎町まで見に行ってきました。
新宿眼科画廊はこれまでも何度かその名前を聞いていたのですが、行くのは今回が初めて。靖国通りからゴールデン街横の散策路(新宿遊歩道公園)を歩き、出たところをそのまま真っ直ぐ道なりに行くと、右手にあります。路面店で、ガラス張りで外から見えるのですぐわかります。
入ってすぐの空間は、広めのスペースで、テーブルと椅子も置かれ、画集を手に取って見たり、座って休みながら鑑賞したりできるようになっていました。
右側がShinji Horimuraさんの作品でした。こちらでもご紹介しましたが、昨年10月に大阪で「エスニック ジャパン vol.2」という個展を開催されいて、とても気になっていた方です。たぶんこれはこの人がモデルなんだなとわかる、裸でご飯を食べてる絵、浴衣や褌姿の男たちの絵、夏にふさわしい祭りを感じさせる絵など、日本男児の漢の色気や和装の魅力が存分に表現されていて、とても素敵でした。
正面には奥津直道さんの作品が展示されていました。こちらやこちらでもご紹介しているように、奥津直道さんは伝統的な日本画のタッチで筋骨隆々な男たちを描いている方で、以前から銀座の画廊などで何度も個展を開催してきています。今回はちょっとSMテイストだったりする作品もありました。褌姿の逞しい男性のセクシーさが様々な和のテイストと見事に調和した作品たちでした。
左側には成瀬ノンノウさんの作品。初めて拝見したのですが、ロン毛の美少年だったり、ヤンキーっぽい男性だったり、足で漫画を押さえながらペヤング食べてる男性だったり(これはいいですね。男っぽさ感じます)、DAZZLEという独特な縞模様が描かれた裸体だったり、とても個性的で面白かったです。成瀬さんは女性のアーティストで、“見る男性、見られる女性”という社会通念への批判として男性の絵を描いているそうです。
この部屋の奥のほうに、さらに2部屋、展示スペースがありました。
奥の右側のスペースが、FUMさんの作品です。AiSOTOPE LOUNGEのトイレの壁画を手がけた方です。ちょっとぽっちゃりした感じの男性がノーパンでしゃがんでたり(わかります。エロいですよね〜)、アイスがお尻に挿さってたりといったシチュが90年代〜2000年頃の原宿・渋谷カルチャーやポップでファンシーなテイストで描かれ、センスあるフェチみが炸裂していました。好きです。もっとたくさん見たいと思いました。
そして奥の左手のスペースが、TORAJIROさんの作品。みんなが好きそうなガチムチ系の男の子の絵が並びますが、ただ「かわいい」や「セクシー」を追求した作品ではないということが、「“日常”という名の箱舟」という作品からもわかります。戦争、原発、地球温暖化…いろんな不安や恐怖に怯えながら、この美しい世界がいつまで続くのかわからないまま日常という箱舟で暮らしている僕たちの姿を、かわいい動物たちと一緒に描いた作品。素晴らしかったです。公式サイトを見ると、TORAJIROさんは社会問題を背景に怒りや悲しみを絵を通して伝えていること、その作品に描かれた男の子たちが笑っていないのはセクマイであることによる孤独感や不安の表現であることなどがわかります。そうやって見ると、ジムで体を鍛えて大きく強く見せていても、心の内に悲しみを抱えているゲイたちの姿がせつなく感じられます。
5名のアーティストの方たちの個性や才能が遺憾なく発揮され、それぞれのセクシュアリティや、思いが表現された作品たち。見ることができて本当によかったです。27日まで開催されていますので、この週末にでもぜひお出かけください。
MALE ART 2022 男のフェチズム展2
会期:2022年7月15日(金)〜27日(水)
会場:新宿眼科画廊
開場時間:12:00-20:00(水曜日は17:00まで)
※木曜日休廊
★ほかにも今月、LGBTQ関連のアート展が開催されています。こちらの特集もご覧ください
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