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レポート:3年ぶりに開催されたレザーパーティ「FOLSOM BLACK」
2月12日、3年ぶりに二丁目に「FOLSOM BLACK」が帰ってきました。全国からレザーやラバーを愛する男たちが駆けつけ、新たに参加したや外国人の方なども入り乱れて、素晴らしくセクシーでハッピーな盛り上がりを見せました。
2023年2月12日(日)、二丁目のゲイクラブ「Arty Farty」で「FOLSOM BLACK」vol.41が開催されました。2020年2月の開催以来、実に約3年ぶりに、二丁目に本格的な(元祖?本家?の)レザーパーティが帰ってきたのです。北海道から沖縄まで、全国からレザーやラバーのファンが3年ぶりの開催を祝うかのように駆けつけ、新たに参加した方や外国人の方なども多く、大盛況で、たいへんセクシーでハッピーな盛り上がりを見せました。レザーマンの温かさに触れ、癒され、幸せな気持ちになれる、素晴らしい一夜でした。レポートをお届けします。
(取材・文:Junchan)
10年前のレポートでも詳しくお伝えしましたが、もう一度レザープライドについてお伝えします。
レザープライドフラッグはレザー(革)やラバー(ゴム)にフェティシズムを感じる人たちやSMなどのハードプレイを愛する人たちのシンボルです。黒はレザーやラバーを、青はブルージーンズを、白はジョックストラップ=ケツワレサポーターを(このコミュニティに属する人たちが互いに愛情をオープンに表現するときの純粋さを指すという説もあります)、そしてハートはレザーマンたちのあたたかい心を表しています(私は若かりし頃、『バディ』誌でGOGO BOY MASAさんの連載を担当していたときに「レザープライドフラッグのハートはレザーマンたちのあたたかい心を表しているんだよ」という話を聞いて、パレードで「Over the rainbow」が流れるのは『オズの魔法使い』に主演したジュディ・ガーランドが亡くなったのを悲しんでいた時に警官の摘発があってストーンウォールのお客さんが怒って暴動になったんだよ、というお話と同じくらい、感動しました)
欧米では、パレードにもレザープライドフラッグを掲げたレザーマンの集団が必ず参加しますし、どのゲイタウンにもレザー好きが集うバーがあり、確固としたコミュニティを築いています。サンフランシスコで毎年開催されている「FOLSOM STREET FAIR」は、レザー好きなゲイたちの聖地と化していて、レザーやラバーに身を包んだ(あるいは何も着ていない)男たちが昼間っから何十万人も集まり、そこかしこで愛を交わし合うストリートフェスです(「FOLSOM BLACK」という名称もこのイベントに由来しています)。インターナショナルMr.レザーコンテストの開催地でありレザープライドフラッグの発祥の地であるシカゴにはレザー博物館もあります(いつかインターナショナルMr.レザーコンテストに日本代表を送れたらいいですね)
日本でも、「FOLSOM STREET FAIR」を体験し、本場のレザーカルチャーやコミュニティに魅力されたバー「MAGNUM」(現「MAG2」)のMIKIOさんが2000年代からレザーパーティをお店で開催するようになり、2013年からは二丁目のAiSOTOPE LOUNGEやArty Fartyなどのクラブで「FOLSOM BLACK」を開催してきました。
コロナ禍で3年間、中断を余儀なくされましたが、今回、晴れて復活することになりました。
2月12日(日)は、3日前の雪がうそのような、よく晴れた暖かい日でした。会場の「Arty Farty」には、3年ぶりの開催おめでとう〜と祝うかのように、常連さんや、北は北海道、南は沖縄という全国のレザー&ラバーファンの方々、新しい若いお客さんや、韓国や東京に住む外国人の方など、実に多様な方々が詰めかけ、賑わっていました。
本格的なフルレザーやラバーを着こなす方たちも多かったですし、覆面+レザーパンツ(上半身は裸)だったり、ハーネス+ジーンズだったり、ケツワレやふんどしだったり、パピーマスクだったり、みなさん思い思いにエロティックギアを身につけて素敵に輝いていましたし、フロアは見渡す限りの黒コスチューム、セクシー野郎図鑑という趣で、たいへん壮観でした。
NAWOTOさん、GENTOさん、FUMIさん、SHIGERUさんというレザーの似合う兄貴系GOGO BOYSによるショータイムは、とてもセクシーでしたし、それでいてお高くない、性格のよい方たちばかりなので、お客さんにもたくさんサービスしてて(「来てよかった」って感激してた方もいらっしゃいました)、チップもバンバン飛び交ってました。
DAIさん、YUMEさんによるDJも、みんな知ってる定番のアッパーな曲(Billboard Top40系)がバンバンかかったり、90年代に聴いてた超懐かしい曲とかもかかったりして、終始アゲアゲ状態でした。GOGOさんがいない時はステージにお客さんが上がって踊ったりもして、自由で楽しくてよかったです。
お客さんは(私を含め)年齢層高めな方も多い一方、新たに参入した若い方も増えてましたし、イケオジと若い子がデキてたりもしましたし、割とみなさん、誰かとからんだり、ハグしたり、黒い幕で仕切られたスペースでさらに「ふれあい」を深めたり、何かしらいいことがあったと思います。
わざわざ有休を取り、ホテルも予約して、という遠方からのお客さんも結構たくさんいらっしゃいました。そうするだけの価値があるイベントなんですよね。
初めてレザーを着たという方が、ハーネスとレザーのTバックだったのですが、Tバックが小さくてどうしても具がハミ出てしまって(デカ玉属性の方)、とか、フロアで鞭打ちが始まったりとか(Sさんがちゃんとコントロールしてましたが、結構本格的なビシッという音も響いたり。でもMの方が終わってから嬉しそうにSさんにハグしてました。胸熱…)、最初レザーのシャツを着てたマッチョさんが、最後の方は脱いでハーネスと乳首ピアスを見せてたりとか、実にエロくて楽しい光景が繰り広げられてました。
一言で言うと、めっちゃ楽しかった!です。笑顔あふれるセクシーイベントでしたし、kinkyであればあるほど注目されたり褒められたりする世界の心地よさっていうのもあって、本当にいいパーティでした(マスターのMIKIOさんの人柄のおかげだと思います)。2日経った今も、その多幸感の余韻がしばらく続いています。
「FOLSOM BLACK」は初期の時から通ってますが、今回も本当に楽しかったですし、大盛況で何よりでしたし、温かさや愛や喜びがあふれるような、素晴らしい一夜でした。これからも末永く続いていってほしいです。
次回は5月28日(日)の予定だそう。ぜひ公式Twitterアカウントをフォローして、続報をお待ちください。
★「FOLSOM BLACK」vol.41のフォトアルバムはこちら
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