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レポート:TRP2022「プライドフェスティバル」(3)3日目
3年ぶりのリアル開催が実現した東京レインボープライド2022。3日間にわたる「プライドフェスティバル」の模様をお届けします。最終日、パレードが行なわれた4月24日(日)のレポートです。

3年ぶりのTRPのリアル開催、本当によかったですね。
あの代々木公園の会場に着いたときの感慨、本当に大勢の人たちが集まってイベントを楽しんでいる様子、会場に祝福感があふれているあの空気感、ステージでのドラァグクイーンショーやライブ、そして(残念ながらの小雨ではありましたが)3年ぶりのパレード。本当によかったです。何度となく、こみあげる瞬間がありました。ひさしぶりに友人・知人に再会できた喜びの笑顔があちこちにあふれていました。今まで溜め込んできた気持ちが解放され、心から幸せな気持ちになれた方も多かったはず。いつにも増して、喜びがあふれる、素晴らしい3日間でした。
TRPの実行委員やボランティア・スタッフのみなさん、協賛してくれた企業や団体・個人のみなさん、そのほか、運営に協力してくださったすべてのみなさんに感謝申し上げます。
初の3日間開催となったTRP2022「プライドフェスティバル」のレポートをお送りします。
(取材・文:後藤純一、パレード写真提供:OUT JAPAN)
3日目:4月24日(日)
4月24日(日)、天気は一転して、小雨模様に…。3年ぶりのパレードに雨が降るなんて…という悲しい気持ちで家を出たのですが、会場は、前日を上回るような本当にたくさんの方たちで賑わっていて、ハッピーな熱気に包まれていました。
12時45分、TRPや全国のプライドの代表のみなさん、司会のクイーンさんらが出発地点に並び、フォトセッションが行なわれました。
今年のパレードは、感染防止策の一環として、参加人数があらかじめ2000人に制限され、事前申込をした方の中から抽選で参加権が与えられるという、今までにない方法で行なわれました。フロートは主催者グループが4つ、それからYOUTH PRIDE JAPAN、JAPAN PRIDE NETWORK、企業フロートが2つで、全部で8つのフロートに絞られていました。
13時、小雨が降るなか、3年ぶりとなるプライドパレードがスタートしました。
レディ・ガガの『Born This Way』などLGBTQのアンセムが流れブルボンヌさんやベビー・ヴァギーさんが「ハッピープライド!」と沿道に手を振るゴージャスなフロート、人力車にダイアナ・エクストバガンザさんや肉乃小路ニクヨさんらドラァグクイーンの方々が乗ったフロートなどが、順番に出走していきました。(私は出発地点で撮っていましたが、渋谷駅前で撮られた美しい画像(提供:OUT JAPAN)をお借りできたので、そちらをご紹介します)(フォトアルバムはこちら)
14時過ぎにすべてのフロートが出発し終えたのを見届けて会場に戻ったところ、パレードの帰着地点でたくさんの人が並んで「おかえりなさい!」とパレード参加者をお出迎えしていました(ハイタッチこそしないものの、手を振ったりしながら)。「ああ、これがTRPのパレードのもう一つの良さだったなぁ…」と3年ぶりに思い出し、あらためてあたたかい気持ちになりました。
雨がやまないなか、15時からステージイベントがスタートしました。
司会はブルボンヌさん&りゅうちぇるさん。レインボーどーもくんとにじももステージに上がっていました。
「NEOかわいい」「コンプレックスはアートなり」を掲げ、世界的な活躍をしているガールズバンド「CHAI」のみなさん。実はその存在を知らなかったのですが、海外で受けるのも納得の、オリジナリティあふれるカッコいいパフォーマンスでした。
続いて八方不美人のみなさん。『愛なんてジャンク!』『沼』などの恨み節ソングを立て続けに披露し、MCでドリアンさんが「これが私たちの繋がり方、見え方、変わり方なんです」と言って笑わせたあと、今度は真面目にエスムラルダさんが世界情勢について語り、応援ソング『その日を摘め』を披露。そして最後に、プライドのステージで歌えるような曲もないとね、と言って用意したものの、コロナ禍で歌えず、ようやくTRPのステージで歌えるようになったという『地べたの天使たち』を爽やかに歌って締めました。観客のみなさんが雨にもかかわらず心からの笑顔で楽しんでいる様子が印象的でした。
お待ちかねのミラクルひかるさんが登場。広瀬香美さんや渡辺真知子さん、そして宇多田ヒカルさん(一部椎名林檎さん)などのモノマネを披露し、会場を大いに盛り上げてくれました。(この頃には野外ステージ前のエリアは超満員に。そして会場は入場規制がかかっていました)
そして、二丁目が誇るドラァグクイーンのみなさんによるショータイムが繰り広げられました。
一口にドラァグクイーンと言っても本当にいろいろだし(多様性)、ドラァグクイーンのショーってただのエンタメじゃなく生き様が表れるものだし、だからこそ素晴らしいということが、会場のストレートのみなさんにもよく伝わったのではないかと思います。
そして大トリ、星屑スキャットのみなさん。『ご乱心』『半蔵門シェリ』など、小粋で大人な歌謡曲をプロフェッショナルに歌い上げ、オーディエンスをトリコにしていました(私もいっしょに踊ったりしながら楽しみました)。『聖母たちのララバイ』は初めて聴いたかも。本当に素敵なライブでした。最後にはドラァグクイーンのみなさんも登場し、華やかなフィナーレとなりました。
こうして、3日間にわたるTRP2022「プライドフェスティバル」は幕を閉じました。TRPに参加したすべてのみなさんに「ハッピープライド!」とハイタッチしたい気持ちでしたし、困難を乗り越えてTRPのリアル開催を実現した主催者のみなさん、協賛・協力してくださったすべてのみなさんにも心から感謝申し上げます。おつかれさまでした&ありがとうございました!
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