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レポート:HIMEJI LIBERATION MARCH

2022年4月23日(土)、姫路で初となる「HIMEJI LIBERATION MARCH」が開催されました。参加したVENさんにレポートしていただきました。

レポート:HIMEJI LIBERATION MARCH

 2022年4月23日(土)、兵庫県姫路市で「HIMEJI LIBERATION MARCH(姫路リベレーションマーチ)」が初開催されました。いわゆるLGBTQのレインボーパレードとは異なるのですが、ゲイの方が主催し、LGBTQだけでなくより広く、多様な社会的マイノリティの差別撤廃や権利回復を訴えるパレードとして開催されました。


HIMEJI LIBERATION MARCHについて

 HIMEJI LIBERATION MARCHは、LGBTQやHIV陽性者、不登校やひきこもりの方、精神疾患を抱える方、依存症の方など、生きづらさを感じたり、孤立しがちな社会的マイノリティの方たちが安心して過ごせる居場所としてのコミュニティスペース「そらにじひめじ」が主催しています(こちらで「そらにじひめじ」の様子を紹介しています)

 ニューヨークのQUEER LIBERATION MARCH※にちなんで名付けられたという「HIMEJI LIBERATION MARCH」の告知ページには、このように書かれていました。
「今年は、全国水平社創立100周年の年です。平和と人権の確立をめざす部落解放運動は、さまざまな活動の原点となり、現在まで女性解放運動や障害者差別の解消、LGBTQの社会運動に大きな影響を与え続けています。LIBERATION MARCHは、さまざまな差別や抑圧、搾取、バイアスによって失われた権利を回復させる活動です。日本でも、これまで部落、女性、障害者、外国ルーツの人などの人権課題を解決するために様々なかたちで、社会運動であり解放運動である活動が続けられてきました。現代社会において、私たちは、貧困、高齢化、少子化、人工妊娠中絶の合法化、選択的夫婦別姓、同性婚、メンタルヘルス、不登校、引きこもりといった課題に直面し、平和とは何か、平等とは何かという問いを常に考えさせられる時代に生きています。これらは私たち誰もが当事者として、また当事者となり得るものとして、自分ごととして、解決していくべき課題なのです。誰もが社会の中で孤独や不安を抱えています。それでも一人ひとりの「自分らしく生きるための自由」をあきらめず、また、そのための勇気と 希望を分かち合いましょう。多様な私たちがそれぞれの解放を目指し、あきらめない姿勢を表す…それがHIMEJI LIBERATION MARCHです」 

※ストーンウォール50周年を記念する2019年、ワールドプライドとして大々的に開催されたニューヨークプライドとは別に、ACT UPなどいくつかの草の根的なLGBTQ団体や活動家が集まって「Reclaim Pride Coalition」を結成し、商業的になりすぎたニューヨークプライドへのアンチテーゼとして、プライドパレードの原点に立ち返るような「QUEER LIBERATION MARCH」を行ないました。翌年にはBLMに連帯し、警察の暴力に抗議するパレードとして開催されました。

 もともと姫路駅前広場で4月23日・24日、障害者差別解消法を広く知ってもらおうとする趣旨の「ダイバーシティな文化祭」が開催されることになっており、主催者の方にパレードをやってはどうかとの提案があったため、このイベントと連動してLIBERATION MARCHが行なわれることになったんだそうです(TRPにぶつけるとかそういう意図があったわけではありません。念のため)
 いわゆるLGBTQのレインボーパレードとは異なりますが、(2013年の東京大行進もそうでしたが)多様な社会的マイノリティの人たちとLGBTQが連帯し、ともに差別撤廃や権利回復を求めて行なうインターセクショナルなパレードだったと言えそうです。
 
 
レポート:HIMEJI LIBERATION MARCH

 TRP開催期間中ということもあり、g-lad xxとしては姫路に行って取材することはできなかったのですが、参加したVENさん(日本一たくさん全国のパレードに参加している方)にレポートしていただきました(画像は、主催の「そらにじひめじ」からも提供していただいてます)
 VENさんによると、今回のMARCHは、「自分らしく生きるための自由」をあきらめず、多様な私たちがそれぞれの解放を目指し、あきらめない姿勢を表そうとするものだったそうです。以下、VENさんによるレポートです。




 4月23日(土)は、障害者差別解消法周知イベント「障害者差別解消法6周年 知ろう・出会おう・つながろうダイバーシティな文化祭 姫路の中心で愛を叫ぶ」が行なわれており、コラボ開催というかたちでHIMEJI LIBERATION MARCHが実施されました。
 
 参加したのは地元・姫路の方たちだけでなく、社民党参院選全国比例区予定候補者の村田しゅんいちさん、レインボーカフェ岸和田の藤田さん、そらにじ明石の方々、青森レインボーパレードの共同代表の方、Divercity Lounge富山の方、岡山のカップルの方々など、全国各地からの参加がありました。

 14時に姫路駅前広場に集合し、ステージでは参加者の方々の挨拶があり、14時30分にパレードがスタートしました。
 姫路駅前から姫路城に向かう姫路のメインストリート・大手前通りを進みます。さまざまなプラカードを掲げた参加者が青空の下、歩いて行きます。沿道から手を振ってくれる人、プライドのメッセージを真剣な顔つきで読んでくれる人など、街の反応はとても良い感じでした。
 大手前公園のところでUターンし、今度はみゆき通りの商店街に入り、姫路駅に向かって歩きました。レインボーフラッグを店先に飾ってくれていたお店もあり、商店街のみなさんも温かく見守ってくれているのを感じました。
 約60人の参加者が、それぞれの思いを込めて歩きました。
 約1.8kmのパレードを歩き終えて会場に帰着すると、「ダイバーシティな文化祭」のステージから、MCの方が「お帰りなさい。お疲れ様でした」の温かい声をかけてくれました。






 参加者とお話をしたあと、レインボーフラッグを飾って応援してくれていたお店「ecoeat(エコイート)姫路二階町店」に立ち寄り、お買い物しました。
「そらにじひめじ」では、パレード参加者の方々が集まって、お話していました。

 HIMEJI LIBERATION MARCHに参加して、多様な方たちとの連帯の大切さをすごく感じました。連帯し、共闘し、それぞれが生きやすい世の中になるよう声を上げている姿に、とても感動しました。
 このようなマーチが全国で行なわれるといいなと思い、姫路を後にしました。

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